データ保護課題を解決する4つの提案(総合データ保護編)

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データ保護課題を解決する4つの提案(総合データ保護編)

バックアップ 2014/11/19

1 データ保護の包括的ソリューションの必要性

 連載最終回の本稿ではデータ保護に関する包括的ソリューションの本当の意義について述べたいと思います。
 前回までの記事でシステムの運用管理が、統合バックアップ/復旧のさまざまな手法によって著しく簡素化できることをご理解いただけたことでしょう。また簡素化のために、各種のデータ保護手法を統合したUDPのような統合データ保護ソリューションが役立ちそうだという感触も得ていただけたのではないかと思います。
 しかしデータ保護ツールベンダである当社が望んでいるのは、ただユーザ企業の皆さまの目の前の課題を解決するばかりでなく、IT部門がビジネス発展により貢献できる「ビジネス提案」ができる力をつけるために、包括的なデータ保護ソリューションを活用していただくことなのです。

IT部門からの「ビジネス提案」とは?

 IT部門からの「ビジネス提案」とはどういうことかと言えば、例えばIT部門が組み立てたデータ保護のプランをビジネス部門に提示し、データの重要性に見合い、コストが予算内に収まるかどうかを検討してもらうというようなケースが典型的かもしれません。データ保護といってもレベルはさまざまで、数秒のシステム停止も許さないという業務もあるでしょうし、1日くらい停止しても支障ない業務もあるかもしれません。また障害時のデータ復旧で必要なのが障害直前のデータである場合もあれば、例えばウイルス感染などからの復旧の場合のように、健全だった時点のデータで復旧する必要がある場合もあります。どのようなケースを想定するかによって、コストも手間も変わってきます。RTO(目標復旧時間)、RPO(目標復旧地点)は、ビジネスの必要性によって決めるべきものなのです。
 ビジネスを理解すれば、データ保護の仕組みは何通りかに整理できるでしょう。あらかじめ自社のビジネスに適する数通りのプランを用意しておき、「どのプランにしますか?」とIT部門が業務部門に提示して検討を進めれば、最もビジネスに適したデータ保護システムが構築できるはずです(図1)。

図1 データ保護のための「プラン」の例

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図1 データ保護のための「プラン」の例

包括的なデータ保護ソリューションがIT部門の役割を革新する

 とはいえ、このようなプランづくりは、包括的にデータ保護機能をカバーしているツールを利用しなければ難しいでしょう。たとえ作れた場合でも、現実に保護システムを設計するのに悩むことになりそうです。しかし、UDPのように、物理/仮想環境を問わずにさまざまなデータ保護施策を統合的に組み合わせられるツールを利用して保護プランを何通りか予め定義しておけば、個別にバックアップ設計などをせずに、プランを選べば簡単に必要な処理が実行されるようシステムを構成する仕組みが実現可能です。
 事前にシステム環境の棚卸しが必要なら、自動的にネットワーク内を探索してデバイスを検索する機能が利用できますし、テスト環境を仮想環境上に作成してバックアップ設計が適切かどうかをテストすることができる機能も含まれています。こうした機能を活用すれば、プランの実現に不安はなくなり、堂々と業務部門に提案できることになるわけです。
 このような提案は、特に日本ではSIerのプロフェッショナルサービスの一環として行われるケースがいまだに多いのではないでしょうか。外部のサービスを利用してコストが見合うならよいのですが、一般的には高コストになりそうです。包括的なデータ保護ソリューションを自社が所有し、社内で使いこなせば、コスト最適でしかもビジネスに最適な保護システムが構築できるはずです。
 IT部門では、業務部門からのリクエストに疑問を感じても唯々諾々と従わざるを得ない立場にあるのが、残念ながら正直なところではないでしょうか。その関係は企業の将来にとっても、IT部門の担当者にとっても不幸なことだと思います。その関係を逆転し、業務効率を上げながら適切なレベルのデータ保護を行うプランを、IT部門の側からアドバイスしていくという、IT部門の役割の革新的な変化こそが、将来のビジネス環境の変化にITを柔軟にフィットさせていける道なのではないかと考えています。

2 データ保護プランは再利用可能

 データ保護に関しては、例えば次のような手法があります。

 ・アプリケーションレベルのバックアップ(データベース付属の専用ツールなど)
 ・ファイルベースのデータバックアップ(従来からのデータバックアップ)
 ・物理サーバーやPCのイメージバックアップ
 ・仮想サーバーや仮想デスクトップのバックアップ
 ・仮想化環境を含む物理サーバーのイメージバックアップ
 ・遠隔地バックアップ
 ・ローカルまたは遠隔地間でのレプリケーション
 ・自動フェイルオーバーなどの高可用性ソリューション

 包括的なデータ保護ソリューションによれば、これらの手法をビジネスの必要性に沿って自由に組み合わせたプラン作成が可能になります。いったん作成されたプランは再利用可能なので、ある業務のプランを別の業務に適用することが簡単にでき、新しい業務にも既存のプランで間に合う場合にはそれを適用することができるでしょう。再設計が不必要ということは、IT部門の手間が大きく削減できるということです。
 どれだけ削減できるのかの実例を挙げれば、80台のサーバーのバックアップ設定のインストールがわずか3時間で済んでしまったというケースがあります。このケースには、あまりに速かったために担当者が訝り、調べてみたところ、実際に完了していたどころか、実は3回のインストールを実行していたという笑い話がついています。あまりに速すぎて、実行操作をし損なったと思い、2回も余計に操作していたのです。

IT部門は「スペシャリスト」から「ジェネラリスト」へのキャリア転換が必要

 ただし、プラン作成のためにIT部門はビジネスを理解する必要があります。これまでのIT部門は「スペシャリスト」であることが求められてきたかもしれません。しかし今必要とされているのは、ビジネスもわかり、ITもわかる「ジェネラリスト」です。広い視野でビジネスの効率を考え、コスト最適なITを応用できる人材が必要とされています。業務部門の方がITの専門知識を身につけるのは難しいことですが、IT部門の方がビジネスの目標や手法を学ぶのはそれほど敷居の高いことではありません。 

   以上、今回は4回の連載で企業のデータ保護の課題解決の方法と、包括的なデータ保護ソリューションの意義について述べてきました。IT部門は常に業務部門からのさまざまなリクエストにより大きなプレッシャーがかかっています。そのプレッシャーを軽減するために、バックアップの統合化や自動化は大きな助けになります。また、運用管理技術をビジネスの中に溶け込ませ、ITをビジネス効率のために本当の意味で活用するためには包括的なデータ保護ソリューションが必要です。運用管理者がシステムのお守りをしていればよかった時代は過ぎました。ビジネスの視点でITはどうあるべきかを考え、業務部門に提案できる力と時間を作るために、包括的データ保護ソリューションを利用していただければ、それに勝る幸せはありません。

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キーマンズネットとは
CA Technologies データマネジメント事業部 SVPおよびGMを経て、8月1日、データ保護専業ベンダーとして創業したArcserveのCEOとなる。Arcserveが注力する統合バックアップ/リカバリソリューション、arcserve UDPにはコンセプトの段階から参画。

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