「ストレスチェック」に関してよくある質問 〜Q&A〜

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「ストレスチェック」に関してよくある質問 〜Q&A〜

基幹系システム 2015/10/07

 最終回となる今回は、ストレスチェック制度の導入にあたり、弊社に寄せられる“よくある質問”について検討を加えていきたい。

問:ストレスチェックには厚労省の職業性ストレス簡易調査票を使う必要があるのか

 ストレスチェックには「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域を加えなければならないが、それに加えて各事業場の判断でその他の項目を加えてもよいし、厚労省の職業性ストレス簡易調査票を必ず使うことも求められていない。ただし、事業場が独自にチェックを作成する場合には一定の科学的な根拠が求められるとされている。具体的には、医師や統計の専門家が監修するなど、尺度の信頼性・妥当性などが科学的に一定の水準に達した、外部の評価に耐えうるものでなければならない。各事業場が独自にそうした尺度を作成することは通常困難なので、現実的にはストレスチェックの専門外部ベンダーから自社に適した内容の提供を受けることになるだろう。

問:ストレスチェックの受検は従業員の義務ではないが、受検率が上がらないのでは

 制度の目的を担保するために、実施者(産業医、外部メンタルヘルス業者)はメールなどで目的の啓発を行うことにより受検を働きかけることが必要である。また実施者は実施の有無に関する情報を事業者(会社)に提供することが可能なので、そのリストに基づき受検勧奨をすることができる。この際、業務命令のように強制することがないよう、また受検しないことが従業員の不利益にならないよう周知をしておくことが重要である。衛生委員会などできちんと会社としての方針、目標を定めて一丸となって進めることが肝になろう。  

問:高ストレスと判定された従業員が医師面談に来ない場合はどうすればよいか

 以前触れたように、医師面談は人事を通じて申し込みをするため心理的なハードルは非常に高くなる。なるべく多くの高ストレス者に接触することで早期発見に繋げる観点から、匿名で気軽に相談できる相談窓口を設置し活用を促すのが有効である。重要なのは「相談内容」や「相談したこと自体」が会社側に伝わらない、ということをきちんと担保することで、守秘義務を負った外部のメンタルヘルスケア機関の活用が有効だろう。相談のインターフェースも、カウンセリングルームに呼び込むものだけでなく、電話やメール、スカイプなどバラエティを用意すると社員も相談しやすい。

問:派遣労働者は、派遣元、派遣先どちらがストレスチェックを行うのか

 両方が責任を負う。ストレスチェック及び医師面談については、労働契約を結んでいる派遣元事業者に責任がある。しかし、組織分析については職場単位で行わなければ意味がないため、派遣先が責任を負うことになる(ただし努力義務)。ストレスチェックが本人の高ストレス状態の事前把握と組織改善両方の目的を持っているため、このようなスキームになる。

問:組織改善の取り組みの成果をどう測るのか

 すぐに結果が見えるものではないので、ある程度長い期間PDCAを回しながら根気強く続けていなかければいけない。きちんとしたゴールを会社として定め、それに基づいて3年〜5年程度で活動計画を立て、中間指標を設定して取り組みを行っていくことが望ましい。

 ストレスチェック制度は法令に規定されているものであるため、人事部のスタッフもついつい法令解釈の細かいところに目が行きがちになるが、重要なのは、ゴールである。
 
 ○従業員自身のストレスへの気づきを促す
 ○ストレスが高い場合、本人の希望により医師の面談を受け会社は就業上の配慮を行う
 ○ストレスの原因を集計・分析することにより、職場環境改善に繋げる
 ○これらを通して「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止(=1次予防)する 


  こうしたゴールを達成するために、各会社の違いなども踏まえてそれぞれの会社に適したやり方を模索することが重要であり、またそれをサポートするパートナーをうまく選ぶことがキーになるであろうことを指摘して本連載を終えたい。    

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キーマンズネットとは
(株)アドバンテッジリスクマネジメント 取締役 常務執行役員。東京大学法学部卒業、文部省(現文部科学省)入省。2001年にアドバンテッジリスクマネジメント入社。経営企画を中心に、メンタルヘルスケアや就業障がい者支援などの分野で現在の事業の柱を作る。

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