BYOD時代に必要な“企業のモバイルファイルシェア”の留意点とは

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BYOD時代に必要な“企業のモバイルファイルシェア”の留意点とは

情報共有システム・コミュニケーションツール 2013/07/02

企業のモバイルファイルアクセスに必要な条件とは?

 企業のスマートデバイス導入は本格化し、メールやスケジューラの利用を基本としていた第1段階から、生産性向上を目的として用途を広げる第2段階に突入していると言える。

スマートフォンやタブレットは、コンシューマレベルでは幅広い層に利用されるようになり、それによって企業の多くの従業員がプライベートや業務でスマートデバイスを使いこなし、様々なアプリを利用するようになった。そして、Dropbox、SugarSync、Evernoteは、そのユーザビリティや手軽さにより、企業が認める場合や認めない場合(シャドーIT)に関係なく、広く利用されている。

このような状況において、企業のスマートデバイス利用の第2段階ではどのようなソリューションが求められているのか。メールやスケジューラはActiveSyncを利用し、MDMやMAMとの組み合わせでセキュリティを確保するケースが増加しており、社内Webも開発が進み、より使いやすいものとなっている。その中で唯一、“ファイル共有”だけが他の用途と比較して遅れをとっているだけでなく、企業が利用を回避しているケースが多いソリューションと言える。

企業がスマートデバイスによるファイル共有を回避する理由としては…

1.

 資料として秘匿性の高いものが多く、アクセスさせるにはリスクが高い

2.

 既存のソリューションは使いづらい

3.

 既存のソリューションは社内のファイルサーバにアクセスできるものが少ない

4.

 ファイルの閲覧はできるが、それ以外の操作ができない

5.

 ADとの認証連携はできるが、ファイルの権限継承ができないものが多い

等が挙げられる。これらの理由に対し、どのようなソリューションであれば企業はモバイルファイルアクセスを導入できるのか?
1つひとつ、ソリューションを見ていこう。

モバイルファイルアクセスには課題がつきもの・・・しかし“解決方法”はある!

■1.資料として秘匿性の高いものが多く、アクセスさせるにはリスクが高い

 セキュリティを確保するためには、まず、デバイス上でアプリを起動する際に必ずパスワードを要求することで、ユーザ離席時の情報の“のぞき見”を抑制できる。また、デバイスの紛失/盗難時には管理者がデータのリモートワイプを実行することで、情報漏洩のリスクを最小限にとどめることができる。さらに、転送時やデバイスへの保存時にデータが暗号化されていることも必要な条件の1つである。

■2.既存のソリューションは使いづらい

 Dropboxなどのコンシューマ向けソリューションに慣れているユーザにとって、企業用のモバイルファイルアクセスソリューションは、UIやユーザビリティの面で劣る。企業の許可なくコンシューマ向けソリューションを使うようなデバイス利用形態を“シャドーIT”と呼ぶが、このシャドーITの抑制の意味も含め、企業向けソリューションもコンシューマ向けソリューションと同等以上のUIやユーザビリティを備える必要があると言える。

■3.既存のソリューションは社内のファイルサーバにアクセスできるものが少ない

 メールやスケジューラ、社内Webは既存の社内環境にアクセスできるのに対し、モバイルファイルアクセスは社内の既存ファイルサーバにアクセスできていないケースを多く耳にする。クラウドサービスや専用のファイルサーバを利用することで、IT管理者やユーザは都度発生するファイルのアップロードや、既存のファイルサーバにアクセスできないフラストレーションを感じている。既存のファイルサーバにアクセスできるソリューションであれば、利用用途や目的に広がりができ、企業の生産性向上にもより貢献することができる。
ただし、これは「1.」で述べたようなセキュリティが確保された上での話である。

■4.ファイルの閲覧はできるが、それ以外の操作はできない

 メールやスケジューラ、社内Webへのアクセスが進化しているのに対し、ファイルサーバへのアクセスがあまり進化していないポイントはここにあると言える。ファイル閲覧のできるソリューションは多数存在するものの、社内でPCからアクセスする時と同様にファイルやフォルダの移動、削除、リネームなどを行うことができないソリューションが大半である。加えてPDFファイルに直接メモ書き等が可能で、Officeファイルやテキストファイルの編集ができるようなソリューションがあれば、企業はさらに用途や目的を広げることができるだろう。

■5.ADとの認証連携はできるが、ファイルの権限継承ができないものが多い

 これは社内ファイルサーバへのアクセスに限定した項目となるが、この場合、AD(Active Directory)のファイル権限継承は必須である。社内でPCからアクセスした際に見えなかったファイルが、スマートデバイスからアクセスした場合に見えてしまった場合はセキュリティ上、大問題となる。
加えて、ADのセキュリティグループをそのままモバイルファイルアクセスのユーザプロビジョニングや管理に利用できれば、IT管理者の負荷は大幅に軽減される。

 企業向けのスマートデバイスによるモバイルファイルアクセスソリューションは今後、大きな市場となっていくが、今回挙げたセキュリティやユーザビリティ、管理面における条件を参考にソリューションを選定することで、企業はモバイルファイルアクセスにおける課題をクリアでき、より目的に合った用途を追及することができるだろう。

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アクロニス・ジャパン プロダクトマネージャ。コンシューマーおよび企業向けバックアップ製品、モバイルファイル共有、クラウドバックアップソリューションを担当。来たるデータ保護の新時代に向け、市場の開拓に勤しむ。

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