バックアップ&復元に関する5つの注目点

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IT現場の道先案内人 Key Conductors

バックアップ&復元に関する5つの注目点

バックアップ 2013/06/07

 素晴らしい頭脳により、10年ごとに、ITの世界に変革が起きています。コンシューマテクノロジではもちろんのこと、バックアップや復元の世界も含む、あらゆるITの領域で変革が起こっているのです。古いものは、環境に適応できないため、取り残され、やがて去っていきます。我々は、一度にいくつものブレークスルーを見ることができ、また体験することができる、本当にラッキーな時代に生きています。インターネットの帯域幅は広がり、ストレージ容量も拡大し、グローバル規模でのモバイルデバイスが普及し、仮想化、クラウドの導入など、次から次へと新しいテクノロジが生まれています。
 そのような中、私は、特に、この5つのテーマにおける革新に注目していますので、ご紹介したいと思います。

1. 様々なハイパーバイザーの加速的普及

 仮想化の浸透が進む昨今、仮想化はコモディティ化されてきています。VMware社の仮想化製品を導入している企業でも、Hyper-VやRHEVなど、他ハイパーバイザーの併用や、これらのハイパーバイザーへの完全移行を検討こともあるでしょう。企業は、複数の異なるタイプのハイパーバイザーを併用する場合、すべてのハイパーバイザーに対応するバックアップツールが必要となります。
 また、今年注目される機能としては、異なるハイパーバイザー間にて、シームレスにデータやアプリケーションの移動を可能にする機能が挙げられます。

2. エンドポイントでは、バックアップではなく同期が重要

 皆さんもノートやペンを、どこにおいたか定かではなく、無くしてしまった、ということはありませんか?…そう。だからこそ、バックアップが必要なのです!多くの人が複数台のモバイルでデバイスを所有している今、ファイル管理やバージョン管理は、頭痛の種です。そして、きちんと管理できていなければ、大量のデータ流出の可能性があります。これに対処するためにはやはり同期を取るソリューションが有効です。
 例えば、Dropbox (主に消費者向け)やactivEcho (法人向け)などが挙げられます。これらの製品は、デバイス間やクラウド間にて自動で同期を取ってくれます。しかし、もともと同じファイルのアップデート版ということで、もし何バージョンものファイルを持っていたら、それらを全部バックアップするのは有効でしょうか?これらの製品を使うことで、多くの同期機能を持つ製品で、削除したり、変更したファイルを前の状態に戻すことが可能です。したがって、ユーザは、今後全部をバックアップするというのではなく、同期と前の状態に戻す機能を提供する同期ソリューションの活用が有効となるでしょう。

3. ファイルベースのバックアップではなく“イメージベース”のバックアップが進む

 情報システム部門は、ますます困惑を深めているでしょう。なぜなら、マシン、オペレーティングシステム、ハイパーバイザー、ファイル、アプリケーション、データベースなど、ありとあらゆるものの容量が、加速的に増え続けているからです。伝統的なバックアップ製品は、ファイルレベルでバックアップを取り、個別のアプリケーションのAPIにアクセスし、データベースに置かれたデータをバックアップしたり、復元したりします。何十年か前に開発されたこのようなテクノロジでは、容量や複雑さが増すにつれて、バックアップ対象をコピーするのに時間がかかるという課題がありました。

 この課題を解決する違うアプローチとして、OS、アプリケーション、すべてのデータを含む物理や仮想マシンのすべてのイメージをとって、バックアップを取る手法が採用されてきました。しかし、そこにも問題があります。このアプローチでは、ある一定の時間しかバックアップを取らないため、アプリケーションの一貫性の担保、復元する際のデータやアプリの所在の特定・抽出などの作業が発生します。しかし、企業は、VSS、例えば、Disk to Diskバックアップや、先進復元技術を採用することにより、その問題を解決することができます。2013年、企業では、オールドスタイルなファイルバックアップからイメージバックアップへの移行がますます進むことが予測されます。

4. 「仮想化担当」だけでは、もうダメ!?

 数年前まで、新進気鋭な一部の企業のみ、仮想化技術の導入・展開を行っていました。また、仮想化ツールを提供している企業では「仮想化は特別なもの」であり、物理インフラとは“別物”と認識されていました。この認識から企業では、任命された仮想化担当が仮想化を推進するのに必要な技術とツールを選択する権限を与えられていました。物理環境で動作すること前提に開発されたバックアップおよび管理ツールが仮想環境での運用に対応していないのではないか、という考え方から、「仮想化担当」の任務や権限が与えられたのでしょう。よって、物理環境には物理用のツール、仮想環境には仮想用のツールを使うことが必然的となっていました。しかし、昨今の統合ツールは、物理でも仮想でも使うということが前提で開発されているため、環境に応じて個別にソリューションを採用する必要性を排除しています。今後多くの企業ではすべての環境を網羅するマルチなソリューションへの移行が加速することになるでしょう。

5. 中小企業もオフサイトバックアップとディザスタリカバリに着手

 従来、中小企業では、データ保護やBCP対策にかける「時間」、「お金」、「リソース」が、大企業と比較して少ないと言われてきました。これらの中小企業では、リスク回避の重要性は理解しているものの、それらを実現するためのコストと複雑さを勘案すると、オフサイトのバックアップを実施したり、レプリケーションを実行することは難しいという結論に至っていました。また、小規模企業にとっては、データをレプリケートするオフサイトがない、ということも事実です。昨今、当該企業では、メガバイト、ギガバイト級の帯域幅を提供するインターネットサービスが安価に利用できるため、データをオフサイトにコピーしたり、またはクラウドに保存、保管することができるようになりました。よって、クラウドバックアップは、今後ますます注目が集まるでしょう。

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キーマンズネットとは
カンドゥーロフはアクロニス社にてプロダクト・マネジメント・ダイレクタを務める。10年以上のIT業界での経験を有しており、お客様のニーズにあった、イノベーティブな製品開発をテーマとし、様々な製品開発を行っている。仕事に加え、スキーや旅行などの趣味を持つ。ハッピーなライフを謳歌することも推進。

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