ワークスタイル変革とシェアードスペース(5)

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IT現場の道先案内人 Key Conductors

ワークスタイル変革とシェアードスペース(5)

2015/04/17

 今回、次回と2回にわたって“コワーキングスペースの運営者の視点”で、コワーキングスペースあるいはシェアードスペースを分析したBlogをベースに、シェアードスペースの分類と検討点について考察する。
 今回は、コワーキングスペース世代論について「サービス側の視点での違い」を中心に紹介していく。

コワーキングスペース世代論 〜サービス側の視点での違いは?〜

昨年12月10日にコワーキングAdvent Calendarに掲載された記事「コワーキングスペースを世代別に考えてみて想うこと」(http://blog.coworking.tokyo.jp/2014/12/coworking-generations.html)は極めて興味深い。その中に以下の表が含まれている。

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※注1…ノラヤ(http://noraya-sendai.net/)
※注2…コワーキングスペース茅場町 Co-Edo(http://www.coworking.tokyo.jp/)
※注3…CASE Shinjuku(http://case-shinjuku.com/)

 コワーキングスペースの運営者の中には、理念に忠実な人がいて、社会的使命としてコワーキングスペースの運営に命をささげているかのように動いている。第一世代のオーナーのスペースに行くとひょっとするとCo-workingではなく、Coworkingと言えと説教されるかもしれない。しかし、生き残っている第一世代スペースはエッジが立った感じが魅力的である。東京だと経堂のPAX Coworkingが象徴的だ。コワーキングスペースは3階、2階にpaxi houseというレストランがあり、実際のところは分からないが、レストランが本業、コワーキングスペースは稼ぎの面では副業に見える。第一世代のコワーキングスペースの売りは圧倒的にそのコミュニティ性、特にオーナーや常連のキャラクターへの依存が大きい。もちろんコワーキングスペースは仕事をする空間であり、メンバーは仕事をする空間として通って来ている。しかし、仕事をしていても、時折気分転換は必要である。その時に、多様な人達と空間を共有しているのは真に魅力的である。経営者がいたり、学生がいたり、かなり風変わりなオーナーとの会話は脳を刺激する。初回訪問時にAha(なるほど!)と感じたら、虜になる事請け合いである。

 企業の視点からすると、全くピンと来ない話だろう。また、あまりに尖っているとコミュニティに入る参入障壁は高くなる。成功している第一世代スペースはオーナーが秀逸で、マニアックでありながら決して普通の人がいられないような空間ではなく、紙一重で日常の側に存在している。誤解を恐れずに言えば、コワーキングスペースがビジネスとして成り立っているというよりはむしろオーナーの存在が価値を形成している。

 第二世代は、ITやクリエイティブなビジネスを本業に持ちながら、コミュニティとそのメンバーの多様性に強い執着をもつ人が運営しているケースが多い。本業に関連したイベントや、それに関わるコミュニティの縁の下の力持ち的な役割を果たしている事でファンを増やしているケースが目に付く。Webサイト構築に関わるようなWordpressやその他のCMSはスイートスポットの一つである。クリエイティビティで勝負する人が多く見受けられ、スタートアップベンチャーがそっくり入っていたりする。閉鎖的でないシェアオフィスという側面を持つ。日本でも自社オフィスの延長線上でコワーキングスペースを運営している所が徐々に増えているようであるが、スウェーデンで100人以上の規模のITプロフェッショナルサービスの会社で、社外のスタッフがその会社以外の仕事をその場所でやっているのを見た時には衝撃を受けた。経営者の方の見解では、その会社の受注範囲外の類似の仕事をしている人との空間の共有は生産性の向上にも新規事業機会獲得にも有利なのだそうである。仕事がメインでありながらコミュニティが欠かせない機能として不可欠なのである。

 コワーキングスペースのオーナーから見ると、第三世代コワーキングスペースは脅威である。資本力があり、いわゆる伝統的なビジネスの常識についてはより通じており、設備が奇麗で単価も高いので客層が良く見えるのだろう。キーマンズネットの読者から見ると、第三世代コワーキングスペースは最も身近な存在になるだろう。しかし、第三世代コワーキングスペースにはエッジの立ったオーナーがいないという悩みがある。受付にはびしっとスーツを着た担当が立ちホテル並みのコンシェルジュ機能を果たせたりするが、コミュニティの育成は容易ではない。コミュニティが育成できなければ、簡単に浮気できる。それが理由かどうかは分からないが、最近の第三世代コワーキングスペースの中には、意欲的に第一世代、第二世代コワーキングスペースを研究し、コミュニティの育成に積極的なブランドも存在する。まだまだ、この先どうなるかは分からないのである。

 米国のWeWorkのようなシェアオフィスとコワーキングスペースの良いとこ取りのスペースは第四世代と言えるかも知れない。第三世代スペースとプロフェッショナル管理者の採用の組み合わせが有効かも知れない。

【次回予定】コワーキングスペース世代論 〜ユーザ側、企業側の視点での違い〜

 今回の“サービス側での視点の違い”に続いて、次回は“ユーザ側の視点での違い”、“企業側の視点での違い”について紹介させていただく。

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キーマンズネットとは
2013年3月に29年勤めた株式会社シーエーシー取締役を退任し、合同会社ユビキタスライフスタイル研究所を設立。新しい働き方を容易にするためのサービス開発中。2009年から2010年末までNY勤務経験あり。JISAワークスタイル変革とITプロジェクト座長(2012年度〜)。

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