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「シンクライアント」注目の実現方式に迫る

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

「シンクライアント」注目の実現方式に迫る

2010/08/02


 クライアントPCセキュリティ対策や管理コストの低減を実現するものとして注目が集まっている「シンクライアント」ソリューション。キーマンズネットが事前に行ったアンケート調査によると、導入企業はまだそれほど多くはないが、ベンダ各社は“デスクトップ仮想化”というキーワードを前面に打ち出すことで、今後の更なる市場拡大を狙っている。最近ではDaaS(Desktop as a Service)と呼ばれる形態で提供されるサービスや、iPadスマートフォンをシンクライアント端末として利用可能にしたサービスも登場してきた。そこで今回の特集では、シンクライアントシステムの実装方式と導入メリットを簡単に振り返った後、今後の利用がどのように進んでいくのかについて解説する。また「IT製品選び方ガイド」では、シンクライアントシステム導入時の留意点について解説しているので、そちらも併せてご参照いただきたい。

シンクライアント

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シンクライアントを解体しよう!

1-1

シンクライアントとは

 シンクライアントとは、エンドユーザの利用するクライアント端末から演算処理やデータ記録を切り離して別のコンピュータに担当させ、クライアント側では端末操作と操作結果の表示のみを可能にした仕組みのことだ。一般的に、端末にはデータを記録するHDDは搭載されておらず、利用可能な機能も制限されている。この端末自体を、シン(=Thin:薄い、細い)クライアントと呼ぶ場合もある。専用のシンクライアント端末としては、BOX型(別途ディスプレイやキーボードなどが必要)やノートPC型があり、この他、既存PCをシンクライアント端末として利用可能にするUSB型の製品もある。
 このように、“シンクライアント”という言葉が出てきた時には、上記のような仕組み全体を指すのか、あるいは利用端末のことを指すのか注意が必要だ。前者は「シンクライアントソリューション」、後者は「シンクライアント端末」ということになる。本稿では以下、単にシンクライアントと記した場合は、シンクライアントソリューションを指すものとする。
 それではもう少し詳しくシンクライアントの仕組みを見ていこう。システム概要としては、これまでクライアントPC(=ハードウェア)の中に一括りで搭載されていたデスクトップ(OS)、アプリケーション、個別の設定情報(=プロファイル)の各層を切り分け、ポリシーに応じて処理を担当させるハードウェアも使い分けるという形だ。ユーザ端末からの要求はネットワークを介して各マシンに送られ、各々で実行された処理結果やデータが端末に転送されることになる(図1参照)。

図1 シンクライアントの仕組み
図1 シンクライアントの仕組み
資料提供:株式会社日立製作所

コラム:「デスクトップ仮想化」と「シンクライアント」、どう違う?

 最近、至るところで目にするようになった“仮想化”というキーワード。もともとは「サーバ仮想化」が発端で、企業内に乱立するサーバを効率的に統合するための考え方として使われ始めた。ハードウェアの集約を図り、効率的な運用と管理コストの低減を実現するものとして、企業にとって優先順位の高い取り組み課題となっている。
 ベンダ側はこの“仮想化”という言葉に着目、これをデスクトップ環境にも適用し、クライアントPCを整理するためのソリューションとして「デスクトップ仮想化」というコンセプトを謳い始めた。デスクトップ仮想化の主な訴求ポイントは、サーバ仮想化と同様、クライアント環境も集約して一元管理することで、運用の手間とコストを下げることができるというものだ。更には重要なデータをユーザ端末から切り離すことで、情報漏洩対策としても有効となる。
 さて、この「デスクトップ仮想化」、近年シンクライアントを語る上では必ず一緒に出てくるようになった。両者の関係は、一体どうなっているのだろうか。
 端的にいえば、デスクトップ仮想化を実現するソリューションがシンクライアント、ということができる。図1で示したシンクライアントの仕組みも、本来ならデスクトップ仮想化の仕組みといった方が適切だろう。従来のクライアントPCの構成要素は、実態として手元の端末にはない。別のマシンに搭載されたものを、ネットワークを介して“仮想的”に利用する。こうした意味から、主要ベンダがメインメッセージとして打ち出してきているのはシンクライアントではなく、「デスクトップ仮想化」あるいは「クライアント仮想化」だ。
 ここでもう1つ、“シンクライアント”という言葉の捉え方と同様に、大きな注意点がある。シンクライアント環境を実現するために、これから紹介する4つの方式があるが、その中の1つに「仮想PC方式」というものがある。これを「デスクトップ仮想化」と呼ぶ場合があるのだ。仮想PC方式については該当箇所をご覧いただければと思うが、シンクライアント関連の資料や記事を読む場合には、こうした重要な言葉がどう定義されて使われているのかを、十分に見極めることが必要だ。


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INDEX

【1】シンクライアントを解体しよう!

 1-1 シンクライアントとは

 1-2 シンクライアント環境を実現する4つの方式

 1-3 シンクライアントの導入メリット

【2】シンクライアントの最新動向

 2-1 今後の主流になると予想される「仮想PC方式」

 2-2 DaaSの採用はエンドユーザのニーズ次第

 2-3 iPadにスマートフォン!広がる端末の選択肢

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