アジャイルに!最短でビジネス成果を!期待マネジメント成功法

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アジャイルに!最短でビジネス成果を!期待マネジメント成功法

情報共有システム・コミュニケーションツール 2015/05/11

 「第2回 チームの「成長」を最大化する、スクラムマスターの役割」では、アジャイル開発手法の1つである「スクラム」を取り上げ、「スクラムマスター」という役割と実践のコツをご紹介しました。その要点は、チームの「成長」を最大化するために、メンバーの一人ひとりが作業や課題の本質を考え、自律して行動できるチームを作ることでした。また、そのチームを作るためには、サーバントリーダー(奉仕型のリーダー)の役割を担うスクラムマスターの存在が重要でした。
 本記事は、読者のみなさまのおかげで、2014年度下半期読者評価点部門で最優秀賞を受賞しました。ありがとうございました。今後はさらに、みなさまのお役に立てるよう精進して参ります。

 今回は、「アジャイルに、最短でビジネス成果をあげる、期待マネジメント」をご紹介します。

最短でビジネス成果をあげる!「期待マネジメント」6つのポイント

 「最短でビジネス成果をあげるためには、まず始めに何をしますか?」
私は、顧客が何を期待しているのかを確認します。なぜ、始めに期待の中身を確認するのでしょうか。それは、求められていないことに時間をかけても、誰も幸せになれないからです。例えば、すごく時間をかけて、設計書を作成しても顧客が期待していた動くソフトウェアが何一つできなかった場合、評価と信頼を失ってしまいます。そのような場合は、設計書の訂正に拘り過ぎたり、今必要ない機能も含めて設計をしたり、そもそも設計力が足りない場合もあります。
 常に、顧客の期待以上のアウトプットを出すには、以下の6つのポイントを明らかにしておくことが重要です。

1. 目的や背景

「そもそも、なぜこの機能が欲しいのか?」を明確にします。よくある間違いとして、「何をつくる?」から考えてしまった場合、たくさんの機能に膨れ上がってしまうことがあります。その機能には、無駄な機能が多く含まれる場合があります。私の経験では、「そもそも、なぜこの機能が欲しいのか?」から考えていった結果、当初予定していた機能から2割が不要だったことがあります。「なぜ?」から考え、最短でゴールを達成するために何が必要かを考えていくことが大切です。

2. 最終的な成果イメージ

始めに、「最終的な成果イメージ」を作ります。よくある間違いとして、手当り次第、できるところから始めた結果、最終的な成果にまで辿り着かないことがあります。これを防止するため、最終的な成果イメージを作成するのです。これによって、ゴールや目的、何を作るのかを明確にすることが出来ます。ここで、意識合わせを顧客やチームで実施しておくと無駄な作り込みや後戻りを防ぐことが出来ます。そして、最終的な成果を出すために必要な作業の洗い出しや計画づくりを行うことが出来ます。この結果、何が不明確かを知ることも出来、最終の段階になってから、「あれが足りない、抜けている」といった大惨事を免れることが出来ます。

3. クオリティ

「完了の定義」を明確にします。よくある間違いとして、「完了しました」と言われたものが、期待していたものと違ってやり直しになることがあります。これを防止するために、「完了の定義」を明確にしておき、「本当の完了」なのかを常に確認する必要があります。

4. 優先順位と緊急度

「優先度ではなく、優先順位」をつけます。また、「緊急度」も明確にしておきます。よくある間違いとして、高い優先度のものを平行して対応した結果、何一つ完了していないことがあります。これを防止するために、「優先順位」をつけるのです。また、緊急度が途中から変わることがあるので、「緊急度」も明確にしておくことをおすすめします。緊急度の変化によって、優先順位が変わるからです。
 また、オススメなのが、今は、やらないことを明確にします。明確にしておくことで、必要なアウトプットにだけ集中して取り組むことが出来ます。

5. チーム内での期待

「チーム内での期待」をチーム内で交換します。「なぜ、自分がこのチームにいて、どのように、何を成し遂げたいのか、サポートして欲しいこと等を宣言」します。宣言を聞いた他のメンバーは、「何を期待しているのかを共有」します。よくある間違いとして、チーム内で同じ役割を複数人が同じことに対して時間をかけてしまうことです。中には、必要な場合もありますが、最短でビジネス成果をあげるためには、チーム内でそれぞれにしかできない役割を担って同じゴールに向かって力を合わせることが大切です。また、チーム内の期待交換を行った後、顧客の期待に応えるのに、スキルが足りないと感じた場合は、教育で対応するのか、早めに社内外からサポート支援をいただき対応するのかを明確にしておくことが大切です。

6. 期待値の調整

一方で、「顧客の期待値を下げる」ことも必要なときがあります。例えば、顧客がすべてにおいて100%を期待している場合。自社のリソースを超えるものを実現不可能な期日とコストで期待している場合。このようなとき、顧客の期待値を満たせないとあらかじめわかっている場合は、受けるべきではありません。プロフェッショナルな仕事では、「No」と言えることが大切です。本質的でない部分については、期待値を下げてもらうように、事前に顧客とコミュニケーションを取ることが大切です。これが、期待マネジメントです。

まとめ

 最短でビジネス成果をあげるためには、始めに相手の期待を確認することが重要でした。期待以上の成果を出し続けるためには、始めに「目的や背景を明確にすること」「最終的な成果イメージを作ること」「完了の定義を明確にすること」「優先順位と緊急度を明確にすること」「チーム内での期待を交換すること」「実現不可能で本質的な部分以外は、期待を下げること」がポイントであることをご紹介しました。これは、始めだけで終わらせず、継続的に確認していくことが大切です。市場変化や成果確認によって、期待が変わることがあるためです。
 今回ご紹介した「期待マネジメント」は、アジャイルな開発プロセス以外にも適用できます。ぜひ、みなさまの現場で実践していただき、最短でビジネス成果の出る現場が増えることを願っております。

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共催:NECソリューションイノベータ株式会社
 
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キーマンズネットとは
2011年よりビッグローブでアジャイル開発を始め、2013年よりアジャイル研修講師や複数イベントに登壇。2014年10月より現職にて、アジャイル事業、ビッグデータ事業、社内スタートアップを担当。アジャイルコーチやスクラムマスター、開発メンバーとしてアジャイル開発の導入や現場カイゼンを行ってきました。

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