苦節8年「崖っぷちERP導入」3度目はなぜ成功できた?

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


苦節8年で分かったこと――2度失敗の「崖っぷちERP導入」
3度目はなぜ成功できた?

基幹系システム 2018/06/20

 クラウドインテグレーションを中心に、日本国内はもとより、中国やシンガポールなどでもサービスを展開するなどグローバルに事業を展開するクララオンライン。同社は創業20年を迎えた2017年に業務システムを全面刷新している。クラウド型業務システムやシステム統合、さらにははやりのデータ分析までを実現しているというが、その背景には、2度の失敗、ユーザー部門の不満など、きれいごとでは済まない苦労があったという。3度目で成功した理由はどこにあるのか。本稿では、その軌跡を追った。

(注)本稿は、グローバルでERPシステム導入に実績を持つパシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)による、導入事例セミナー「気になる!? あの会社のシステムデザイン“業務システム構築事例”セミナー Part2」(4月11日)のうち、事例講演「Microsoft Dynamics NAV on Microsoft Azure構築事例〜成功以外にゴールなし、如何にしてERP導入を実現したか〜」の内容元に編集部で再構成した。

苦節8年、2度の失敗

 クララオンラインは「アジアNo.1のインターネットサービスプラットフォームカンパニー」を目指し、東京、名古屋、北京、シンガポール、台北、ソウル、香港を拠点に、クラウドサービス、クラウド運用、インターネットおよびモバイル領域のコンサルティングサービスを提供する企業だ。特に、アジアの国や地域を横断してサービスを提供してきた経験から、各国の通信事情や法規制に明るく、国内ISPのアジア進出に協力するなど、クラウドサービスプロバイダ以外の事業も積極的に展開している。

 ERP導入前の業務システムが抱えていた課題について、登壇したクララオンライン ゼネラルマネージャーの山崎隼人氏は、「購買、販売、会計など各部門で異なるシステムが導入され、二重三重の入力作業によるミスが発生していた。また、月次業務をシステム外の手作業で行う必要があり、非効率だった。この他、データが散在しているため分析するのも一苦労で、内製のプログラム開発にも十分なリソースを割けず、複数システムの運用管理に多大な社内工数を費やしていた」と説明する。

 そこで、これらの課題を解決するため、「データの一元化による経営の見える化」「業務効率化による単純作業の工数削減」という2つを目的に掲げた業務改革プロジェクトを立ち上げた。この2つを実現するものとして基幹業務システムの統合基盤を構築することを考え、ERP導入プロジェクトを立ち上げたという。

「後がない」状況から1年で逆転 勝因は?

 しかし、当初の予想以上にプロジェクトは難航した。2010年のプロジェクト始動から、実際のERPシステム本稼働まで、実に足掛け8年もの長期プロジェクトになった。

 その理由はどこにあるだろうか?

 「まず、2010年から2012年初頭までERP導入プロジェクトを進めました。しかし、その間に2回失敗が続いたところで、いったんプロジェクトは頓挫したのです」(山崎氏)

 現場のヒアリングを重ね、現場の声を重視した結果、ERP機能を実業務に合わせる作業が複雑になるといった状況が発生、ローンチに至らなかったのだ。山崎氏は、この間2回の導入失敗を経験している。

図をご覧いただくには・・・
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、図がご覧いただけます。

会員登録(無料)・ログイン

 ERP導入プロジェクトがとん挫した後、2012年から2015年にかけては、既存の基幹業務システムをベースに、継続的な改修を内製化して「業務のシステム化」を推進しながら、将来に向けたデータ整備をある程度進めた。

 この取り組みが功を奏したことから、2016年初頭、改めてERP導入プロジェクトを再始動した。「2度の失敗を経験しているので、後がない状況」で始まったプロジェクトだったが、約1年の導入期間を経て本稼働までこぎつけたという。

 それでは、導入成功はデータ整備のたまものなのだろうか? もちろん、データ統合しやすい環境が整ったことはよい影響を与えたと考えられるが、3度目の導入プロジェクトが成功した要因はそれだけではないようだ。

…この記事の続きは、会員限定です。  会員登録はこちら(無料)

続きを読むには…
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、続きが読めます。

会員登録(無料)・ログイン

このページの先頭へ
関連キーワード

ERP/苦節8年「崖っぷちERP導入」3度目はなぜ成功できた?」関連の情報を、チョイスしてお届けします

※キーマンズネット内の「ERP」関連情報をランダムに表示しています。

ERP」関連の製品

Infor SyteLine 【日立システムズ】 中小企業でもグローバル経営を容易に、ナミックスに学ぶERPパッケージ活用術 【SAPジャパン】 グローバルで成功する企業は、勝つためにまず何を変えたか 【JFEシステムズ】
ERP ERP ERP
世界中の組立型製造業のノウハウが蓄積された統合型基幹業務パッケージ。グローバルで標準化された同一システムを全世界の拠点で導入可能。4〜5カ月での短期導入を実現。 中小企業でもグローバル経営を容易に、ナミックスに学ぶERPパッケージ活用術 グローバル企業では、時に全社の経営判断に時間を要する。本稿では約20カ月で世界8拠点を改革した日本の某メーカーの実例を基に、全社収益情報基盤の刷新方法を紹介する。

ERP」関連の特集


IT担当者375人を対象に「人事管理システムの導入状況」を調査!導入状況・重視ポイント・満足度・導入…



システム同士をつなぐツール「EAI」を理解するには、ハブ&スポーク、メッセージブローカーなどの働きの…



イノベーションを起こし続けるには? 全くの新製品を市場投入する挑戦を支える思想・企業風土を、リーダー…


ERP」関連のセミナー

ExcelやAccessを本格DBにUPするdbSheetClientプレゼンセミナー 【ニューコム】  

開催日 11月15日(木)   開催地 宮城県   参加費 無料

多くの企業を回り、気づかされることは、ERPや業務パッケージソフトでは、現場の要求を対応し切れないために、現場では、ExcelやAccessを活用してそれらを…

ERPパッケージ「Project-Space」体験セミナー 【主催:内田洋行/共催:NTTデータエンジニアリングシステムズ】  

開催日 1月18日(金)   開催地 東京都   参加費 無料

本セミナーでは、個別原価計算機能をはじめとした業界特有のさまざまな機能を標準搭載したERPテンプレート「Project-Space」をご紹介いたします。30年以…

内田洋行ITフェア2018(大阪) 【内田洋行】  

開催日 11月6日(火)   開催地 大阪府   参加費 無料

2年後の2020TOKYOを前にインバウンド需要が拡大し、女性・高齢者や外国人の労働参加も進展したことから経済環境は好転しつつあります。しかしながら、その背後で…

「基幹系システム」関連 製品レポート一覧

このページの先頭へ

ERP/ 苦節8年「崖っぷちERP導入」3度目はなぜ成功できた?」の記事を一部ご紹介しました。
会員登録を行い、ログインすると、「ERP/ 苦節8年「崖っぷちERP導入」3度目はなぜ成功できた?」の記事の続きがお読みいただけます。


Myリストへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。


30010098


IT・IT製品TOP > 基幹系システム > ERP > ERPのIT特集 > 特集詳細

このページの先頭へ

キーマンズネットとは

ページトップへ