データ保護課題を解決する4つの提案(PCバックアップ編)

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データ保護課題を解決する4つの提案(PCバックアップ編)

バックアップ 2014/10/22

1 企業データ保護の見直しが必要となる背景

情報爆発に対応できるデータ保護対策が必要

 世界のデータ量は恐るべき勢いで増加の一途をたどっています。データ量が「5年で10倍」に増加する傾向はかねてから指摘されており、今後はさらなる加速が見込まれています。現在数ゼタバイトのオーダーでデータが蓄積されている一方、毎日エクサバイトのオーダーのデータが生成・流通しているのが現状です。世界のどの企業情報システムも、この傾向から無縁ではいられません。

非構造化データが企業システムで急増中

  企業情報システムで最も増加が著しいのはどのようなデータでしょうか。おそらく読者の皆さまが日々感じておられるとおり、ワープロ文書や表計算文書、プレゼンテーション資料に映像、音声、画像、さらにはメールやSNSなどさまざまな種類のファイルです。基幹系システムのデータベースに格納される構造化されたデータの量ももちろん増加中ですが、それを上回る勢いで非構造化データが増加しているのです。しかもそうしたデータもビジネスに深く組み込まれており、万一喪失したら甚大なビジネスインパクトが生じてしまいます。企業システムには、データ形式を問わず、すべての情報資産をどんな時でも安全に保管し、かつ業務を滞らせることがないよう常に自由に利用できる仕組みが必要です。その仕組みづくりの巧拙がこれからの企業成長を左右すると言っても過言ではないでしょう。

企業データ保護のための4つの提案

 このような背景から、今回は、できるだけコストをかけずにデータロスのリスクを最小化する方法について、日本の企業IT部門の皆さまに4つの提案をさせていただきたいと思っています。第1回(今回)は「クライアントPCのバックアップ」、第2回は「災害対策としての遠隔地バックアップとサイト冗長化」、第3回は「仮想化環境のバックアップ」そして第4回はこれら課題を総合的に解決するための「総合データ保護ソリューション」について述べていきます。

2 クライアントPCのデータバックアップの課題と解決策

クライアントPCの従来のバックアップ運用の問題

 では最初に「クライアントPCのバックアップ」について考えてみましょう。ほとんどの日本の企業が重要なサーバーのバックアップをしている一方、クライアントPCのバックアップをIT部門の直接的な管理下で行っている例はそれほど多くありません。これは米国など世界的にも同様の傾向です。その最大の理由は、バックアップ対象の数が多く手間がかかり過ぎることと、バックアップ時間がかかりすぎることです。いきおい、PCのバックアップはユーザ個人に任され、リムーバルディスクやUSBメモリなどを利用して、個人が重要と考えるデータのバックアップが行われることになります。
 このようなバックアップ運用の問題は明らかです。業務部門の時間をITが奪ってしまうのが最大の短所であり、外部への持ち出しも可能なリムーバブルメディアは情報漏洩のリスクを高める原因にもなります。また、PCがHDDもろともクラッシュした場面を想像してみましょう。ユーザが求めるのは、最新の更新内容を反映した迅速な復旧ですが、新しいPCを用意し、OSとアプリケーションをインストールし、バックアップしてあったデータをリストアするまでに早くても半日、場合によっては数日を要することもあります。その間の業務停滞や機会損失は避けがたく、しかもクラッシュ前の状態に完全に戻せる保証もありません。ほとんどのユーザはデータ保護よりも目の前の仕事を完了させることを優先するので、バックアップが数日前のデータしかないことも多いからです。

PCバックアップをユーザまかせにしないオンライン統合バックアップ

 この問題解決には、まずPCのバックアップをユーザまかせにせず、IT部門がポリシーを策定し、責任を持って部門PCのバックアップを行うことが求められます。これは現在の高速なLANを利用すれば難しいことではありません。バックアップサーバーを立てて、そのサーバーのディスクに部門なら部門内のPCのデータをオンラインでバックアップすればよいのです(D2Dバックアップ)。

D2Dイメージバックアップが復旧までの時間を短縮

 その際、ファイルベースではなくディスクを丸ごとイメージバックアップ可能なツールを使うことが1つのポイントです。これにより復旧までの時間が劇的に短縮できます。代替PCにはOS導入などの環境構築の必要がなく、調達したそのままの状態にバックアップ済みのディスク内容がそのまま再現できる「ベアメタル復旧」が可能です。PCは同一機種でなくともかまいません。これはPCクラッシュ時の業務停滞を最小限にする最良の選択になるでしょう。なおOSやアプリケーションに問題がなくファイルを誤って削除したというような時には、ファイルのみの復旧も可能です。

「増分バックアップ」と「重複排除」でバックアップ量を削減

 もう1つのポイントは、日々のバックアップ量をできるだけ軽減できる機能を備えたツールを使うことです。イメージバックアップはそもそもファイル単位ではなくディスクのブロック単位で行うのでファイルシステムのオーバヘッドがない分高速です。常に増分バックアップを続けていく運用にすれば、初回バックアップ以降はブロック単位の増分になり、日々のバックアップ量はグッと削減できます。
 またPCのディスク内には相当な割合で重複したデータが存在します。300GBのディスクの中で実際にユニークなデータは5GBだけというケースもありうるのです。その重複分をすべてバックアップするのではなく、重複分は排除することでバックアップディスクの容量を節約し、バックアップ時間やネットワーク負荷を大きく低減することができます。
 当社で100GB以上のデータ容量の100ノード 分を保護対象として、総容量35TBのバックアップをテストした結果は表1に見るような結果になりました。重複排除率は55%、全体のデータ圧縮率は3%と、劇的なバックアップ量削減ができているところにご注目ください。

表1 100ノードのバックアップテストの結果(arcserve UDPの例)

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表1 100ノードのバックアップテストの結果(arcserve UDPの例)

 このようにバックアップ量を低減した状態なら、PCにかかる負荷も少なく、バックアップ時間も短縮できることは明らかでしょう。実際に1000台のPCを対象に1日に複数回のバックアップを実施している企業もあります。またバックアップスケジュールは管理者によってPC個別に設定でき、自動実行されますから、一度バックアップ設計が確定した後は、管理者にもユーザにも負荷がかからず、とり忘れもないバックアップ体制ができるわけです。
 今回はクライアントPCのバックアップの要点について簡単に紹介しました。同じような考え方でIT-BCPのための、サーバーも含めたバックアップも実現できます。次回はこれについて説明していきます。

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キーマンズネットとは
CA Technologies データマネジメント事業部 SVPおよびGMを経て、8月1日、データ保護専業ベンダーとして創業したArcserveのCEOとなる。Arcserveが注力する統合バックアップ/リカバリソリューション、arcserve UDPにはコンセプトの段階から参画。

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