ユビキタスワークスタイル変革実践ガイドライン(6)

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ユビキタスワークスタイル変革実践ガイドライン(6)

スマートデバイス 2014/09/11

 今回は、ワークスタイル変革プロジェクトの実行計画の構成について解説する。

プロジェクト計画の構成例

 本年度のガイドラインでは、レベル3以上を念頭においたプロジェクト計画書の目次案とレベル2までの簡易版を起案した。

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 上記ガイドラインの「1」経営目標および基本方針については既に述べた。「2」のテレワーク対象業務については、業務分類と業務の棚卸しを行った上で、テレワーク対象業務を選定しその実施時期を決めていく事になる。レベル3以上を目指す場合は、実質的に全社BPRの計画と近くなるため、かなり重い作業となる。既に、BCP(事業継続計画)の策定を行っている企業、あるいはERM(全社リスクマネジメント)を行っている企業であれば、全社の業務分類、業務一覧およびその重要性評価は行われているので、その資料を参照し、1).業務の名称、2).業務の目的、3).業務内容の明確化(文書化)状況、4).取り扱い文書一覧とそれら文書のセキュリティレベルやペーパーレス可否の特定、5).成果評価方法・評価指標、6).管轄部門、7).業務の発生頻度とワークロード、8).テレワーク対応に向けた課題を文書化する事で棚卸しが完了する。BCPと異なるのは、BCPでは異常時に緊急避難的な対応を行って一定期間で平常化していく事を目指すのに対し、ワークスタイル変革プロジェクトは恒常的に業務プロセスをユビキタス化していく所にある。逆に言えば、ユビキタス化が完了した業務はインフラが機能している限り災害時にも業務を変える必要が無い状態であると言える。

 実際、3.11の時も東京に勤務する在宅勤務/モバイルワーカー型の執務者は、ほぼ通常通りだったとする報告もある。ユビキタス勤務形態達成後は、直接的な被害を受けなければ当該業務は災害の影響を受けないのである。
 無論、ユビキタス勤務とBCPは目的が異なる。BCPの場合とは異なり、ユビキタス勤務の検討時には人的被害が出た場合の対応等は対象とならない。それぞれ目的が異なるので、分析結果を相互に参照したり、流用したりする事はできるが、対象業務の選定や実施時期の設定の判断基準は異なる事に注意が必要である。
 ユビキタスワークスタイルに特徴的なのは「成果評価方法・評価指標」である。以前にも触れたが、同じ成果を出しているのにオフィスで働いた方が有利になったり不利になったりするような事はあってはならない。定量的な評価方法の確立は避けられないのである。ガイドラインで書いてある事ではないが、この評価方法はチームの成果と個人作業の成果、短期的な成果とプロセス改善等の長期的に効果がでる成果のバランスを考えなければならない。
 筆者は、大半の業務においてチームの成果のウエイトを高めに取った方が好ましいのではないかと考えている。個人の成果が大きくてもどこかにボトルネックがあれば組織としての成果は出ない。計測しやすい指標があっても、安易にその指標に頼れば全体の生産性向上にかえってマイナスになる可能性もある。チームの生産性に寄与する活動は必ずしも直接的で計測可能な成果だけではない事に十分留意すべきである。この部分の方針が立てば、「2. テレワーク対象業務」は乗り越えられるだろう。検討段階で判明した「テレワーク対応に向けた課題」をとりまとめて、「3. 制度整備計画」、「4. IT環境整備計画」、「5. オフィス環境整備計画」のインプットとすれば良い。これらは相互に関係するので、検討体制はチームに分けたとしても同時に検討する事を推奨する。

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キーマンズネットとは
2013年3月に29年勤めた株式会社シーエーシー取締役を退任し、合同会社ユビキタスライフスタイル研究所を設立。新しい働き方を容易にするためのサービス開発中。2009年から2010年末までNY勤務経験あり。JISAワークスタイル変革とITプロジェクト座長(2012年度〜)。

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