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部長が足かせになる、働き方改革

情報共有システム・コミュニケーションツール 2017/11/17

 「お隣の企業は働き方改革をしているのか」「どんな取り組みが効果的なのか」「実際のところ成功しているのだろうか」。働き方改革の重要性が叫ばれる昨今、こうした疑問を抱く企業も多いのではないだろうか。

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日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 HCM クラウド事業部部長を務めるキム ハンシン氏

 日本オラクルは11月1日、「企業の管理職を対象にした働き方改革とデジタル活用に関する調査結果」を発表。働き方改革の実態として、ビジネスの成長を意識した取り組みと、デジタルの活用が不十分であるということが分かったとしている。

 今回の調査は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科岩本研究室の協力を受け、2017年10月に、国内企業で働く部長職以上の管理職412人を対象に実施したもの。調査項目は「働き方改革への取り組み状況と効果」「生産性に関する意識」「ICT活用の状況」の3つとした。

 11月1日に開催された記者発表会では、同社 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 HCM クラウド事業部部長を務めるキム ハンシン氏が調査結果に関するコメントを発表した。

全体の82%が取り組みを行う 気になる効果は?

 企業における働き方改革の状況はどうなっているのだろうか。調査の結果によれば、調査の対象となった企業のうち、82%が何らかの形で働き方改革に関する施策を行っているという結果が出た。また、その目的としては「生産性の向上」が48.7%を占め、労働人口が減っていくと予測される中、企業が従業員一人一人の生産性を向上させることを重視していると分かるとキム氏は話す。

図1 働き方改革への取り組み状況

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図1 働き方改革への取り組み状況

 取り組みは成功しているのだろうか。実際に、働き方改革に取り組む企業のうち、実際に効果があったと回答しているのは全体の49%。約半数は働き方改革の効果を感じていることが分かった。しかしその内訳を見ると、45%は「やや効果あり」と答えていて、「効果あり」と回答する企業は4%にとどまっている。

 具体的に成功している取り組みとして回答の上位に挙がったのは「残業時間の削減」(57.8%)と「有給休暇の消化促進」(38.7%)。社員の働く環境改善に関する項目が並び、生産性向上によるビジネス成長を直接的に示唆する回答は少ないと同社は考察する。

図2 働き方改革への取り組みと効果

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図2 働き方改革への取り組みと効果

 こうした結果を踏まえて、キム氏は「現状の働き方改革では、生産性向上による企業の成長という視点よりも、労働時間の削減、といった後ろ向きな考え方に基づく施策が目立つ」と語った。

制度の改変や、上層部の当事者意識の無さに問題

 効果が出ていない取り組みとしては「人事評価指標・方法の変更」(25.5%)と「柔軟な勤務制度の導入」(22.9%)といった制度に関する項目だ。キム氏によれば、この結果は、新たな制度の導入が進んでいないということを意味するだけではなく、たとえ制度が導入されていたとしても、社員の実態とギャップが生じていることを示唆するという。

 「例えば、長時間労働を是正する制度を導入したとしても、実態としては社員がPCを家に持ち帰ってサービス残業をしているという例もある」(キム氏)

 加えて、効果が出ていない取り組みの3位には、「残業時間の削減」(19.9%)が挙がった。その原因としては「実際の業務量を減らすための取り組みを行っていないにもかかわらず、労働時間だけを削減するというのは結果的に無理が生じていると感じている人が多いため」と説明する。

図3 働き方改革においてうまくいっていない取り組み

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図3 働き方改革においてうまくいっていない取り組み

 また、「企業の働き方改革を阻害する要因」に関する設問では「社風・文化へのフィット」(33.8%)、「一般社員のコミットメント」(20.9%)「管理職の強いコミットメント」(18.5%)「経営者の強い推進力」(18.2%)などの不足が挙がった。キム氏は、「管理職のこのような回答を見ると、働き方改革に対する管理職のコミットが足りないと自覚している一方で、社風や文化、他人へ責任の転嫁をしているようにも見える。当事者意識が足りないのではないか」と厳しい見解を述べた。

図5 働き方改革を阻害する要因

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図5 働き方改革を阻害する要因

「RPA、AIは何かしてくれるに違いない」 しかしICTの積極的な活用は8%

 同調査では、働き方改革における企業のICT活用状況も調査項目に挙がっている。結果として、ICT活用をしている企業は全体の半数以下である44%という結果が出た。また、積極的に活用していると回答した企業はさらに少数となり全体の8%だった。

 また、活用していると回答した企業が具体的に活用しているデジタルツールとしては、「経理・財務システム」(40.4%)、「グループウェア」(33.2%)、「ビデオ会議システム」(31.1%)などの項目が挙がった。

 「こうしたツールの活用は、働き方改革が叫ばれる以前から企業に浸透しており、変化が見られない。また、社内SNSやタレントマネジメントシステムをはじめとするHRテクノロジーなど、生産性の向上に貢献するようなツールの活用度が低いことも分かり、従業員の間の橋渡しをすることによって、イノベーションを起こすようなICTへの投資が不足している」とキム氏は話す。

図6 企業のICT活用状況

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図6 企業のICT活用状況

 しかし、企業のICTに対する期待度は高く、「AIやRPA、IoT、ビッグデータなど最新のテクノロジーが生産性向上に寄与する」と考える企業は全体の76%に上った。「実現が不可能だと思われていた課題に対して、テクノロジーが解決してくれるだろうという期待は大きいようだ」とキム氏は語った。

図7 企業の最新テクノロジーに対する期待度

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図7 企業の最新テクノロジーに対する期待度

効率化だけを追い求めるのではなく、成長するためのイノベーションを

 こうした結果を受けキム氏は、「企業が、生産性向上を重要だと自覚している一方で、実際に働き方改革の蓋を開けてみれば、効率化を促進する施策に投資が集中しており、生産性向上による企業の成長を促すような投資ができていない」と指摘。

 企業の競争力を高めるためには、日々の業務効率化だけでなく、企業の成長にアプローチする改革が必要だと強調し、後者へのアプロ―チとして、タレントマネジメントなどを通じ、従業員一人一人が付加価値を生むような仕事に人材を配置することが重要だと締め括った。

                                 (溝田萌里)

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