会計システムがモバイル活用できない!KDDIの選択は?

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既存会計システムがモバイル活用できない!
社員1万1000人が完全移行、KDDIが経費精算にコンカーを選んだ理由

基幹系システム 2017/12/13

 社員数1万1000人を抱え日本を代表する通信企業、KDDIが、全社員の経費精算システムをリプレースした。新規導入されたのはクラウドサービスの「Concur Expense」。自らがクラウド事業や開発事業も手掛ける同社が外部のクラウドサービス導入に踏み切った理由とは。プロジェクトをけん引した財務・経理部門を取材した。

既存会計システムで解決できない課題が山積みに

 「当社は数年前までは急増していた通信ニーズに応えるための投資を優先してきましたが、この数年でモバイル通信も成熟期に入り、やっとコスト削減や業務効率化を含むバックヤード業務の改善に向き合えるようになってきました」とKDDI 財務・経理部長の西田圭一氏は話す。

 同社の会計システムはスクラッチで10年以上前に独自開発されたもの。拡大する事業を堅牢に支えてきたが、近年のモバイルデバイス普及やグローバル事業の拡大に伴い、機能やUI面で時代にそぐわない部分も目立つようになっていた。ここが1つ目の課題だった。

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KDDI 財務・経理部長 西田圭一氏


 さらに、現場業務のどこに問題があるのかを見極めるために、100人の財務・経理部員一人一人が業務プロセスの書き起こしを始めた。2015年から約1年をかけ、徹底的な見える化を行った結果、業務の重複や無駄、非効率性がいくつも明らかになってきた。

 「会社のAs-Is(現状とその課題)が見えてきました。例えばシステムが複雑化していてリアルタイムに経営状況分析ができない。古い業務プロセスを前提にしているために複雑化が進むばかり。変化する取引に対応する会計処理にもスムーズに対応できないといった状況がありました」(西田氏)

To-Beモデルを目指す業務変革プロジェクトがスタート

 2015年下期からTo-Beモデル(あるべき将来の姿)を考える業務変革プロジェクトが始まった。財務・経理部門が中心となり、企業合併を繰り返しながら「部分最適」に組み立てられた業務プロセスを「全体最適」にもっていくための課題解決の途を探ることになった。西田氏は外部セミナーや先行企業とのネットワーキングに足しげく通い、業務プロセスの抜本改革の方向を探った。

 西田氏は業務プロセス改革のためには、ERP(基幹業務システム)を活用した業務標準化が有力であることは分かっていた。しかし単純に「ERPの機能に合わせて業務を変える」手法ではとても実現できないことも明らかだったという。

 「経理関係でいえば、例えば業務のモバイル対応や外貨対応、UIの最適化などの課題に加え、企業統合によって膨大かつ複雑化したルールの合理化が大きな課題でした。ルールや情報システムの全貌を知っている者は誰もいない状況だったのです」(西田氏)

 また、経費精算においても社内規定では細かく定められている。例えば海外や国内出張における宿泊費の上限や、立替精算の金額による稟議決済の要否などだ。申請する側も承認する側も、これらの規定全てを記憶している訳ではないため、都度規定を確認するなどの時間を要する。

 「営業担当者が外出先から帰社後、各経費をさかのぼってPCから入力、申請し、1週間後に上長から承認を得るというような業務フローになっていました。時には時間が限られるスタッフのために派遣社員に、経費精算の代理入力をお願いするようなケースも見られました。自分の業務を自分で完結できるスタイルに変えたい、と思いました」(西田氏)

複雑化したルールをスピーディーにシステム化することを決断

 しかしルールの簡素化はガバナンス低下を招きかねないという側面もある。また十余年にわたり続けてきた経費精算の業務プロセスを急に変えることには現場の反発も大きい。仕組みそのものを変えるには入念な準備と時間を要するのが実情だ。ルール改変は他部署と調整も必要だったため、立ちふさがる社内の壁は高かった。

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