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2011/02/08
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キーマンズネットでは、2010年11月30日(火)〜 12月24日(金)にかけて、企業の役職者(係長・主任職以上の役職者)を対象に「企業におけるIT戦略」に関するアンケートを実施した(有効回答数:274)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の65.3%、一般部門が34.7%という構成比であった。 |
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最初に、「今年度(2010年度)、IT戦略面で優先した事項は何か」及び「来年度(2011年度)、IT戦略面で優先する事項は何か」をそれぞれ尋ねてみた。その結果を図1に示す。まず、今年度(2010年度)のIT戦略面で優先した事項の1位は「ITコストの削減」で66.1%、2位は「情報活用の拡大」で38.7%、3位は「ITサービスの品質向上」で35.4%となった。
「ITコストの削減」を1位と回答した方々からは「リーマンショック以降の経済情勢を見てコスト削減が優先された」「リーマンショック以降、景気が回復していないため」といった意見が寄せられており、リーマンショック以降、ITコストの削減を重要課題としている企業が多い。「情報活用の拡大」を1位と回答した方々からは「管理情報の営業へのフィードバックの迅速化と有効利用」「情報の可視化を重視し、実務の作業効率を改善し、事務コストを削減」「コストをかけずにできること(内製化)がキーワード」といった意見が寄せられており、情報活用を通じて業務効率の改善とコスト削減を図る動きが見られた。
「ITサービスの品質向上」を1位と回答した方々からは「今後、会社がより一層の飛躍を遂げるために、今まで以上に品質のよい製品の開発に取り組んだ」「これからの時代、安かろう悪かろうのサービスでは企業は生き残れないため、サービス総合力の強化を図った」といった意見が寄せられており、不況の時こそユーザビリティを考慮した品質向上を優先している企業も多いことが分かった。なお、「ITサービスの品質向上」を今年度の優先課題として選択した割合は、従業員規模が小さくなるほど高い傾向にあった。
また、来年度(2011年度)のIT戦略面で優先する事項の1位も「ITコストの削減」で55.4%、2位も「情報活用の拡大」で41.3%、3位も「ITサービスの品質向上」で37.9%となり、今年度(2010年度)と同じ順位であった。これを「最も重要」と回答した割合が高い事項だけに絞ってみると、1位は「ITコストの削減」で29.4%、2位は「有能なIT要員の獲得と育成」で16.0%、3位は「ITサービスの品質向上」で11.9%と続く結果となった。
「ITコストの削減」を1位と回答した方々からは「引き続き経営状況が厳しく経費の削減が求められている」「景気向上の気配がなく、来年度もコスト削減が課題」「顧客の価格引き下げ要求は厳しく、そのためにはITコスト削減が必須」といった意見が寄せられている。取引先や顧客からのコストダウン要求に応えるため、来年度もITコストの削減を重要課題としている企業が多いようだ。
また、「有能なIT要員の獲得と育成」は、従業員規模が小さくなるほど「来年度のIT戦略面で優先する事項」とする割合が高くなる。100名以下の中小企業からは「市場に合わせて変化し続ける企業体質を作るため」「IT技術力の向上は企業経営上、会社にとって不可避なテーマ」といった意見が寄せられており、企業経営に必要なIT要員の獲得と育成に注力していく姿勢が伺える。
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次に、「今年度(2010年度)のビジネス面で優先した事項は何か」及び「来年度(2011年度)、のビジネス面で優先する事項は何か」を尋ねた(図2参照)。まず、今年度(2010年度)のビジネス面で優先した事項の1位は、「企業コストの削減」で66.2%、2位は「ビジネスプロセスの改善」で33.8%、3位は「新規顧客の獲得と維持」で31.3%、4位は「社員の業務効率の改善」で29.4%、5位は「既存顧客との関係性強化」で27.6%と続く結果となった。
1位の「企業コストの削減」に関しては、「ITにかかわらずコスト削減が最優先の課題」「発注規模が小さくなる中での利益確保が企業存続の課題」といった意見が寄せられており、不況による影響でITコストのみならず、企業全体としてもコストを削減しなければならない状況にあるようだ。
2位の「ビジネスプロセスの改善」の理由としては、「ビジネスプロセスの改善によりコスト削減を実施しつつ、新しいサービスや商品を既存顧客や新規顧客層へ提供する必要があった」「サービス品質向上のためにビジネスプロセスの改善を図った」などの意見が寄せられており、ビジネスプロセスの改善を新規顧客の獲得につなげていく傾向が見られた。
一方、来年度(2011年度)のビジネス面で優先した事項の1位は、「企業コストの削減」で53.1%、2位は「新規顧客の獲得と維持」で42.4%、3位は「ビジネスプロセスの改善」で34.3%、4位は「既存顧客との関係性強化」で26.9%、5位は「新規市場(海外含む)への業務拡大」で25.8%と続いた。
今年度と比較すると、「社員の業務効率の改善」を優先事項としてあげている割合が低くなっており、この結果から今年度(2010年度)までに、社内でのコスト削減や業務効率の改善はある程度達成され、来年度(2011年度)からは、「既存顧客との関係性強化」や「新規市場(海外含む)への業務拡大」など、より売上向上に直接的に寄与する体制作りを目指している企業が増えているのだろうと考えられる。
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次に、「今年度(2010年度)、注目したテクノロジーは何か」及び「来年度(2011年度)、注目するテクノロジーは何か」を尋ねた(図3参照)。その結果、今年度(2010年度)の注目のテクノロジーの1位は、「クラウドコンピューティング」で65.3%、2位は46.1%同率で「セキュリティ技術」と「仮想化」であった。
これを従業員規模別にみると、「クラウドコンピューティング」に関しては従業員規模が小さくなるほど注目する割合が高くなる傾向にあった。フリーコメントでも100名以下の中小企業を中心に「自社資産を持たないことで、身軽に動ける体制を構築できる」「クラウドを活用して低コストでITを利用する方法を模索した」などの声が上がっており、中小企業では特にクラウド技術を活用したITコスト削減を検討する割合が高いようだ。一方、「仮想化」に関しては従業員規模が大きくなるほど注目する割合が高くなる傾向にあった。フリーコメントでは1001名以上の中堅や大企業を中心に「システム部門のIT管理時間を削減できた分、社内の業務改善対策にシフトできる」「ハードウェアの維持(運用)費用削減、保守費用の削減のため、仮想化に取り組んでいる」といった声が寄せられている。この背景には、企業規模が大きくなると自社で運用しているサーバ台数も多くなり運用・保守に関わる費用が膨らむという事情がある。
また、来年度(2011年度)の注目のテクノロジーの1位は「クラウドコンピューティング」で69.9%、2位は「モバイルテクノロジー(スマートフォン、タブレット端末など)」で45.4%、3位は「仮想化」で43.1%と続いた。来年度に関しては、1000名以下の中堅・中小企業では「モバイルテクノロジー」に注目する割合が高かった。フリーコメントを見ると「モバイル活用による効率化に取組みたい」「出先からの情報共有など顧客への迅速な対応が求められている」など、業務効率を上げていこうとする企業や、「新しい情報端末を利用した情報の活用方法が新規顧客開拓に結び付くと考えるため」「最新端末などの話題についていかないと、新規顧客獲得は厳しいと思うから」など、新規顧客の獲得を目指している企業がモバイルテクノロジーに注目している。
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【1】IT戦略面での優先事項は「ITコストの削減」、「情報活用の拡大」と続く結果に
【2】ビジネス面での優先事項、来年度(2011年度)は「企業コストの削減」が約5割
【3】来年度注目のテクノロジー、中堅・中小企業で「モバイルテクノロジー」が台頭
【4】今年度と来年度の「IT予算の増減」と「IT投資分野」
【5】クラウドの利用予定サービス、1位は「SaaS」で78.7%、2位「HaaS/IaaS」で49.2%
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