「ユビキタスワークスタイル成熟度モデル」について

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「ユビキタスワークスタイル成熟度モデル」について

2014/02/27

ワークスタイル変革とIT

 2012年秋に、情報サービス産業協会(JISA)は“ワークスタイル変革とIT”というワーキンググループを発足した。「ITを活用して情報サービス産業のワークスタイルを場所と時間に縛られない 形態に変革し、企業競争力強化と就労者のクオリティ オブ ライフ(QOL)向上を 同時に実現する。」というビジョンを掲げ、2013年春に、「情報サービス産業におけるワークスタイル変革の実現に向けて」という報告書を発行した。私は、当該ワークグループで座長を担当して、13年度はJISAのプロジェクトの座長として後継活動を行っている。

 この活動の中心にあるのは、「ユビキタスワークスタイル成熟度モデル」である。企業経営の目線に立って、ワークスタイル変革をレベル化し、業務単位、企業単位で、ユビキタスワークスタイルへの対応力を見える化しようという挑戦である。本来の意味はともかく、テレワークという言葉には在宅勤務というイメージがつきまとうので、偏在を示すユビキタスワークスタイルという言葉を使用した。
 成熟度モデルで高いレベルに到達すれば、それだけ企業の生産性、柔軟性が高まり、結果として収益力も高まる事が期待できる。成熟度を可視化する事で、「当社の●●業務は成熟度レベルで4を充足している」と宣言できるようにし、レベルの低い同業他社より働きやすく、業務効率も良いと表明できるようになる。このモデルが認知されて、機能するようになれば、競争が起きて各社の成熟度が期待でき、それにより日本企業全体の生産性が向上して経済発展に寄与できたら良いと願っている。

2012年度版 成熟度モデル

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2012年度版 成熟度モデル

 ビジョンでは「企業競争力強化と就労者のクオリティ オブ ライフ(QOL)向上を 同時に実現する」としているが、勤労者から見れば、ユビキタスワークスタイル成熟度が高い企業、高い業務への所属は、柔軟な勤務形態が期待できることを意味する。
 働き手を特定の時間、特定の場所に拘束する理由は様々である。通勤、お客様先への訪問、業務出張はもちろん、育児やPTA活動への参加、介護や自分自身の闘病などプライベートな事由も数限りなくある。これまでも、この人はどうしても欠かせないという従業員には様々な例外対応を行って、成果を出し続けさせるように努力してきた事例はたくさんあるだろう。一方で、出産退社を当たり前と考えるような会社は許されないといった法的、道義的責任に直面してイヤイヤ対応しているというのが本音の経営者も少なく無いと考える。従来通りのやり方でそのまま通用させた方が面倒くさくなくて良いと思うのは止められない。しかし、上手に時間活用ができて、働く人が自由に時間や場所を選ぶことができ、育児や介護等のライフイベントの制約があっても業務が滞り無く遂行できる競合企業が現れたら、淘汰は必至である。PC出現時、インターネットの活用と同様、道具を使いこなした企業が有利になるのは自明である。

 勤労者が注意しなければいけないのは、成熟度の高い会社を緩い会社と混同してはいけない点である。自由の裏には責任がある。ユビキタスワークスタイル成熟度の高い会社は、従業員に自律的な活動を求め、成果に基づいた評価を行っていくことになる。従って、成熟度の高い企業、業務に従事すると手を抜くことは許されなくなると考えなければならない。そういった成熟した働き手が協働する企業は強い企業になる事が期待できるので、望ましい就業先と考えて良いであろう。

 次回から、ワークスタイル変革に向けたさまざまな取組みを行う中で考えたことや感じたことを述べる予定である。

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キーマンズネットとは
2013年3月に29年勤めた株式会社シーエーシー取締役を退任し、合同会社ユビキタスライフスタイル研究所を設立。新しい働き方を容易にするためのサービス開発中。2009年から2010年末までNY勤務経験あり。JISAワークスタイル変革とITプロジェクト座長(2012年度〜)。

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