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クラウドはどれだけ有効なのか?

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この先どうなる?が知りたいあなたに すご腕アナリスト市場予測

クラウドはどれだけ有効なのか?

2009/11/19


 昨年来、「クラウド」というキーワードを含むニュースはほぼ毎日のように流れている。その中にはクラウドがパッケージアプリケーションやシステムインテグレーションを代替するとも取れるような主張も少なくない。だが、クラウドはあくまで情報システムを構築/運用する際の選択肢の1つに過ぎない。多くのベンダがそれぞれの「クラウド」を定義し、マーケティングを展開している。そのことがユーザにとってクラウドをわかりにくいものにしているともいえる。そこで本稿ではユーザが抱えている課題を解決する手段として、クラウドはどれだけ有効なのかという観点から、クラウドの現状と今後について解説していくことにする。

クラウドコンピューティング

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アナリストプロフィール

岩上 由高

シニアアナリスト 岩上 由高(Yutaka Iwakami)

株式会社 ノークリサーチ企業サイトへ
アナリストファイル #045

早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは技術面での経験を生かしたリサーチ/コンサル/執筆活動を担当。



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クラウド活用の注意点

 最後にパブリック/プライベート双方に共通する「クラウド活用において気をつけるべき点」について触れておく。

●ビジネス要件定義などの上流工程はなくならない

 クラウドが対象とする範囲はITリソースであるため、従来から行われていたビジネス要件定義についてはクラウドにおいても同様に行う必要がある。むしろ、クラウドによって情報システムの構築/運用手段が1つ増えたことになり、ガバナンスの重要性はさらに増しているといえるだろう。

●機能面での開発そのものは大きく変わらない

 「クラウドを活用することで数年かかる業務システム開発が3ヶ月足らずで完成」といったニュースを目にすることも多い。クラウドが工期短縮に直接的に寄与するのはサーバなどのITリソース調達が不要となる点や、負荷を考慮した綿密なスケーリングを行う必要がなくなるといった非機能要件に関連する事項である。ユーザ個別の業務に即した機能を作り込んでいく過程については、クラウドだからといって劇的に速くなるわけではない。ニュースで取り上げられている事例はクラウド側が元々用意している標準的な画面構成や基本ロジックがユーザ要件に合致しており、コーディングを最小限に抑えられたというケースが多い。これについては「クラウドであるから」ということではなく、ベースとなったフレームワークとユーザの機能要件との親和性の問題であることに注意する必要がある。

●ベンダロックインのリスクを念頭に置いておく

 現時点では「あるクラウドで構築/運用している情報システムを他のクラウドへ移す」といったことや「社内運用とクラウドを行き来する」ことは残念ながらできない。逆にいえば、クラウド活用はある程度ベンダロックインの危険性をはらんでいるということになる。ITリソース管理標準化を推進する業界団体である「DMTF」内のグループである「Open Cloud Standards Incubator」ではクラウドの相互運用性に取り組んでいる。IBM、HP、Sun Microsystems、Cisco、EMC、VMWare、Citrixなどといった主要なベンダが参加しており、異なるクラウド間や社内環境とクラウド間の相互運用性確保に期待がかかる。しかしながら、相互運用性が実現されるまでには少なくとも数年はかかるだろう。そのため、あるクラウドを選択した場合には、ある程度そのクラウドに依存した状態になることをあらかじめ想定しておく必要がある。

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INDEX

【1】ユーザが抱えるITインフラの構築/運用における課題

【2】クラウドとは何か? 〜SaaS、IaaS、PaaSとの関係

【3】クラウドによる課題解決

【4】早期の普及が期待されるプライベートクラウド

【5】プライベートクラウドを実践する際のステップ

【6】クラウド活用の注意点

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