モバイルから“いつものファイルサーバー”にアクセスするには?

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モバイルから“いつものファイルサーバー”にアクセスするには?

サーバー 2014/12/17

 企業がタブレットやスマートフォンを導入し、社内メールやスケジューラを利用することが当たり前の時代になりました。社内システムもモバイル化がすすんでいます。モバイルデバイスの導入事例を見ているとそういった内容の成功例はいくつも目にします。

 では、ファイル共有はどうでしょう。「営業社員がカタログやプレゼンテーション資料用に」や「社内会議用に」という話はあふれていますが、「外出先と社内間でファイル共有によって連携して」や「社内でPCからいつも利用しているファイルサーバーにモバイルデバイスからアクセスして」、「モバイルデバイスで撮った写真や動画をすぐにファイルサーバーにアップロードして」という話は、まだ目にする機会も少ないのではないかと思います。

 今回は、なぜそういった事例がまだ少ないのか、市場の状況や筆者が企業にヒアリングした内容をふまえてお話をします。

クラウドストレージは企業利用に向いているのか

 モバイルでファイル共有というと、まずクラウドストレージが思い浮びます。モバイルデバイスを利用していてDropboxを知らない人はほとんどいないですし、BoxやOneDrive、EvernoteやGoogle ドライブと、クラウドストレージの名前があらゆる場所で飛び交っていて、これらを使って何ができるかも多くの人がよく理解しています。しかしながら、企業が大規模で利用している例をあまり目にしません。

 実際に筆者が企業にヒアリングしてきた中から、いくつかその理由を挙げていくと、
・一部の部門でしか使っていない、それも社外へのファイル転送の用途で使っている
・誰もが知っているサービスだから、企業として利用事例を公開することで攻撃対象になることを避けたい
・情報漏えいの温床になるため、クラウド利用を企業全体で禁止している
・導入したが、個人で使っている時ほど便利と思わない
・本格的に利用しようとすると、個人個人に自由に情報を共有させるわけにいかず、結局利用できる人間を限定せざるを得ない

 情報漏えいやセキュリティの不安はよく聞く話で、クラウドストレージに対しては、例えて言うと、銀行にお金を預けるほどの信頼性がまだ無いという感覚ではないかと思います。見落としがちな理由として、クラウドストレージで生産性が上がらないという点がありますが、個人向けには便利でも、企業向けには便利ではない大きな理由があります。

 個人向けの利用の場合、ユーザーは自分の持っている写真やファイルを友人や家族、知人に共有します。情報の発信元は自分のデバイスで撮影/作成したものであるため、それを複数の人間に共有するのにクラウドストレージは非常にかんたんで便利です。

 それに対し、企業向け、特に社内でのファイル共有は、1つのフォルダに部署や企業単位で大勢のユーザーがアクセスして情報を共有する社内ファイルサーバーの形式が一般的です。特に日本の企業は、ファイル倉庫で管理していた頃のファイル保管方法をベースにファイルサーバーのフォルダ階層をデザインしていたり、部門や部署間で閲覧を規制していたりと、ファイル共有の文化がクラウドストレージ発祥の米国とは少し違うのかもしれません。現に、SharePointの日本でのイメージは社内ポータルや稟議用ツールですが、米国ではファイル共有のイメージが強いです。チームやプロジェクト単位で仕事をすることが多い場合、SharePointのファイル管理機能は生産性に大きな効果があると言えます。

 そのような社内ファイルサーバーの利用に慣れた企業がクラウドストレージを利用するにあたって、管理者が容量無制限で契約し、既存のファイルサーバーと同じようにフォルダ階層を作り、その領域に他のユーザーを一斉に招待するという、本来のクラウドストレージの考え方とは異なる利用方法も実際に存在しています。
結局そうなると、「既存のファイルサーバーにモバイルデバイスから接続できるようにすればよいのでは?」という話になります。

既存のファイルサーバーやNASへのアクセス利用における障壁

 しかし、既存のファイルサーバーやNASをモバイルデバイスからも利用するとなると、いくつか障壁があります。

 まず、市場に存在する既存のファイルサーバー/NASに接続できるソリューションは非常に少ないのが現状です。Windows OSがベースになっている企業のファイルサーバー環境に対して、生い立ちの異なるiOSやAndroidが接続しにいくのですから、特別な技術が必要です。例えば、モバイルデバイスと既存ファイルサーバーの間にサーバーやアプライアンスをゲートウェイとして用意し、そのゲートウェイが双方の非互換性を解消したり、ファイルサーバーの内容をHTML形式に変換したりして、モバイルデバイスからの利用を実現します。

 この場合、ファイルの閲覧が中心で、社内のPCから行っているようなフォルダ/ファイルの追加や名前変更、ファイルのコピーや移動、ファイルの編集などの操作ができないソリューションがほとんどです。また、フォルダやファイルへのアクセスが非常に遅いといったパフォーマンスの問題もあると聞きます。こういった機能やパフォーマンスの問題が、企業として導入してもエンドユーザーによる利用がそこまで浸透しない要因となっているのかもしれません。

既存ファイルサーバーを利用した“次世代ソリューション”とは

 そんな中、企業におけるモバイルデバイスの浸透により、既存ファイルサーバー利用のニーズも高まり、既存ファイルサーバーの活用とクラウドストレージのような利便性やパフォーマンスを実現できるようなソリューションが市場でも認知され始めてきました。

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 既存ファイルサーバーを利用できるということは、オンプレミスでの管理や、情報漏えい防止機能、操作制御やログ機能など、企業のセキュリティポリシーを満たすことが条件となってくるため、要件を満たす製品やサービスもおのずと絞られますが、こういったソリューションにより、モバイルデバイスを導入した企業は、既存ファイルサーバーを利用したシンプル且つ導入に時間のかからない方法でモバイルファイル共有を実現できます。

 2015年は、「モバイルデバイスを導入した」や「モバイルデバイスがどのように管理されている」という事例だけでなく、「モバイルファイル共有で今までの業務がここまで変わり、コストや業務効率がこれだけ上がった」という事例が多く見られれば、モバイルデバイスの活用もさらにもう一段階、広がっていくのではないかと期待します。

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アクロニス・ジャパン プロダクトマネージャ。コンシューマーおよび企業向けバックアップ製品、モバイルファイル共有、クラウドバックアップソリューションを担当。来たるデータ保護の新時代に向け、市場の開拓に勤しむ。

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