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2011/07/21
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リサーチ部門 テクノロジ&サービス・プロバイダー コミュニケーションズ リサーチ ディレクター
堀 勝雄(Katsuo Hori)
ガートナー ジャパンにおいて、テレコミュニケーション及びネットワーキング分野に関するアナリスト業務を担当。主に、エンタープライズ・ネットワーキング分野及びエンタープライズ・モバイル分野の動向分析、ベンダ向けの提言、ユーザ企業向けアドバイザリ業務を行っている。ロゴジャパン、BNPパリバ証券会社等を経て、2003年9月より現職。九州大学経済学部卒。
スマートフォンやメディアタブレットに感染するウイルスの登場や個人所有端末を用いた無許可での社内システム接続の広がりなどを受けて、これら端末のセキュリティや管理に関する議論が最近活発化している。これら端末はもともとコンシューマ向けに開発されていることもあり、企業が安全に利用したり、管理したりできる仕組み作りが後回しとなり、いまだ未成熟なプラットフォームもある。また、主なユーザは個人所有のスマートフォンやメディアタブレットを会社の業務に使う「企業内個人」であることも多く、企業としても、端末を安全に運用していくための管理の視点が抜け落ちている場合が多いのが実情だ。
しかし企業には個人のものとは比較にならない量の機密情報があり、いったんサービスが停滞すると重大な影響が及ぶ社内ネットワークがある。企業の大切なリソースを損なったり外部に流出させたりするリスクはどんな場合でも最小にすべきだ。ノートPCの場合には企業がセキュリティやコンプライアンスの向上のために様々な施策をとってきた。しかしスマートフォンやメディアタブレットは、いわば、施策の域外に新しく登場した端末だ。個人レベルでできる対策や、端末が備えるセキュリティ機能や情報漏洩防止対策だけでは企業ユースの端末として十分とは言えない。
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止められない「コンシューマライゼーション」 |
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企業システムやリソースに影響を及ぼさない最も簡単な方法は、リスクを生みそうな端末を業務に「使わない」ことだ。しかし、現実に進行している「コンシューマライゼーション」を止めるのは容易なことではない。個人が利用しているITツールのほうが、企業が利用するITツールよりも利便性が高く、結果的に生産性が高いことが十分あり得るからだ。コンシューマ向けツールを業務にも活用したいという社員の意向を、むげに拒否することはできない。多くの企業はノートPCの普及の際に似たような経験をしているはずだ。現在でも、ノートPCに関しては持ち出しを禁止したり制限したりするポリシーを運用している企業は多いが、スマートフォンやメディアタブレットの活用により、PC持ち出し禁止ポリシーで損なわれた利便性の不足分を埋める働きを期待している企業も多い。
しかも現在は続々と魅力的な新しい端末が登場してきている最中だ。昨年まではiOS端末が一手に注目を集め、今年はAndroid端末が多数登場して市場を沸かせつつある。来年には新しいWindows Phone(コードネーム“Mango”)端末が新たなブームを巻き起こす可能性も考えられる。こうした流れの中で、スマートフォンやメディアタブレットを業務で利用したい意向は更に高まってくるはずだ。
それにともなってセキュリティやコンプライアンスについて企業側で対策する必要がますます高まってきている。しかし、現実にスマートフォンやメディアタブレットのセキュリティ及び運用管理ポリシーを説得力のある形で策定し、実装しているケースは稀である。セキュリティや管理以前の問題として、こうした新しい端末をどのように企業システムに位置づけ、業務に利用するのかについての議論が十分に進んでいない企業が多いのも要因の1つだ。
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【1】日本企業のスマートフォン活用状況
1-1 止められない「コンシューマライゼーション」
1-2 スマートフォンの企業での利用状況
1-3 スマートフォンやメディアタブレットをどのように業務に活かすか
【2】スマートフォンの企業利用におけるリスクと対策
2-1 スマートフォンのリスクとは
2-2 OS別に見たセキュリティ機能
2-3 セキュリティ対策の優先順位
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