社内SNSでイノベーションを促進する(2)

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社内SNSでイノベーションを促進する(2)

情報共有システム・コミュニケーションツール 2013/08/08

【第2回】部門の壁を超えてイノベーションを起こす

 前回は、日本企業のイノベーションの実態調査の結果を紹介した。
今回からは、社内SNSを活用して企業内イノベーションを促進していく具体的な方法を探っていこうと思う。

1.イノベーションを阻害する「部門の壁」

 皆さんの会社では、部門間のコミュニケーションは活発に行われているだろうか?

ある調査によると、「社内コミュニケーションにおいて課題となっていることは何か?」という問いに対して、約60%の回答者が「部門の壁を超えるコミュニケーション」と回答しているそうだ。これは驚くべき数字だ。この「部門の壁」という課題が顕著になったのは、ここ10年ほどである。

 部門の壁がそびえたつ理由の1つは、企業が事業効率を高めるために事業部制やカンパニー制を強化させたことにある。部門の独立性が高まるのと比例して部門の壁も高くなってしまった。
実は部門間の交流とイノベーションには深い関係がある。成城大学の社会イノベーション学部教授の遠藤建哉氏の論文「製品イノベーションの源泉としての組織能力はなぜ向上しないのか」では、企業のイノベーションを阻害している要因として、部門を超えたインフォーマルなネットワークの弱体化が指摘されている。

 組織のイノベーションを起こす能力は、他部署から得られる知識などの資源を使うことで高めることができる。他部門の異なった視点からの発想や異種の知識が既存製品の改良や新製品のアイデア創出の源泉になるからだ。知識の交流は必ずしも正式な会合やクロスファンクショナルチームなどのオフィシャルな場でなくてもよく、部門を超えて存在するインフォーマルなネットワークがより重要な役割を果たす。一杯酌み交わしながらの雑談の中から新たなアイデアが生まれることは珍しくない。

部門を超えたコミュニケーションはイノベーションを促進させる

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部門を超えたコミュニケーションはイノベーションを促進させる

2.社内SNSで「部門の壁」を壊す

 社内SNSは、部門間のコミュニケーションを増やすという意味で重要な役割を果たす。
タイムラインに流れる他部門からの様々なコメントや質問に接し、それに対して自分の知識を提供することで自然と会話が始まる。
社内SNS上で生じた部門を超えた交流はイノベーションの創出に対して2つの意味がある。
1つはSNS上の知識の交流そのものがイノベーションの源泉となる可能性があることだ。もう1つは会話や質問・回答をきっかけに生まれた人的な交流がきっかけとなったインフォーマルなネットワークを形成できることである。

 部門を超えたインフォーマルなネットワークを形成するために、わざわざ他部門の社員とランチ等の場で知り合うきっかけを作ろうとする企業も出始めた。しかし、この試みはあまりうまくいっていないそうだ。知らない人と突然「お見合い」をさせられても、交流のきっかけになりにくい。私達が日常生活で経験しているように、交流を促進させる鍵となるのは共通の話題だ。
この点、社内SNSであれば、1つの論点がもとになったコメントの応酬や質問・回答などをきっかけに会話が始まり、さらにプロフィールなどで対象者のことをより深く知ることができるため、比較的スムースに高レベルの交流に発展する可能性が高い。

エキスパートへ自動で質問を送る機能

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エキスパートへ自動で質問を送る機能

 社内SNSには、ある分野が得意な社員(エキスパート)を特定したり、エキスパートに自動的に得意な可能性の高い質問を送ってタイムラインに表示する機能が備わったものや、自分の興味の対象となる分野のコメントを自分のタイムラインに表示させる機能が備わったものなどがある。

このような機能を活用することで、一般的な社内SNSのフォロー機能よりも、より有効的に部門を超えた知識交流を促進させることが可能になる。

今回は、「部門の壁」を超えたコミュニケーションを活性化させイノベーションを促進するために社内SNSが有効であることを紹介した。
次回は、「部門の壁」を超えたコミュニケーションを社内SNSが活性化させている実例をデータとともにご紹介したい。

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キーマンズネットとは
株式会社リンコム代表取締役。1997年1月に株式会社リンコムを設立し、グループウェアの開発と販売を開始。主力製品「リンコム ネクスト」は1000社以上へ導入され、2012年からは社内SNS「智泉」のプロジェクトリーダー。また、2009年にビジネスコーチの資格を取得し、社員とのコミュニケーション改善・育成に尽力している。

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