SNSに学ぶ「データプライバシー」と「データ保護」

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SNSに学ぶ「データプライバシー」と「データ保護」

バックアップ 2014/04/04

SNSがデータ保護について教えてくれること、くれないこと

 いくつかの驚くべきソーシャル写真統計情報を次に示します。現在、2500億を超える写真が Facebookにアップロードされており、1日の平均写真アップロード数は3億5000万枚に上ります。平均的なユーザがアップロードしている写真の数は「217枚」です。これは Facebook のみの数字です。
 ザッカーバーグ氏が 10 億ドルで買収したInstagram には、1日に「5500万枚」のスナップショットが投稿されています (毎秒600ショット以上に相当)。

 では、私たちが上手に撮れた“自撮り”写真が好きであるということ以外に、このような大量のアップロードは何を意味しているのでしょうか。最近の調査結果では、74%の回答者が、選択肢を与えられた場合、個人の写真を保存されているデバイス (携帯電話、ノートパソコン、タブレット)を保存するよりも先に、個人の写真を保存すると答えています。実際に、圧倒的多数のユーザが、デバイスに保存されたすべてのファイルの中で、最も大事であると答えているのは個人の写真です。

 写真アルバムを使用していたのは過去のことです。新しい写真はソーシャルネットワークにすぐにアップロードされます。しかし、これよりもはるかに深く広範囲な影響が発生しています。クラウドベースのソーシャルメディアで写真を共有すると、実際にはその情報のコピーをもう1つ作成していることになるのです。たとえ意図していなくとも、多くの場合、共有されたコピーは別のユーザによって所有されることになります。

 アクロニスではこれを「Facebook の条件付け効果」と呼んでいます。これは、ソーシャルメディアが“バックアップ”という行動を、私たちの潜在意識の中に刷り込んでいるという概念です。ここで問題になるのは、私たちがソーシャルメディアで閲覧する画像は、写真を低画質でコピーしたものであるということです (ただしこのことは認識されない場合もあります)。
 さらに、皮肉な点は、“自撮り”写真や食べ物の写真が別の場所に保存されたとしても、それよりもはるかに重要な文書の多くは脆弱なままであるということです。良い点としては、このようなデジタルファイルのコピーを別の場所にアップロードして保存するという行動によって、データをバックアップしてさらに保護するようにユーザが条件付けられ始めていることです。

 昨今のクラウド技術とユーザ・エクスペリエンスの進歩によって、データのバックアップは「アップロード」ボタンを押すだけの簡単な操作になりました。このようにして Instagramと連携しているわけです。しかし、これらの大量な個人情報や個人的なデータは、正しく、安全に、適切なセキュリティを使用してバックアップされているわけではありません。なぜ数枚の個人の写真だけではなく、すべてのデータがデジタル環境のどこかに安全で確実な方法で保存されていないのでしょうか。この効果がソーシャルトレンドから進化し、すべてがバックアップされ保護される、健全で包括的なデータ習慣とならない理由は何でしょうか?

 簡単な答えは、Facebookのようなサービスがないということでしょう。
 何社かのスタートアップ企業は、使いやすくアクセスしやすい形態のソーシャル メディア サイトを備えたデータ ストレージシステムを構築して大躍進していますが、最大の 2社を合わせても、Facebookユーザ数の20%にも及びません。このように、ツールの簡易さの問題ではない場合、Facebookの条件付け効果によって、ユーザのデジタル行動が完全に変化しない本当の理由は何なのでしょうか。

「データプライバシー」と「データ保護」の概念

 私たちは可愛い子犬の写真を撮ってはアップロードし続けていますが、作業文書、金融情報、医療記録、およびその他の個人および業務情報といった、本当の意味で重要なデータは昔からあるファイル キャビネットの中やデスクトップ上の「個人」文書として隠しています

 重要なことは、「データ プライバシー」の問題を認識し、「データ保護」の概念と切り離すことです。データプライバシーはデータの使用と保管に関する法的およびセキュリティ上の問題をより重視していますが、データ保護はデータが作成、保管された後に情報を保護するための対策です。Web対応デバイスを使用するすべてのユーザは、データ保護をおろそかにせずに、サイトやアプリのプライバシー契約の全文をよく読み、万が一漏洩した場合でも何も危険にさらされることのない情報だけを共有するなど、データ プライバシーへの意識を高め注意するべきです。

 データ保護について最も安全な方法は、複数の安全な場所に保存することです。デバイスとFacebook の両方に保存されている写真と同様に、重要な個人情報を複数の場所 (ハード ドライブとクラウド、バックアップ ドライブなど) に保存することを習慣付けるべきです。重要なデータのコピーを3つ作成し、2のコピーを異なる種類のメディアに、1のコピーをリモート ロケーションに保存します。“3-2-1のルール”です。ただし、基本クラウド ストレージツールは開始点としては優れていますが、セキュリティとなると確実に信頼できるものではありません。このため、セキュリティと簡易性のバランスを適切に保つことがプロセスの重要な要素です。

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キーマンズネットとは
2012年11月にAcronis に入社、グローバル コンシューマ/SOHO、OEM、およびオンライン担当の上級副社長兼統括部長を務める。グローバルコンシューマ/SOHOおよびOEM顧客セグメント、ならびにeコマースなどのAcronisの包括的なオンライン業務を担当。Acronis入前はSymantec社において10年以上、上級経営者として活躍。

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