シリーズ「業務改革」コンセプト編 〜第2回 誰が得する業務改革〜

IT・IT製品TOP > Key Conductors > 松山 仁(太陽グラントソントン株式会社) > シリーズ「業務改革」コンセプト編 〜第2回 誰が得する業務改革〜
この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加

IT現場の道先案内人 Key Conductors

シリーズ「業務改革」コンセプト編 〜第2回 誰が得する業務改革〜

2014/11/27

誰が得する業務改革

今回のテーマ「誰が得する業務改革」ですが、「そもそも損得の問題ではない」といきなりお叱りを受けて話が終わってしまいそうですが、今回は、業務改革実施後に、各担当者(経営者も含む)が「自分にとってよかった」と思えるような改革をスタートさせる前提についてお話しさせていただきます。

抵抗感があるのは当たり前

経営者または改革を主導しようとする人は、何かのきっかけ(法改正や事業再編、M&A、事故、クレーム、外部からの指摘など)によって「今のままではいけない」と業務改革などを実施しようと決断します。そして、それを指示された従業員は

・今の仕事に慣れているのでなるべく変えないように実施しよう
・他の人の仕事が回って来ると仕事が増えるので、なるべく避けられるようにしよう
・今のシステムでは出来ないので、システムを変えないとそもそも無理じゃないか

などと考える人が結構います。これは「今やっている仕事を否定された」と感じるからです。そもそも全ての従業員に「常に変化に対応できる柔軟な姿勢で仕事に臨め」などと説いても、抽象的すぎて正確に理解し行動できるはずもありません。ところが、改革の方向性を示すときに、「今の仕事に満足しない考え方」を持つような指示をしてあげると

・現場でもっとやれることがあるのではないか?
・こうすれば顧客が喜ぶのではないか?
・もしかしたらもっと儲かって給料があがるのではないか?

といった気持ちに切り替えることが出来ます。
そして、なにより改革の結果「やってよかった」と実感できることができ、次なる改革に取り組む上でも重要なことになります。「やってよかった」感がない改革は、向上心も持続せず何度実施しても失敗します。

やってよかったと思える改革

では「やってよかった」と実感させるためには何が必要なのでしょうか?
それは「改革の目標とその伝え方」です。

よく「一製品の完成時間を10%削減せよ」といった効率化の目標が与えられることがあります。現場では、
「なぜ10%なの?」
「10%削減したら何がよくなるの?」
「残業減って給料減ってしまう」
といった「今やっている仕事を否定」された時と同じような抵抗感が生まれ、結果的に生産時間を今までよりも10%短縮したとしても、他の業務にムリ・ムダが発生してしまい根本的な改革には至らないことがあります。

そこで、目標の伝え方を少し変え、
「現在、おかげさまで当社の人気商品の売れ行きが好調で品薄感が市場に蔓延している。そこで、各ライン内の仕掛数が工程によって滞っているところがないか。自分の工程だけでなく他の工程で気づくことがないか。次の工程に渡したときに仕掛品が多く積み残されているところがないか。など、ライン単位で見直し、生産効率を110%にアップして欲しい」

といった伝え方にすると、
「うちの商品は売れているから、頑張ればもっと売れる」
といった考え方になります。
この伝え方だと顧客や自分のために改革に取り組むということが明確になり、更に改革の結果、顧客が品薄感を感じずに、当社の素晴らしい商品をどんどん買ってくれている事がわかれば「やってよかった」を実感することができます。そして、次の改革への意欲にもなります。最も重要なことは、抵抗感を持たせず、結果をイメージさせ、モチベーションを維持することです。

「そもそも損得の問題ではない」というのは事実ですが、「やってよかった」=「自分にとってよいこと」が返ってくるように導けば、会社も従業員もある意味で得をするということになります。

次回の第3回目では「業務改革における経営者と現場のギャップ」を取り上げます。

※第1回 業務改革とは 
http://www.keyman.or.jp/kc/30007575/

会員限定で「読者からのコメント」が読み書きできます! 「読者からのコメント」は会員限定の機能。会員登録を行い、ログインすると読者からのコメントが読み書きできるようになります。

会員登録(無料)・ログイン

Myリストへ 印刷用ページへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この寄稿記事に掲載している情報は、掲載日時点での情報となります。内容は変更となる場合がございますのでご了承下さい。また、「Key Conductors」の寄稿記事及び当該記事に寄せられたコメントについては、執筆者及びコメント投稿者の責任のもと掲載されているものであり、当社が、内容の最新性、真実性、合法性、安全性、適切性、有用性等を保証するものではありません。


30007637


IT・IT製品TOP > Key Conductors > 松山 仁(太陽グラントソントン株式会社) > シリーズ「業務改革」コンセプト編 〜第2回 誰が得する業務改革〜

このページの先頭へ

キーマンズネットとは
多通貨多言語管理会計システムを国内外資系商社、金融機関150社以上、大手精密機器製造業の海外3拠点、大手繊維製造業の海外5拠点へ導入。内部統制導入コンサルティングでは、大手文具メーカー、国内再保険会社、電子機器製造業などを支援。現在、業務プロセス改革や基幹システム再構築のプロジェクトマネジメントを行っている。

ページトップへ