第4回ICT運用コストの最適化(2)適正化取り組み状況の実態調査

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第4回ICT運用コストの最適化(2)適正化取り組み状況の実態調査

運用管理 2013/05/10

 JUASはソフトウェアメトリックス調査2013年版(本年度版は2013年初夏発売予定)から「ICT運用コストの適正化取り組み状況」を調査対象に加えた。今回はその結果を報告する。

 図表1は調査時に提示した27項目の内容である。これらの項目に対して66社から、
(1)実施中、(2)一部実施、(3)検討中、(4)検討したが未実施、(5)未検討という回答を得たのでその割合も合わせて記載し、それぞれの回答結果を受け考察を加える。 

図表1:「ICT運用コストの適正化取り組み状況」(1)

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図表1:「ICT運用コストの適正化取り組み状況」(1)
   出所:JUAS ソフトウェアメトリックス調査2013

 表中の「システム資産の棚卸し」で、不要H/W、S/Wの排除(72.6%)、保守契約の見直し(66.1%)は高い確率で実施中であった。運用関係者の意識が高まった証拠と推察できる。しかし棚卸しの範囲をどのように想定したか、回答者の質問解釈で回答は変わるので、額面通りの判断は早計である。

 「ベンダー契約の見直し」の中で、集中購買による価格の低減を全機器で実施している企業は50%を超えている。
特にPCの購入は93.7%で大多数が実施。特定ベンダから集中して調達している企業は一部実施も入れて69.4%もある。ICTスキルが十分でない企業はどうしても特定ベンダに依存する傾向にある。スキルが不足しているのに、無理に競争入札を実施することは大きなリスクを背負うことになるので、それは誤った選択ではない。反面競争入札を実施中、一部実施と回答した割合も80%を超える。おそらく指名と競争入札を購買案件によって使い分けをしているのであろう。賢明な方法だ。

 「運用・運行プロセスの改善」は外部委託の項目で、実施中、一部実施と答えた企業が70%超である。やはり外部委託の比率は高い。しかし無人化は未検討が33.9%もあり回答が割れている。もっと前向きに検討した方が良い企業が多い。

図表2:「ICT運用コストの適正化取り組み状況」(2)

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図表2:「ICT運用コストの適正化取り組み状況」(2)
   出所:JUAS ソフトウェアメトリックス調査2013

 図表2の「システム再構築」では、示唆に富んだ調査結果が顕著である。コスト低減の定番となった仮想化は、サーバとストレージがそれぞれ60.7%、52.5%が実施中である。PCは14.8%でありこれからのテーマのようだ。
未検討が21.3%もある。サーバやストレージの仮想化はベンダが提案しやすく、すぐにコスト効果に直結するので実施しやすい項目である。しかし業務システムの運用特性やDBとの関係を考慮した高度な仮想化を推進すれば、さらに多くの効果が期待できる。ベンダ任せにしないで、自ら考え工夫をすることが重要である。

 「クラウド」の項目では実施中(含む一部実施)、検討中、未検討の回答がそれぞれ1/3に分かれている。クラウドについてはまだ
半信半疑で、様子見の企業も沢山あることから過度期と考えても良い。

 最後に「省エネ・省資源」は実施中、一部実施と回答した企業が80%を超えている。調査対象企業はJUAS会員(大手企業)が大半なので、企業の意識が高く、省エネ・省資源にまで配慮している場合が多い。現在は企業が、ICTの運用を情報子会社に全て委託しているケースが多い。この調査には表れてこないが、情報子会社の立場にたてば受託範囲を拡大して売上げ向上を図るという意識は当然である。反対に技術変化に即応してコスト改善を企てることには相反して売り上げが低下することを覚悟しなければならない。情報子会社自身がインセンティブを持ち続けられる契約方式を採用することも、コスト適正化の大きな施策である事を付け加えたい。

図表の施策項目を参考に、読者の企業のICT運用コスト適正化の取組状況のポジションを確認してみると良いだろう。

                                                  

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キーマンズネットとは
1972年株式会社CAC入社。SE、PM経験後、子会社でSI事業責任者として技術者育成、事業企画、顧客開拓を担当。1994年合併新会社株式会社シーエーシー取締役。1998年同社常務取締役。2006年政井技術士事務所開設、IT系コンサルに従事、専門分野ITアウトソーシング。JUASソフトウェアメトリックス調査検討委員

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