「Web会議」導入時におさえるべき、3つのポイントとは?(3)

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「Web会議」導入時におさえるべき、3つのポイントとは?(3)

情報共有システム・コミュニケーションツール 2013/06/12

 Web会議システムを導入する際に躊躇する「三大要素」(※)のうち、前回まで“(1)費用対効果が明確でない”、“(2)利用シーンが分からない”点について、具体的なお客様事例をもとに、私なりの解をご提示した。
 今回は、3つ目の理由「画質・音質に不安がある」点について考察したい。
 ※2012年10月 キーマンズネット実施 「Web会議システム導入に関するアンケート」より

1.Web会議を導入しない理由3:「画質・音質に不安がある」

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H.264方式に対応することで、美しい映像によるWeb会議が可能となる
 昨今、動画圧縮規格の1つであるH.264方式を採用したWeb会議システムが増えてきており、画質に対する不安は徐々に解消されつつあるのではないかと思う。H.264の高画質対応によって、Webカメラで映したホワイトボードや書類などの静止画像、動きのある被写体も滑らかで鮮明な映像として共有できた体験をお持ちの方も多いのではないだろうか。

 ただ、「音」に関しては、まだまだ不満が多いと感じている。
では、現場で起きているWeb会議の「音」に関する、“よくある不具合”にはどのようなものがあるのか、また、どうやって対処すればよいのか。弊社と、「音」のプロフェッショナルであるヤマハ株式会社サウンドネットワーク事業部によるセミナーでご紹介した内容からご提示したい。

 会議にとって最も重要な要素である「音」の改善策だ。

2.Web会議における代表的な「音」の不具合

一般的に「音」の不具合として捉えられるものとして、大きく3つあると考えている。

(1)反響

 いわゆる“エコー(Echo)”と呼ばれるものだ。「音」が壁や床などで跳ね返り、戻ってくる現象である。Web会議では、自分の声が相手先で折り返して聞こえることを言う。

(2)ハウリング

 専門用語になってしまうが、“正帰還(Positive feed-back)”と言う。スピーカーの「音」の一部をマイクが集音して回り込みすることで発振状態となり、“ピー”、“キーン”と言う音を発する。

(3)騒音(ノイズ)

 PCやプロジェクタなどの冷却用ファンの運転音、外部から進入する自動車や列車などの走行音、会議の参加者が発する話し声や資料をめくる音など、身近にある音だ。
 「音」の不具合が発生している場合、Web会議を行っている相手側の環境に起因することも少なくない。従って自分だけでなく、相手側の使用環境についても確認しておきたい。逆に捉えると、相手側に自分の声がどのように聞こえているか、わからないのだ。
 では、目に見えない「音」をうまく使い、上質のコミュニケーションを図るための対策や工夫とはどのようなものだろうか。大切なお客様や上司に自分の意見をきちんと伝えるためにも、これから述べる改善策を実践して欲しい。

3.Web会議の「音」を改善する“3つのポイント”

Web会議における「音」を改善するポイントとして、

(1)

機材をきちんと選ぶ

(2)

会議用マイクスピーカーを正しく使う

(3)

ふさわしい環境を用意する

の3つが挙げられる。
 つまり、良い「音」とは、この3つが揃って初めて実現すると言っても過言ではない。では、具体的な対策を以下に述べてみたい。

(1)機材をきちんと選ぶ

■a.PC搭載のマイクやスピーカーを使用しない〜ノイズの発生を抑える

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会議用マイクスピーカーの利用がベター
 マイクが周囲の音を拾ってしまうことでノイズが発生するため、会話が聞き取りづらくなる。会議用マイクスピーカーの利用がお勧めだ。
■b.PC搭載のマイクやスピーカーを使用しない〜エコーやハウリングの発生を抑える

 エコーが発生し、自分の声が返ってきたりキンキンとした音が聞こえる。エコーがひどくなることで、ハウリングの発生にもつながるため、エコーキャンセラー付き会議用マイクスピーカーの利用が望ましい。

■c.外部マイク、外部スピーカーをPCに直接接続しない

 bと同様、直接接続することでエコーが発生しやすくなる。自分の声が返ってくる、キンキンとした音が聞こえるなどハウリング発生の誘因となる。エコーキャンセラー付き会議用マイクスピーカーの利用を推奨する。

■d.コードにマイクがあるタイプのヘッドセットを使用しない

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 aと同様、ノイズが発生しやすいため、ノイズキャンセラー付きのヘッドセットの利用をお勧めする。

【写真(左)】コードにマイクがあるタイプのヘッドセットでは、ノイズが発生しやすい。
【写真(右)】ノイズキャンセラー付きのヘッドセット利用がお勧めだ。

(2)会議用マイクスピーカーを正しく使う

■a.機器選定を慎重に行う

 高額であれば必ず品質が良いとは断定できないが、正しく端末を選択しなければ「音」の不具合が発生しやすくなる。会議用マイクスピーカーをPCに接続する際、カメラのマイクをOFFにするなど、機器の設定にも注意したい。
 ぜひ、「音」のノウハウを持ったベンダに相談して欲しい。

■b.スピーカーボリューム、マイクゲインを上げ過ぎない

音割れや、エコーが起きやすくなる。

■c.機器をむやみに触らない

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会議用マイクスピーカーを触ることで、エコーやノイズが発生しやすくなる
エコーやノイズが発生する原因となる。
■d.機器の近くに、ノイズを発するものを置かない

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狭い会議室では、このような環境になっていないだろうか。
プロジェクタやPCの冷却ファン、オフィスの空調設備などの近くは、ノイズが入りやすいため注意が必要だ。
■e.柔らかい物(布・クッションなど)の上に置かない

機器が不安定だと、マイク機能などがうまく作動しないことがある。

■f.会議室の壁など、遮蔽物の近くで使用しない

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会議用マイクスピーカーは、近くにある壁に弱い
エコーが起きやすい、ノイズが入りやすいなどの現象を誘発する。

(3)ふさわしい環境を用意する

 オフィスの会議室や教室など、部屋の響き(音場)は聞こえる「音」の印象に大きく影響する。特に残響の多寡によって、会議用マイクスピーカーなどの機材に要求される能力が異なる。

■a.残響の多い部屋

【特徴】

 狭い/固い壁面(ガラス張り等)/ビニールタイルの床/家具などの物が無い/会議人数が少ない/簡易建築(プレハブ)

【対策】

 残響の多い部屋では、エコーが多く返るため、エコーキャンセラー機能が必要となる。

■b.残響の少ない部屋

【特徴】

 広い/柔らかい壁面/床が毛足の長い絨毯/家具類などの物が多い/会議の参加人数が多い、などの特徴がある。

【対策】

 残響の無い部屋では音が聞こえづらいため、マイクの収音能力やスピーカーの音量が必要となる。

 このように、Web会議の「音」については、ちょっとした準備や気遣いで簡単に解決できる場合も多い。
コスト削減やコミュニケーションの効率化を狙って導入したWeb会議の場で、「音」の不具合で対応時間を費やしたり、参加者のストレスを溜めることは本末転倒だ。
 
 以上、Web会議システム導入にあたって、想定される主な不安材料とその解決策をまとめた。今後、Web会議の導入をご検討される際、参考にしていただければ幸いである。

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キーマンズネットとは
パナソニック株式会社に入社後、法人顧客向け業務システムの企画・設計開発に従事。パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社にて、数万クライアントを超える大規模顧客向けシステムや新規事業の立ち上げを行うなど、ソフトウェアやクラウドサービスに関する多数の実績を有する。

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