企業インフラ用に進化!プライベート・ブロックチェーン技術とは

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企業インフラ用に進化!プライベート・ブロックチェーン技術とは

基幹系システム 2016/01/25

 ITを駆使して新たな金融サービスを生み出そうとする“FinTech”。今この分野で大きな注目を集めているのが、ビットコインの基盤技術であるブロックチェーン技術だ。更に国内では今、このブロックチェーン技術を応用して、金融機関から個人デベロッパーまで、あらゆるユーザーが簡単にブロックチェーン技術を利用できるようにした汎用プラットフォームが登場してきている。テックビューロの提供する「mijin」だ。

 今なぜブロックチェーンが注目されているのか、またmijinとはどのようなものか。インフォテリア/テックビューロ共同開催の「フィンテック フォーラム」からお届けする。

劇的に成長するFintech市場の中で存在感を増すブロックチェーン技術

 現在のFintech市場に対する投資は、北米/欧州/アジアを含む全世界で大きく成長しており、2014年における投資総額は1.2兆円で、2009年の実に6倍の伸びを示している。

 このFintech市場で大きな注目を集めているのが、ブロックチェーン技術だ。ブロックチェーンではホストマシンを立てる必要がなく、複数のコンピュータが主従の関係無しにトランザクションの処理を行い、“一度記録されたデータは誰も消すことができない”という画期的なメリットを提供する。

 インフォテリアの社外取締役で、米Fenox Venture Capital 共同代表パートナー&CEOのアニス・ウッザマン氏はこの大きな特徴を踏まえて「ブロックチェーン技術により銀行の従来のサービスが大きく変わっていく」と指摘する。「ブロックチェーン技術を利用することで一度記録されたデータは削除できなくなり、決済シーンでの不正は不可能になり、取引の信頼度は劇的に高まる。また処理の間に金融機関が入らなくても済むため、規制や法的義務がどんどん緩和され、新たなサービスが生まれやすくなっている。更にはこうしたトレンドを背景に、より速く、より安い決済が可能になる」(ウッザマン氏)。

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ブロックチェーン技術を企業インフラ用として利用可能にした「mijin」

 ブロックチェーン技術は、ビットコインの“生みの親”である中本哲史氏によって発明されたもので、P2Pネットワーク上で自動的に分散し、ブロック単位でトランザクションを処理する仕組みを提供する。一度記録されたデータを消せない、改竄できない、盗めないようにする画期的なテクノロジーで、キャパシティを超えた場合でも自動遅延処理を行うことで、ゼロダウンタイムを実現する。

テックビューロ株式会社 朝山 貴生 氏

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テックビューロ株式会社 朝山 貴生 氏

 そしてこのブロックチェーン技術をベースに開発されたのが、テックビューロの提供する「mijin」だ。同社 代表取締役社長の朝山貴生氏はmijinを次のように説明する。
「mijinは、ブロックチェーン技術を誰もが簡単に“プライベートP2Pネットワーク”として利用できるように開発した汎用プラットフォームで、いわば企業インフラ用に使えるようにした“プライベート・ブロックチェーン”。元のブロックチェーンから何歩も踏み出したものだと言える。データベースとアプリケーションの間のレイヤーだと考えていただければいい」(朝山氏)。

 例えばmijinを複数のサーバー上に立ち上げると、各々のノードが自動的にコンセンサスを取りながら、データをブロックチェーンに記録する。万一の障害やサイバー攻撃により複数のノードが機能を停止しても、残りのノードが稼働していればサービスが止まることはなく、データが消えることもない。各ノードを地理的に分散して立ち上げておけば、ゼロダウンタイムのシステムを構築することができ、冗長化やバックアップの必要もなくなる。「ブロックチェーンでは、誰もがトランザクションを処理するためのノードを立ち上げることができ、その利用は一般に公開されているが、プライベート・ブロックチェーンでは、ノードの立ち上げと利用が企業内のみに限定されることになる」(朝山氏)。

 朝山氏によれば、そもそも金融機関がブロックチェーンに注目したのは、この技術が使われていたビットコインの仕組みが一度も停止したことがないことからだという。しかもデータは消したり改竄されたり、盗まれたりすることもない。「しかし企業には、自社の情報を世界中のコンピュータが繋がっているネットワーク上ではやり取りしたくないという思いがある。そこでブロックチェーン技術を、企業内やグループ内でも使えるようにしたのがプライベート・ブロックチェーン技術であり、汎用プラットフォームとしてのmijinである」(朝山氏)。

mijinが提供する3つのメリット

 mijinが提供するメリットは大きく3つ、挙げられる。順番に、処理の速さ、安全性、そして低コストだ。

 まず速さについて、mijinは利用するネットワークやハードウェアに最適化されることで、地理的に分散したネットワーク上でも、パブリックなブロックチェーンより高いスループットを実現する。

 安全性の面では、mijinではデータの起源と整合性が保証されることで、既存のデータベースよりも高い安全性と信頼性を担保することができる。

 そしてコスト面では、mijinでは、データはP2Pネットワーク上で自動的に冗長化されるので、バックアップのための高価なハードウェアが不要となり、大幅なコスト削減を実現することができる。

 「企業にとって最も効果が大きいのが、コスト削減の部分。mijinを使えば、従来のようなDBから設計してというシステム開発の必要がなくなる。一番低減できるのは人件費だ。また今まで保険のようにかかっていた災害対策用のコストも全て不要になる」(朝山氏)。

 後編では、インフォテリアとテックビューロの業務提携について紹介する。

                                                                           (執筆者:西山 毅,レッドオウル )

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