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IT現場の道先案内人 Key Conductors

運用現場の課題と解決 第三回

運用管理 2013/01/09

チームリーダーはプロセスを整備したい

今回は第一回で挙げた3つの立場の「チームリーダー」を中心に課題と解決を解説する。システム運用の組織体制は様々である。特に、アウトソーシングの割合によって状況は異なるが、チームリーダー的な立場としては、現場担当者の管理に加え、組織内の別部署や外部パートナーとの連携を円滑に取り、運用業務を効率的に行う責任がある。

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開発と運用の役割明確化

チームリーダーの業務内容を見てみると、顧客対応やスケジュール調整、社内調整などの調整業務がかなりの割合を占める。これらを効率的かつ的確に行うには、プロセスごとに役割を明確する必要がある。インプットとアウトプットを定義し、外部に対して宣言することにより、各プロセスの信頼度が上がり品質向上にもつながる。とくに、開発部門と運用部門の役割の明確化は重要である。システムごとに運用部門の責任範囲が異なるケースがあるが、クラウドが進むと個別要件に対して対応できなくなる。クラウドが浸透する前の現時点から役割の明確化、業務の標準化を進めるべきである。第二回において障害起因の13%が考慮漏れと記述したが、標準化を進めることにより考慮漏れを防ぐことにもつながる。

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役割を明確化するにあたり、お互いにとってメリットが無いといずれ破綻してしまう。例えば、運用部門はこれまで開発部門が行っていたユーザ対応や品質管理、システム固有の維持管理業務を引き受ける。引き換えに運用部門は運用設計受入れ基準を整備し、開発部門へ遵守を要求するなどが考えられる。これらを実現するには、運用側はスキル向上やインシデント管理基盤の整備、障害対応手順の標準化・自動化などが必要である。開発側は運用設計受入れ基準の遵守に加え、運用側からのメッセージ削減提案などへの対応も必要である。また、役割分担を徹底させるにはリリース会議にて厳しくレビューし、考慮漏れや不適切な運用が無い事を双方で確認することが重要である。

手順書整備、メンテナンス効率化

チームリーダーの重要な業務の一つに手順書の整備がある。メンバーが安心して業務に取り組むにはルールを整備しなければならない。しかし、多種多様なシステムが存在し、利用状況によって運用手順も異なる。さらに、システムは日々変化していくので手順書の整備だけでなくメンテナンスもしていかないとすぐに情報が陳腐化してしまう。

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解決策として、手順書のシステム化が考えられる。テキストベースの手順書をシステム化することにより、対応の自動化やナビゲーションによる業務の効率化が期待できる。そのためには、まずオペレーション頻度や時間とオペレーションスキルを分析する。システム化に適している手順とシステム化すべきでない手順があるので、効果が高いところからすすめるべきである。自動化の深度も考慮が必要である。様々な背景により人による複雑な判断が入るような手順では、全て自動化せずにナビゲーションレベルに抑えておいた方がリスクが低い。情報を陳腐化をさせないためにはメンテナンス性にも注意すべきである。標準化されている手順と特別対応手順を明確に別けて、常に最新情報を維持できるプロセスと仕組みが必要である。

現場の無駄をなくす

無駄な作業が減るような運用基盤整備もチームリーダーの役目である。システム運用の基本は監視である。しっかり監視することにより、システムの状態が把握でき、迅速な障害対応だけでなくプロアクティブな対応も可能になる。しかし、システムの状態を適切に監視するのは簡単ではない。多種多様な構成要素から様々なイベントが常に発報されつづけている。監視ツールも単一ではなく複数のツールが混在しているケースが多い。例えば、サーバ監視、ネットワーク監視、DB監視、仮想化監視、セキュリティ監視、不正侵入検知等々を個別のツールで行っているため、一つの現象に対して様々なメッセージが挙げられる。メッセージの内訳をみてみると38%が最終的に無視しても良いメッセージであった。これらに対しても他の重要メッセージと同様の確認作業が必要になり、現場としては無駄な作業と言える。

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対策としてはメッセージのフィルタリング精度を上げ、無駄なメッセージを削減することが考えられる。ツール単体でのフィルタリングでは限界があるため、複数のツールからのメッセージを複合的に判断し、自動切り分けを行った後に必要な情報だけを発報する仕組みが有効である。さらに、初動作業まで自動化できれば現場の無駄は大きく削減できる。

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次回(最終回)は運用責任者の課題と解決について解説する。

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インソースシステムにおける運用改善が専門。2006年より統合運用管理ツールSenju Familyの企画を担当。システム運用現場が嬉しいことを追求し、現場の視点に徹したツール提供やプロセス改善、人材育成支援を行っている。 ITIL Expert(V3)

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