ストレスに悩まない人達が実践する3つのセルフケア 〜2〜

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ストレスに悩まない人達が実践する3つのセルフケア 〜2〜

2015/11/11

 前回は、メンタル不調にならない人達が実践する3つのセルフケアの1つ目、「長時間労働による負の連鎖を断ち切る」ことをご紹介しました。今回は2つ目をご紹介いたします。

床上時間!?睡眠時間よりも“布団の中”にいる時間が重要!

 ストレスに上手に対処している人達は、そもそもストレスに対処する前に、ほとんどが、しっかりと、睡眠するための時間を確保しています。睡眠時間ではなく、布団の中にいる時間、ベッドの中にいる時間、このような“床上時間”をしっかり確保しています。

 睡眠時間の把握は、実はなかなか難しいのです。例えば食事を摂った時刻なら誰でも意識があるので、朝昼晩それぞれ何時に食べましたと答えられるでしょう。でも睡眠時間というのは、布団に入った時刻はわかっても入眠した時刻はわかりませんし、夜中に目を覚ましても時計を見るとは限らない、見ても覚えているとは限らないといったこともあって、正確に把握するのは非常に難しいのです。

 睡眠障害の中でもいわゆる不眠について言えば、入眠障害(寝付けない)、中途覚醒(眠れるけれど夜中に目覚める)、早朝覚醒(朝、早すぎる時間に目覚める)、熟睡障害(眠っているのだけれど浅い)などがありますが、その実態については専門の医師でもなかなか把握しがたく、ましてや会社のなかで人事やカウンセラーが把握するというのは大変難しいことです。眠っているか眠っていないかということなんて、本人だって正確には把握できません。

 そこで私が産業医として注目しているのは、睡眠時間ではなくて布団やベッドにいる(いた)時間です。“床上時間”とでも言ったら良いのでしょうか、とにかくベッドや布団の上で身体を休めている時間を意識します。ベッドにいる時間が長いのか短いのか、そして眠れているか眠れていないか、それを確認すると、結果として以下の4つに分類できます。

 まず「ベッドにいる時間が短くて眠れていない」という一番良くないパターン。2つ目は「ベッドにいる時間は短いけれど眠れている」というパターンです。私のクライエントさんで、夜中の2時まで働いているので物理的にベッドにいる時間は4時間しかないというケースもありましたが、それでも4時間眠れている場合はまだ良い方でしょう。3つ目は「ベッドにいる時間は長くて、かつ良く眠れているというパターン」で、こちらが最も理想的です。4つ目の「ベッドにいる時間は長いけれど眠れていない」というのはちょっと難しいケースかもしれません。

 ベッドにいる時間が長いけれど眠れていないという人でも、いつも6時間はベッドにいることができるけれどちょっと最近寝付けない、ただ日によってはぶっ通しで眠ることもできるという場合は、それほど問題はありません。というのは、たいてい人間の睡眠時間は1サイクルが90分ですから、6時間横になっていれば90分のサイクルが3、4回はとれていることになります。

 私の職業的な感覚では、睡眠サイクルが2サイクルとれない日が2週間続くと、高確率でうつ病になっていると感じます。ですから先ほど挙げた4時間しかベッドにいられないという例でも、うまく3サイクルとれていればまだ良いのですが、こういう人達が寝付けないとか夜中に目が覚めるということになると即座に2サイクル以下になってしまうので、かなり危ないわけです。

 そういう意味で、寝付けているかどうかということよりも先に、まずは“ベッドにいる時間”を意識していただくのがよいのではないかと思います。長時間労働で長い時間ベッドにいることは難しい方でも6時間くらい確保しておけば、1サイクルくらい逃したとしてもそれなりに耐えられることが多く、すぐにメンタル不調に陥るような可能性は少ないでしょう。

 このように、日頃から少なくとも6時間くらいはベッドに横たわっている時間を確保するだけでも、長時間労働による負の連鎖を断ち切ることにつなげられます。忙しくて毎日6時間の床上時間の確保は難しくても、週に数回そうすることで、睡眠不足からメンタルヘルス不調に陥るリスクはだいぶ回避できます。

 ぜひ読者の皆さんもこのような意識をもって、身体と心の健康の維持に役立てていただければと願います。
 
 次回は、メンタル不調にならない人の3つセルフケア、3つ目をご紹介いたします。

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キーマンズネットとは
医師、医学博士、産業医。これまで20以上の企業を担当。年間千件・通算1万件以上の健康相談やメンタルヘルス相談を通じ、働く人の健康管理をお手伝い。著書に「産業医・労働安全衛生管理者のためのストレスチェック制度対策まるわかり(中外医学社)」「不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣(産学社)」がある。

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