マイナンバーのリアル 〜第10回 やってはならないこと〜

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マイナンバーのリアル 〜第10回 やってはならないこと〜

メール 2015/09/25

 マイナンバーの「収集」における本人確認まで話をしてきました。第10回では収集に関する議論の続きとして「収集の制限」について説明します。合わせて他の制限についてもまとめておきます。今回は比較的軽めです。

収集の制限

 まず、マイナンバーに関する大原則を申し上げます。何人も社会保障と税に関して法令上認められる場合を除き、他人のマイナンバーを含む特定個人情報を収集・保管してはなりません。

 収集の定義は、「集める意思をもって自己の占有に置くこと」です。その一方でガイドラインは、個人情報の提示を受け、これを閲覧するだけでは「自己の占有に置く」ことにはならず、従って収集には当たらないと説明しています。

 つまり「見るだけ」では収集には当たりません。では何が「収集」に該当するのか。次の具体例が例示されています。

・人からマイナンバーを記載したメモを受け取る
・人から聞き取ったマイナンバーをメモする
・マイナンバーを画面上に表示させ、これを書き取ったりプリントアウトしたりする

 収集とは「書き取ったり印刷したりすること」です。マイナンバーを聞いたり見たりするだけでは収集に当たりませんが、それをメモしたりプリントアウトすると収集に該当するということです。

 従って、個人番号が記載された書類等を受け渡す役割の従業員は、できるだけ速やかに個人番号関係事務を行う従業員に、その書類を受け渡ししなければなりません。気をきかせて、自分の手元に控えを残すようなことがないように教育しておく必要があるということです。個人番号関係事務に従事する従業員であっても、その個人番号関係事務以外の目的で他の従業員の特定個人情報を収集してはなりません。

 ところで、ガイドラインを読むと「取得」という単語が使われていることに気づきます。「取得とは、紙、DVD、USBメモリ等の有体物の占有を得ることにより、そこに記録された個人情報を入手する行為に限らず、有体物に記録されていない無形の情報として個人番号を知得する行為(口頭で聞き取る行為等)も含まれる」と説明する法律書があることを紹介しておきます。

「提供を求める」ことも禁止されている

 収集だけではなく、「提供を求める」ことも禁止されていることに注意が必要です。法令上認められる場合を除いて、何人も他人のマイナンバーの提供を求めてはなりません。

 事業者はその例外です。事業者は、税と社会保障に関する個人番号関係事務を行うために、従業員や社外の支払先に対してマイナンバーの提供を求めることができます。しかし、個人番号関係事務を行わないのであれば、事業者はマイナンバーの提供を求めることも、収集することも、そして利用することもできません。

 今回はここまでです。次回は、保管と廃棄について説明する予定です。

Tips 4:通知カードのデザイン案

 いよいよマイナンバー配布の時期が迫ってきました。通知カードと個人番号カード交付申請書の様式案が掲載されていましたので紹介します。『月刊J-LIS』平成27年7月号25ページの「個人番号の通知と個人番号カードの交付に関する事務処理について」に掲載された図をご覧ください。

  通知カードは、縦長の用紙の上部に印刷されていて、切り取って使います。下部が個人番号カード交付申請書になっています。必要事項を記入し写真を添付して郵送するという申請方法の他に、印刷されたQRコードを読み取ってスマートフォンから電子申請するという方法が準備されていることがわかります。また通知カードには、「白黒すき入れ」処理がされていることもわかります。この処理はコピーガードとして機能しますが、実物を見るまではその強度は不明です。

 月刊J—LISは、地方公共団体情報システム機構が地方自治体向けに出している雑誌です。従って、個人番号カードの交付業務のフローチャートや、2015年10月以降に転居・転入手続きをとる人への通知カードの取扱い、あるいは通知カードが行政機関に戻ってきてしまった場合の対応フローなど、行政機関がどのような処理を行うかについての情報が満載です。マニアックな領域まで踏み込みたいかたは、ぜひご一読ください。

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富士通、ソフトバンクを経て、2005年にラクラス株式会社を設立。「クラウドを活用した人事BPO」というビジネスモデルを磨き上げてきた。ITをツールとして使い倒すことで、人材という経営資源のattraction、retaintion、motivationを考える「ゆとり」を、人事部に与えていきたいと考えている。

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