Twitterの創業者、次はクレジットカード決済をもっと簡単に

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Twitterの創業者、次はクレジットカード決済をもっと簡単に

基幹系システム 2015/09/30

 Twitterを作った男、ジャック・ドーシーが次に変えようとしているもの――それは「決済」だ。「Make Commerce Easy」をモットーに、彼は今、Squareというフィンテックベンチャーを率いている。

 もはや据え置き型のレジ端末はいらない。スマホやタブレットをレジ代わりにクレジットカードによる決済がどこでもできるだけでなく、決済データを基にした店舗と顧客の最適なコミュニケーションも模索する。日本においては大手銀行とも提携し、日本全国で普及し始めたSquare、その向かう先はどこか?

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来日した米Squareのジャック・ドーシーCEO。画面に映るのは、試作品を持つ共同創設者のジム・マッケルビー氏だ。

レジまわりをクールにデジタル化、スマホのイヤホンジャックで決済を

 ドーシーCEOは「これまでのレジは間違っていた」と切り出す。店舗にはレジスターやカードリーダーなどの機器がバラバラに置かれ、不必要な作業が多い。Squareが開発する非接触ICカードにも対応する数センチ四方のクレジットカードリーダーは、スマホやタブレットのイヤホンジャックに差し込んで使う。

 「デジタル化して1つにする。カウンタートップはこうあるべきだろう。シンプルで分かりやすく、レジ周りはすっきりする。何よりも大企業でないと導入しにくかったクレジットカード決済が、中小企業、個人にも、あらゆる業種で使えるようになる」(同氏)

 同社は2015年10月1日より、ICチップを使った安全な決済が可能な新デバイスを日本でも販売する。日本ではamazon.co.jpや小売店でも取り扱い、価格は4980円。まもなくアメリカで販売を開始するデバイスでは、Apple Pay、Google Pay、Samsung Payなど、スマートフォンのNFCを使った決済方法にも対応する。

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手のひらサイズの「Square」端末。スマートフォンのイヤホンジャックに差し込み、クレジットカードを読み取る

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図3 Square端末を使って決済をするイメージ。今後発売予定の最新型端末ではApple Payなどの非接触決済も可能になる

理由は「理念の一致」――国内では三井住友カードと提携

 2013年5月、Squareは三井住友カードとの資本提携を行った。三井住友カードの島田秀男会長は、その背景に当時からシリコンバレーで“決済革命”を起こしていたSquareの「理念」にあるという。

 日本におけるクレジットカード決済の比率は他国と比べて決して大きいとは言えない。現時点では決済全体の14%にとどまっていて、これは米国に比べても半分程度の規模だ。その理由をいくつか挙げるのは簡単だ。まず、クレジットカード決済のための装置が高価であること。決済ごとに手数料がかかること。そして、売掛金を回収するまでの期間が長いこと。一般的には、月に1〜2回のペースでしか入金処理が行われないため、手持ちの現金がなくなってしまい資金繰りに問題を抱える加盟店が多い。

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三井住友カード 取締役会長 島田秀男氏

 ようするに、この課題を解決できればいい。そう考えたSquareと三井住友カードは、「初期費用がほぼ0円」「安価な手数料」「三井住友銀行の口座ならば翌営業日に入金」というサービスを実現した。 メリットはコスト面だけではない。SquareはPOSレジアプリとも連動し、ダッシュボードによる売上管理や経営分析などの機能も提供している。

 国内でも多くの中小企業がSquareの導入を決めたという。同時に三井住友カード側でも2年あまりで加盟店が10万件を超えた。「個人事業主などミドルスモール市場の顧客にアプローチできるようになった。インターネットからの申し込みによって地方での活用も増えた。三井住友カードのような歴史を持つ企業が、Squareのような先進的な企業と組み合わさることでイノベーティブな決済が実現した」(島田会長)

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図4 三井住友カードとSquareによる決済サービスの特徴

ユニクロの事例が語る「Square導入」の効果

 恩恵を受けるのは小規模事業者だけではない。アパレル店舗「ユニクロ」を世界展開するファーストリテイリングもSquareを導入している。柳井社長がサンフランシスコのSquare本社へ何度も訪ね、現地の技術者とともに導入を決めたという。同社業務情報システム部の岡田章二部長は「当初は商品登録の数に限界があっただけでなく、『日本人は現金主義』ということもあって不安だった」と振り返る。

 2013年10月、ユニクロは銀座店に新商品「ウルトラライトダウン」の特設販売所を作った。ちょうどこの商品のコンセプトがテクノロジーとモビリティだったため、「Squareのコンセプトと一致している。これでトライしてみよう」という流れとなったそうだ。

 1フロア全てがウルトラライトダウンで埋め尽くされ、製品紹介もiPadで行う。通常であれば、商品を取った消費者はレジに並ぶが、製品を紹介していたiPadがそのままSquareレジに早変わりだ。クレジットカードを使えば待ち行列に並ぶことなく、その場で決済が完了する。これが好評で、いけるという手ごたえを感じたという。

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ファーストリテイリング 業務情報システム部 部長 岡田章二氏。聞き手は米Squareのフランソワーズ・ブロッカーCOO

 その後、サンフランシスコのユニオンスクエア店、大阪の旗艦店でも導入が続いた。「ユニクロでは感謝祭や年末年始のような混雑する時期に、レジ台数を増やすことで対応していた。Squareならば増設がスピーディかつ省スペースで実現できる。ファーストチェックアウトと名付けたSquareのレジは速くて、非常に好評だった」(岡田氏)

 Squareの導入はユニクロの売上増にもつながった。「いくつかの店舗で売上が20%増となった。調べてみると、これはSquareレジでの売上とほぼ一致。つまり、消費者を待たせてしまうような状況の店舗にSquareを導入すれば売上が上がることが分かった」という。

 また、Squareでの決済は、最後にタブレット画面上に指でサインを書く。岡田氏は個人的な意見と前置きするが、「これが意外と消費者の楽しみにつながっている。受け入れのハードルはそれほど高くないのではないか。日本でのクレジットカード決済比率は確かに低いが、クレジットカードならレジ作業が早く終わると分かれば、抵抗もなくなるはず。きっかけさえあれば、利用はもっと広がるだろう」と語る。

インバウンド消費が順風に

 日本におけるSquare決済のうち、外国人によるカード決済件数トップ10のデータは興味深い。第1位は北海道虻田郡(ニセコ)、第3位は沖縄の中頭郡、第6位は長野の北安曇郡と、意外な地名が並ぶ。

 「米国と比べて日本はイノベーションが起きにくいといわれる。だからこそ、ビジネスを今よりも簡単にしていくチャンスがある。Squareの“世の中を変える”というDNAのもと、Squareしかできないことを日本でも提供していく」(Squareの水野博商カントリーマネージャー)

 今後、日本では2020年に東京五輪が開催されることから、海外からの訪日客(インバウンド)消費に注目が集まっている。クレジットカード決済ができることは観光客に安心を提供でき、機会損失を防ぐことができる差別化ポイントになるだろう。(宮田健)

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図5 2014年1月から2015年4月末までの、外国人によるカード決済件数トップ10のデータ

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