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IT現場の道先案内人 Key Conductors

PRISM報道からわかる会社へのリスク

データセンター 2013/07/04

クラウド上にデータを保存するサービスもモニタリング対象に?!

 英国のガーディアン紙が報じたところによると 、米国政府は“ネット上のコミュニケーションをモニタリングしている”とのことで、各方面で大きな波紋を呼んでいます。記事では、米国政府が大手インターネットプロバイダ、インターネットサービス企業から情報提供を受けており、我々の日々のネット上のコミュニケーション、情報のやりとり、そしてデータの共有がモニタリング、監視されていた可能性を示唆しています。日本でも「PRISM問題」として大きく報道されていますね。
 ただこの情報は「可能性がある」という域を出ず、現在までに事実認定させていない状況です。そんな中でもこの問題は、我々に様々な警鐘を鳴らしていると思うのです。

 特に私が一番注目しているのが、例えば、Dropboxのような(または、それに類似したサービス含む)クラウド型データ保存サービス分野に関しても、米国政府は“モニタリングをしたい”という意向を持っているという報道があるからです。これは、一般消費者向けのDropbox(または類似したサービス)だけが危険に晒されている…ということではなく、エンタープライズ領域でもクラウドでデータを保存している場合、同じようなリスクに晒されるということなのです。
 現時点で多くの企業は、企業の情報資産をクラウド上にアップしています。もし、企業がこのような政府の監視の対象になるとすれば、それらの企業は、大きなリスク、問題を抱えることになるでしょう。そして企業は、これについて以下のような疑問に直面するでしょう。

●クラウドベースのデータ保存先のセキュリティーポリシーはどれだけ信頼できるのか?詳細まで知っていますか?
 
●クラウドベースのオンラインストレージに預けたデータを第三者(政府、またその他の団体)がアクセスしているかどうか、知っていますか?第三者機関がオンラインストレージを監視しているなど、一般消費者や会社として、どのようにモニターしますか?
●自分の情報は本当にどれだけ安全かわかりますか?

●第三者機関がデータや、ネット上のコミュニケーションを監視していることは世界中にどのような影響を与えると思いますか?
例えば、ヨーロッパ、アジア、日本のデータなども監視されているのでしょうか?今回の報道は米国だけという印象がありますが、ネットは世界中でつながっており、他国のデータは安全なのでしょうか?

 
●このような法的な要求があった際、インターネットを介してのサービス提供者はどのような責任を持つ、とるべきでしょうか?

 ファイルシェアのサービスに関して、Dropboxやその他のクラウドベースのストレージプロバイダは、上記のような質問には対応しにくいでしょう。常に、クラウドに情報をアップするということは、リスクを孕む行為なのです。「PRISM」自体は、自社にあまり大きな影響を及ぼすものではありません。しかし、多くの人が、それらサービスが含むリスク(情報提供の可能性など)に関して、考え始めるのではないでしょうか。企業のIT担当者は、これらのリスクを管理し、企業の情報資産を安全、安心に守り切るミッションを担っています。

オンプレミスが戻ってくる?!

 金融業界のように規制が厳しい業界は、クラウドに情報を預けることのリスクを理解し始めています。したがって当該業界では、クラウドベースのファイルシェアではなく、オンプレミスのファイルシェアのソリューション導入が開始されています。
 従業員は、クラウドに置いてあるのと同等の使いやすさと便利さを担保しながら、安全に管理された方法でアクセスすることができ、ファイルを共有することができます。オンプレミスだからこそ、大切なデータも管理でき、第三者から監視されることもないのです。

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アクロニスにて、モビリティー・ソリューションのダイレクタとして従事している。20年以上のIT業界の経験を有する。モビリティーソリューションのビジネス成長の中でも、特にマーケティング、プロダクト・マネジメント、プロダクト戦略に注力している。

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