第4回 CMSによるマルチデバイス対応とサイト運用の勘所

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第4回 CMSによるマルチデバイス対応とサイト運用の勘所

WEB構築 2014/03/04

 スマートフォンやタブレットが急速に浸透したことで、Webサイトの運用者にとって、マルチデバイスへの対応は避けて通れない課題となっています。単に、PCからもスマートフォンからも閲覧できれば良いというだけではなく、それぞれのデバイスに最適化した顧客を捕まえられるサイト作りが期待されています。

リプレイスか、機能拡張か?

 最新のCMSでは、ほとんどの製品がマルチデバイスに対応したWebサイトを構築・運用しやすく作られているので、新規にCMSを導入するというケースであれば、マルチデバイス対応はそう難しくありません。難しい選択が必要になるのは、既にCMSを導入していて、新たにマルチデバイス対応が必要というケースです。「既存システムを拡張する」、「マルチデバイスに対応したCMSにリプレイスする」という2つの選択肢で迷っているWebサイト運用者も多いのではないでしょうか。当然、拡張よりもリプレイスの方が導入コストが高く、時間もかかるなど大がかりになってきます。しかし、それはあくまでも導入時に限定した費用や工数になるので、今後の運用効率などまで比較した上での選択が必要です。拡張かリプレイスか、迷った時にはこれからご紹介する2点を検討してみて下さい。

全てのサイトを一元的に管理・更新できるか

 マルチデバイス対応においては、スマートフォンやタブレット向けのサイトを構築できるという点だけではなく、マルチデバイスに対応した運用を効率的にできるかどうかを見極めることが重要です。マルチデバイスに対応した運用ができないCMSでは、PCサイト、モバイルサイト、スマートフォンサイトを個別に管理し、コンテンツの更新もそれぞれ行う必要があります。

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1度のデータ入力で複数デバイス向けページを生成

 例えば、3種類のデバイスに対応するためには3倍の作業が必要になることもあり得ます。今後、デバイスの種類がますます多様化していくことを考えれば、1度の作業で、各デバイスに最適なページを自動で生成し、更新できるというのは必須条件となります。
 また、公開手順や承認ルール等のワークフローについても対応デバイスの数に関係なく共通であることが重要です。せっかくマルチデバイス対応しても、更新に手間がかかり、情報発信の頻度が下がってしまってはCMSの効果を発揮できません。「スマホサイトも作成したが、PC用・スマホ用、個別に更新作業が必要で、サイト運用の手間が増えてしまった。」という声も少なくありません。

 機能拡張によってマルチデバイス対応を行う場合には、対応できるデバイスの種類、スクリーンサイズに応じて最適なレイアウトを自動生成できるか、コンテンツデータやワークフローを一元管理できるかなど、デバイスが増えても効率的な運用が可能かどうかを確認しなければいけません。そうした対応が難しく、運用に工数がかかりそうな場合には、思い切ってリプレイスすることも検討するべきです。

自由度の高い設計と安全な管理を両立できるか

 例えば、PCでは便利なマウスオーバーも、タブレットやスマートフォンでは機能しないため、リンクの有無や遷移先を分かりやすく見せるための工夫が必要になります。また、スマーフォンなどでは、人間の指のサイズを意識し、タップしやすいリンクの表示が必要です。こうした配慮が不足し、使いづらいサイトになってしまうと、充実したコンテンツを用意していても、利用者はサイトを見てくれなくなってしまいます。このように、デバイスごとに細かい配慮をしたWebサイトを制作するためには、UIの設計自由度が高いCMSが求められます。また、デバイスやスクリーンサイズ毎のプレビューが容易であることも重要です。

 一方で、誰でもデザインやレイアウトの編集ができてしまう状態では、HTMLやCSSなどのスキルがない人が運用に携わった場合に、デザインを崩してしまうというリスクがあります。そのため、役割に応じ、テンプレート編集の権限などを制限できる権限管理の機能も不可欠です。こうした機能があれば、デザイナーに限定してテンプレートの編集権限を付与し、それ以外の人にはコンテンツの更新権限のみを付与するといった切り分けができ、安心して運用することができます。  

WYSIWYGエディタによる運用を継続すべきか

 コンテンツのレイアウト、文字サイズ、色などを自由に編集できるWYSIWYG型では、担当者のスキルやセンスが求められると第2回でお話しましたが、「特定のスタッフが更新するので自由度が高いWYSIWYG型で運用している」という企業もあるのでしょう。そうした企業におけるマルチデバイス対応においては、機能拡張、リプレイスどちらの場合にも、現状のまま運用を継続できるか今一度検討することをおすすめします。WYSIWYGエディタで自動生成されるコードは制御が非常に難しいため、様々なデバイスに対して常に最適なコードを生成されるとは限りません。PCサイトでは調整が可能でも、スマホやタブレットでは調整が難しく、「PCサイトでは問題ないが、スマホではレイアウトが崩れてしまい、思うように修正できない」というトラブルも珍しくありません。また、都度レイアウトを調整していると非常に手間がかかるほか、スキルのある人に運用が限定されスピーディーな運用が難しくなってしまいます。

 WYSIWYG型の自由度の高さは魅力ですが、多用しすぎるとページの品質を維持することが難しくなるので注意が必要です。マルチデバイス対応後もWYSIWYG型を利用する場合には、利用するページを限定した運用がおすすめです。また、WYSIWYGエディタの装飾機能やカラーパレットを限定できるようなCMSを選ぶというのも良い方法です。

 BIGLOBEでは、無料セミナー「先行ユーザに学ぶ“マルチデバイス対応Webサイト”成功への近道」を開催しています。次回は東京3/7、大阪3/19に実施予定です。

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キーマンズネットとは
金融業務システムの開発・プリセールスを経て、2009年からNECビッグローブでクラウドサービスの企画開発を行なっている。主にクラウドプラットフォームとCMSの導入・運用に関するプランニングや、Webサイト制作のディレクションを担当。趣味は「カピバラ参拝」。

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