第15回 これからの“ICT部門”をどう改革・再編するか

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第15回 これからの“ICT部門”をどう改革・再編するか

開発 2013/08/07

 今まで14回にわたり、ICTの運用問題について見解を述べてきた。最終回の今回は、それらを受けて、企業のICT部門が今後どのように変わってゆくか、そしてそこに身を置く技術者は、どうすれば期待に応えられるかを考えてみたい。以下の図にその概観を掲げた。

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■「ITプロデューサー」の必要性

 いうまでもなく、ICTが部門だけで管轄する時代は終わりつつある。「第9回 ICT運用品質の指標と具体化への提案」でICT運用部門のミッションは、安定、安全運転も包含した「適正なITサービスを提供すること」と定義した。それに加え、ITサービスの高度利用を促進する立場も要求される。

 筆者は以前から、このミッションを実現する為に、IT活用の支援と高度化を推進する、「ITプロデューサーの必要性を提案してきた。所属をユーザ側の部門に置いて、適度にICT部門と人事交流を果たすことで技術的な刺激を与え、業務の属人化を防ぐ工夫をする。このITプロデューサー」は企業のICT有効活用の鍵を握る存在になる。

■ベンダマネジメント能力の低下防止

 次に高度なICT技術スキルが要求されるインフラ分野であるが、クラウドの浸食に伴ってアウトソーシングが進む気配が濃厚である。
コストやシステムの可用性の面では極めて有効だが、ブラックボックス化して、ベンダマネジメント能力を失う危険性がある。俗にいう「軒下を貸して母屋を取られる」「ベンダロックイン」の状態である。ICTの中枢業務だけにそれだけは防ぎたい。
 適正なITサービス提供を続けるためには、ユーザ企業側で主体性を持ち、少数精鋭でベンダをコントロールできるスキルを維持する
必要がある。

■CIOを含めたICT部門の人材強化

 最後は企業全体を俯瞰した上で、ICTのグランドデザインを持ち、経営層や事業部門責任者と協調しながらICTの企画や調達、導入等を統括する役割である。企業のデータ資源を活用する為のデータマネジメント技術者もこの中に入る。
 ICTツール(ハード・ソフト)を借りる時代、企業のICT資産はデータに絞られる。このデータを統制し有効な情報として活用する要の技術者である。どれをとっても高い能力が要求され、企業の行く末を左右するミッションになる。是非とも期待に応えるべく改革・再編を実行してほしい。

 その為には、CIO(Chef Information Officer)の役割は非常に重要になってくる。残念ながら日本企業の雇用慣行では、本物のCIOは育ちにくい環境であり、数少ない今までの本物のCIOは、偶然性と個人の努力で輩出されてきた。今後は計画的に本物のCIOを育成
しなければならない。外部から招聘したり、育成の目的で候補者を外部へ出向させる等の大胆な手段もとるべきと考える。
 情報は“第4の経営資源”と言われて久しい。良質の経営資源にする為にはCIOも含めたICT部門の人材の強化が絶対条件であることを経営者に強く訴えて、本連載を終了する。

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キーマンズネットとは
1972年株式会社CAC入社。SE、PM経験後、子会社でSI事業責任者として技術者育成、事業企画、顧客開拓を担当。1994年合併新会社株式会社シーエーシー取締役。1998年同社常務取締役。2006年政井技術士事務所開設、IT系コンサルに従事、専門分野ITアウトソーシング。JUASソフトウェアメトリックス調査検討委員

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