産業医の企業提案にみる”ストレスチェック制度”対応

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産業医の企業提案にみる”ストレスチェック制度”対応

基幹系システム 2015/12/24

 これまでストレスチェック制度について、産業医の立場から述べてきました。
 今回は、もう少しイメージがしやすいように、実際に私が産業医をしているクライエント企業に対し、ストレスチェック制度の導入・運用をどのように提案しているのか、その内容を紹介させていただきます。

 従業員のため、会社のためを考えると産業医が実施者と面接指導を担うことに異論はありません。また、ストレスチェックテストの結果情報開示をしたくないために、手を上げない従業員がいることも容易に予想されます。

 私は現時点では、以下のプランが最適と考えています。

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 ストレスチェックテストの実施後、実施事務従事者は、高ストレス者に以下2つの選択肢を提示します。

1.ストレスチェックテストの結果を開示したくない場合は、補足的面談を受けて下さい。
 従来の健康相談としての申し込みも可能とします。

2.ストレスチェックテストの結果を、開示してもよければ面接指導を受けて下さい。

 どちらの面談も産業医の私が行います。面接指導の場合は、受診者の状況により就業制限をかけることが可能です。そして、必要に応じて翌月以降の産業医面談でフォローします。

 いずれも申込先は、実施事務従事者とします。
 申込者が結果開示なしの補足的面談希望といった場合は、1ヵ月以内に面談できるように他の産業医面談よりも優先的に扱います。補足的面談時には、面談担当者にストレスチェックテストの個人結果を情報として提供してもらいますが、必須ではありません(労働時間等の勤務状況情報はあるにこしたことはないですが)。

 一方、申込者が結果開示ありの面接指導希望といった場合は、1ヵ月以内に面談できるように最優先で扱います。実施事務従事者には、ストレスチェックテストの個人結果のほか、労働時間等の勤務状況情報も面接指導時に用意してもらいます。

 この補足的面談で本当にメンタルヘルス的に危ないと判断した人は、以下の対応を考えています。

1. 私が説得して、結果開示OKの面接指導と変更し就業制限をかける

2.結果開示OKの面接指導を翌月訪問時に行い再判断する

 どうしても嫌がる場合は、翌月に通常の産業医面談でフォロー。つまりストレスチェック制度ではなく、通常の産業医の業務の中で対処するようにします。

面接指導担当医に”産業医”がオススメの理由

 ここでなぜ面接指導担当医に“産業医”をお勧めしているのか、その理由を整理します。

1.自分の結果を知ることになるのはいつもの産業医、高ストレス者になっても面接指導はいつもの産業医である。従業員の安心感はいつもの産業医に勝るものはありません。
 
2.面接指導の結果、就業上の措置が必要になっても、現場をわかっている産業医であれば会社にとっても無理のない、現実的な就業制限をかけてくれる期待が持てます。現場を知らない臨時の医師では様々な判定結果も厳しくなりがちだと思います。
 
3.会社(担当者)との連絡の取りやすさも、いつもの産業医であれば気心がしれていて連携しやすいでしょう。
 
4.いつもの産業医に会いに行くのであれば、他の従業員からは通常の産業医面談・健康相談・過重労働面談と区別がつきにくいです。「面接指導を受ける=高ストレス者であること」のカモフラージュにもなります。

5.高ストレス者が面接指導を拒み続ける場合、健康診断結果面談や過重労働面談の名目でも声をかけやすいです。

6.産業医は医師ですので、実施者も兼ねられます。

7.まとめると、従業員の安心、担当者には手間暇の削減効果が期待できますので、面接指導の担当者は、現場を知っている産業医がお勧めだと考えます。

 以上をまとめて考えてみると、極端な言い方ですが実施者は実際のところ“おかざり”的な存在でも、実施事務従事者やストレスチェック制度対策チーム内に十分な知識を持った人がいれば何とかなる可能性が高いと考えます。

 しかしながら、面接指導を担う医師は会社の実情を知っているであろう産業医にお願いするのが最善の選択肢だと思います。

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キーマンズネットとは
医師、医学博士、産業医。これまで20以上の企業を担当。年間千件・通算1万件以上の健康相談やメンタルヘルス相談を通じ、働く人の健康管理をお手伝い。著書に「産業医・労働安全衛生管理者のためのストレスチェック制度対策まるわかり(中外医学社)」「不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣(産学社)」がある。

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