従業員数”49人以下”事業場のためのストレスチェック制度

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従業員数”49人以下”事業場のためのストレスチェック制度

基幹系システム 2015/12/09

 先週より始まった「ストレスチェック制度」は、従業員数50人以上の事業場にとっては義務となります(詳細は前回をご参照下さい)。
 では従業員数が49人以下の事業場はどうすればいいのか?というご質問が読者様よりございましたので、今回は産業医の立場から提案をさせていただきます。

従業員49人以下の事業場で“ストレスチェック制度”はしないほうがいい?

 厚生労働省は当分の間、ストレスチェック制度は従業員数49人以下の事業場では“努力義務”と言っています。そして行うのであれば「地域産業保健センター等」の活用を促しています。ただ、努力義務だからやらないでいいのか。努力義務でも、従業員のストレス・メンタルヘルス対策のためにやるべきなのか。そこが悩ましい問題でしょう。

 従業員数が49人以下の事業場は法的には産業医の専任義務はなく、産業医がいない事業場がほとんどだと思います。私がこのような事業場に提案するのは、法律の定める「ストレスチェック制度」は実施しないということです。

 では、何もやらないのか?というとそういうわけではありません。やるならばストレスチェック制度もどき”を提案します。「ストレスチェック調査と対応(仮称)」等の名称で、同様のことを行うのがいいでしょう。 

 “ストレスチェック制度もどき”の内容は、ストレスチェック制度に似ていますが、正式なストレスチェック制度で用いられている「補足的面談」「面接指導」等の名称は誤解を招きますので、使ってはいけません。以下、その概要です。

“ストレスチェック制度もどき”の概要

 まず労働監督署への報告は報告義務はありませんので、いたしません。
 従業員個人のストレスチェックテストの結果等の情報管理、守秘義務は、正式なストレスチェック制度と同等レベルにしましょう。従業員の安心のためです。

 ストレスチェックテスト自身は、“50人以上の事業場”である親会社と一緒でよければ、同じものを利用します。親会社がなく独自でやる場合は、無料版ストレスチェックテストを用いるか「こころの耳_5分でできる職場のストレスセルフチェック」を案内しましょう。ここには厚生労働省の定めるストレスチェック制度の標準的な57個の質問があります。

 そして、結果が高得点となった人(=ストレスチェック制度では高ストレス者に該当する人)や、自分の結果が気になった人には以下サービスを提供してみてはいかがでしょうか。

希望する人は医師による面談(面接指導もどき)

正式なストレスチェック制度ではありませんので、電話面談でも可能とします。

またはメンタル系クリニック受診奨励や、更にはメンタル系クリニック受診奨励+費用補助1回

受診の領収証を見せることで、会社が費用を負担してみてはいかがでしょうか。

もしくは会社でカウンセリング提供か、社外カウンセリング費用補助1回1万円まで補助(領収書必要)

 上記のような案を立てたのち、従業員には以下のような案内・呼びかけを行うのはいかがでしょうか?

 年に1度、ご自身のストレスレベルを「こころの耳_5分でできる職場のストレスセルフチェック」で判定してみて下さい。このストレスセルフチェックの結果が会社に知られる事はありません。ストレスセルフチェックの結果、ストレスレベルが高い、自分のストレスが心配だ、と思われた方はぜひ以下のご対応をご検討下さい。

・街の精神科、心療内科、カウンセリングルーム等にご相談下さい。
・街の精神科、心療内科、カウンセリングルーム等にご相談下さい。
 領収証を提出していただければ、一人一回7000円までの費用を会社で負担します。
・人事部にお申し出下さい。地域産業保健センターをご案内します。
・人事部にお申し出下さい。
 本社(本部)の産業医の訪問時間に合わせて、ビデオ会議形式による医師面談をご用意します。
・担当者にお申し出下さい。
 本社(本部)のカウンセラーとの面談をご用意します。

 
 なお、面談内容は、あなたの許可なく会社に開示される事はありませんので、ご安心下さい。

 厚生労働省の調査では、小さい事業場ほどメンタルヘルス対策の体制が整っていないと言われています。また、小さい事業場ほど従業員がメンタルヘルスの不調について会社に伝えにくいと感じているのは想像しやすいことと思います。

 ストレスチェック制度が始まりました。従業員数50人以上の事業場は義務ですが、49人以下の事業場は努力義務です。必ずしもやらねばならないわけではありませんが、このように“ストレスチェック制度もどき”として行うことで、担当者の負担を減らす意味でも、従業員が年に1回、ストレスについてメンタルヘルスについて、考えるきっかけを作ることは可能です。

 もし、あなたの会社が従業員数49人以下の事業場だとしても、ぜひこの“ストレスチェック制度もどき”の導入をご検討下さい。

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キーマンズネットとは
医師、医学博士、産業医。これまで20以上の企業を担当。年間千件・通算1万件以上の健康相談やメンタルヘルス相談を通じ、働く人の健康管理をお手伝い。著書に「産業医・労働安全衛生管理者のためのストレスチェック制度対策まるわかり(中外医学社)」「不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣(産学社)」がある。

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