なぜ今までのツールは運用管理の課題を解消できなかったか

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なぜ今までのツールは運用管理の課題を解消できなかったか

運用管理 2017/08/14

 日本IBMは2017年8月1日、「IBM Cloud Application Performance Management」の提供を開始した。オンプレミス向けのライセンス販売の他、月額課金制のSaaS版も提供する。IBM Cloud Application Performance Managementは「IBM Tivoli」を源流に持つシステム運用管理ツールだ。しかし、「このツールは“あのTivoli”ではない」と、IBM クラウド事業本部 クラウド・ソフトウェア事業部 製品統括部長 澤崇氏は強調する。    

 「IBMのサービスマネジメント製品は変わったということを伝えたい」――製品発表を含む、直近の製品戦略に関する記者説明会の冒頭で澤氏が語った言葉だ。    

 1996年、IBMはTivoliを買収、その後も時々に応じて企業買収などを通じてシステム運用管理のポートフォリオを拡充してきた。とはいえ、TivoliにはレガシーなUIデザインや高価なライセンス費など、ネガティブなイメージを持つ方も少なくないだろう。澤氏はIBMシステム運用管理ソリューションを一新し、「使いやすく分かりやすく、購入しやすいソリューションに変化させている」という。昔のTivoliユーザーには思いもよらない話だろう。
 
 「われわれはもちろん、国内で多くのユーザーを抱えるITソリューションベンダーも、運用管理ツールを提供してきたにもかかわらず、IDCの調査を見ると、いまだにシステム運用管理の課題は大きな変化がない状況。これは反省すべき問題」(澤氏)

ツールUIもスマートで目的指向に

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ツールUIもスマートで目的指向に
IBM クラウド事業本部 クラウド・ソフトウェア事業部 製品統括部長 澤崇氏が進級のUIを投影しながら、変化を説明。左が昔のTivoli製品のUI、右がIBM Cloud Application Performance Managementなどの現在のITサービス・マネジメント製品群のUIだ。ログの表示、システム構成の視覚化、アラートのわかりやすさなど、目的の情報を分かりやすく示すことに注力しているのが分かる

 IBMが考えるハイブリッドクラウドの運用管理では、オンプレミスの「トラディショナルなシステム」の運用とクラウドネイティブなシステムの運用とで分けて、それぞれに提案するとしているが、そのいずれもが「運用高度化」を目指した実装だ。    

 澤氏は「Tivoliを含む運用管理ソリューションの多くは各層でそれぞれ個別の情報を監視しようとする発想が強かった」と過去を反省、運用管理ツールの目的である「運用高度化を目指した自動化や可視化」に注力していることを示し、「情報の流れ」を軸に、目的指向でデータを自動処理したり、各ツールを連携したりして、人の判断までの工程を効率化しようとしていることを説明した。

モニタリングデータから可視化すべき情報の選別までを自動化

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モニタリングデータから可視化すべき情報の選別までを自動化

 この思想を元に、同社のオンプレミス環境向けの運用管理ツールのポートフォリオを見ていくと、アプリケーションモニタリングでは(1)「IBM Cloud Application Performance Management(APM)」を使い、一定の閾値を超えたデータを(2)異常挙動解析「IBM Operations Analytics Predictive Insights」に渡す。異常値の情報はさらに、(3)「Netcool Operations Insight」に伝達。Netcool Operations Insightでは、イベントパターンを考慮した自動制御やレポートを行う、というように、「情報の流れ」を作ることができていることが分かる。

オンプレミスの運用高度化

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オンプレミスの運用高度化

製品の組み合わせで情報の流れを最適化する

 この「流れ」を構成するツールのうち、(1)IBM Cloud Application Performance Managementは8月1日に提供を開始したもので、アプリケーションパフォーマンス管理ツールに位置付けられる。従来も類似製品は存在したが、「ステートレスな管理ができるようになった」点が特徴だという。ステートレスな管理の利点は、システムが状態データを保持しないため、スケールさせやすく、モダンなWebアプリケーションとも親和性が高いことにある。最近のRESTfulなAPIを持つツール類の多くはステートレスだ。  

 「古くからあるAPMツールは現代的ではないアーキテクチャで実装されていて扱いにくいことが多く、一方で、新興のAPMベンダーは、アプリケーションパフォーマンスのボトルネック分析を得意とする製品が多い。しかし、そこだけが強くても不十分。エンドツーエンドのカバレッジができる点がわれわれの強みだ」(澤氏)    

 これより前、2017年5月に提供を開始したのが(2)IBM Operations Analytics Predictive Insightsだ。この製品は、時系列データ解析や単変量解析、多変量解析、離散値解析などのモデルをプリセットした、ログなどのデータ分析ツールだ。時系列データの自動学習機能があるため、接続すると「平常時」の挙動を学習するので自動的に異常値を検出できるようになる。    

 同6月に提供を開始したのが、イベントパターンを使った自動制御機能を提供する(3)Netcool Operations Insightだ。単体でイベントパターンを基に運用自動化を実現するだけでなく、長期的なイベントログをビッグデータ処理基盤である「Big Insight」などに格納し、分析時に連携すれば、定期的な停電やメンテナンスで出現するアラートなどの、季節性のあるデータも自動でグルーピングできるようになる。こうした仕組みを使うことで、発生するイベントの中から効率よくノイズを低減でき、管理の効率を高められる。この他、仮想ネットワークの構成などを動的に収集する機能も持つという。

クラウドネイティブな環境も一元管理に向けて強化

 既存環境の運用自動化や高度化については理解できたが、クラウドネイティブな環境についてはどうか。  

 例えば、Netcool Operations Insightの拡張機能コンポーネント「Agile Service Manager」では、クラウド環境で用いられるNFVやSDN、アプリケーションコンテナの状況などの、動的に変化する情報も、同じツールで統合管理できるという。この他、DevOpsを実現するために、イベントを自動分析、自動的な絞り込みや優先順位付けを行ったり、自動処理をしたり、あるいはチャットツールを介してチームに情報を伝達する機能を持つ「IBM Cloud Event Management」の“開発意向”も表明している状況だ。こちらも、「情報の流れ」を軸に統合環境として提供される。  

 そして、オンプレミス、クラウドのいずれの情報もITサービスデスクシステムである「IBM Control Desk」で、対象環境を意識せずに透過的に一元管理できるようになるというのが、生まれ変わったTivoli改めIBM ITサービスマネジメントツールの全体像になるのだという。

クラウドネイティブな環境のイベントも全て網羅するITサービスデスクシステム「IBM Control Desk」

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