マイナンバーのリアル 第15回:利用(3)

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マイナンバーのリアル 第15回:利用(3)

2016/10/14

 今回のマイナンバーのリアルは、税関係の帳票へのマイナンバーの記載についてです。

1. 扶養控除等申告書へのマイナンバーの記載

 年末になると人事部から配布される緑色のけい線の書類がありますね。扶養控除等申告書と呼ばれる書類です。「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を見てみると、「給与支払者の法人(個人)番号」「あなたの個人番号」及び控除対象配偶者等の「氏名及び個人番号」を記入する欄ができているのが分かります。これまで国税庁が「扶養控除等申告書には、従業員本人、控除対象配偶者、控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)の記載が必要」と告知してきた通りであり、この原則は今でも有効です。

(国税庁のQ&Aより)
Q1-1 扶養控除等申告書には、いつから従業員等のマイナンバー(個人番号)を記載してもらう必要がありますか。
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm#a11
平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

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平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
赤枠で囲った部分に「個人番号」を記載する欄ができた

 ところが国税庁は2016年5月17日、「平成29年1月1日以後に支払を受けるべき給与等に係る扶養控除等申告書については、給与支払者が従業員等のマイナンバー等を記載した一定の帳簿を備えている場合には、その帳簿に記載されている方のマイナンバーの記載を要しない」という回答をFAQに掲載しました。つまり、国税庁の定める一定の条件を満たす帳簿を準備しておけば、扶養控除等申告書にマイナンバーを記載しなくてもよくなったのです。

(国税庁のQ&Aより)
Q1-3-1 税務関係書類について、マイナンバー(個人番号)の記載を不要とする見直しが行われたとのことですが、扶養控除等申告書には、従業員等のマイナンバー(個人番号)の記載が必要ですか。 (平成28年5月17日追加)
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm#a13-1

 この告知に多くの企業は胸をなでおろしました。一方で「マイナンバーは機密に扱え」と言っておきながら、一方で回収の過程で多くの人の目に触れる可能性のある書類に「マイナンバーを記載せよ」という矛盾に企業は困り果てていたからです。

2. マイナンバーを電磁的記録として備えるための条件

 そして2016年9月9日、「この帳簿を電磁的記録として備えることができるか」というFAQが掲載されました。国税庁からの回答は、「扶養控除等申告書へのマイナンバーの記載を不要とするために備える帳簿については、電磁的記録による帳簿も認められる」というものでした。

 これも実務を踏まえた良い変化です。企業は、紙書類に頼ることなく、何らかの電磁的記録を帳簿として備えることが認められたということです。

 しかし注意しなければならないのは、「電磁的記録による帳簿を備え付ける場合には、あらかじめ所轄税務署に対して『国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書』を提出し、承認を受けることが必要」だということです。この承認申請書は4ページの長さをもっており、記入すべき事項も多岐にわたっています。準備にはそれなりの時間が必要です。

 もう1つ重要なポイントがあります。この承認申請書の提出期限が「備付けを開始する日の3カ月前の日まで」と定められていることです。具体的には「2017年1月給与支給日の前日の3カ月前まで」に提出しなければなりません。つまり、毎月25日が給与支給日である企業は、2016年10月24日までに承認申請書を所轄税務署に提出しなければなりません。9月9日に出されたばかりの告知であるわりには時間がありません。支給日が25日より前の企業にとってはなおさらでしょう。

 マイナンバー管理を提供しているサービサーの多くは、マイナンバーを電磁的記録として保管しているはずです。万が一、本手続きが未着手であれば、連絡を取って準備を進めましょう。

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富士通、ソフトバンクを経て、2005年にラクラス株式会社を設立。「クラウドを活用した人事BPO」というビジネスモデルを磨き上げてきた。ITをツールとして使い倒すことで、人材という経営資源のattraction、retaintion、motivationを考える「ゆとり」を、人事部に与えていきたいと考えている。

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