「WannaCry」で振り返る、適切なランサムウェア対策とは?

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「WannaCry」で振り返る、適切なランサムウェア対策とは?

2017/06/20


 2017年5月に発生したランサムウェア「WannaCry」は、世界的に大きな被害をもたらした。このマルウェアには、過去のランサムウェアにない特徴があった。それは、ユーザーが何もしなくても勝手に感染を広げていくというワームに似た挙動だ。あらためてランサムウェア対策を考えてみよう。

ランサムウェア

WannaCryが襲ってきた

 2017年3月15日、マイクロソフトはWindowsに存在していた脆弱(ぜいじゃく)性を修正するパッチ「MS17-010」を公開した。これは、Windows製品のファイル共有を行うSMB v1サーバに関する修正だ。  

 2017年5月12日ごろ、SMB v1の脆弱性を攻撃し、ファイルを暗号化するランサムウェアが登場した。多くのシステムを脅かした攻撃は、後に「WannaCry」(WCry、WannaCryptなどとも)と呼ばれることとなった。セキュリティベンダーやマイクロソフト、IT系のニュースサイトだけでなく、テレビニュースなどで大々的に報道されるほどのインパクトだ。

図1 日本におけるWannaCryの攻撃数時間別推移
図1 日本におけるWannaCryの攻撃数時間別推移
トレンドマイクロセキュリティブログより
資料提供:トレンドマイクロ

 日本企業では、日立製作所などで被害が発生したことが報告されている。実際の被害はデジタルサイネージ端末や情報表示端末など、基幹システムとは遠い個別の端末での感染にとどまっていたようだ。しかし、安心できる話ではない。海外に目を向けてみると英国の国民保健サービス(NHS)では、WannaCryにより診察や手術が行えない事態に追い込まれている。  

 結果だけをみれば、日本においてWannaCryは話題にこそなったものの、被害はそれほど大きくなかった。しかし、このランサムウェアによる感染手法を知り、対策を講じることは、必ず「次」につながるだろう。今回は、WannaCryから得られた教訓を基に、企業の担当者が学ぶべきポイントを紹介しよう。


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特定環境で爆発的に拡がったWannaCry、感染の手口

 WannaCryの特徴的な感染手法を学ぶ前に、ランサムウェアを含むマルウェアの一般的な感染方法を復習しよう。  

 多くのマルウェアは、プログラムに残っている脆弱性を突いてくる。ただし、その攻撃が成功するためには、利用者のアクションが必要だ。例えば、メールに添付されたファイルを開かせたり、Webサイトに埋め込んだファイルをダウンロードさせたりといったアクションだ。  

 いずれにしても、ユーザーがクリックすることが契機となる。そのため、攻撃者は「いかにしてユーザーにクリックを誘発させるのか」を試行錯誤している。通常業務で普段目にしているような文面のメールを送りつけたり、いつもアクセスしているWebサイトと寸分たがわぬ出来栄えの偽サイトへ誘導したりするわけだ。  

 しかし、WannaCryは違った。穴が開いたままのSMB v1サーバに特定のパケットを送りこむだけで攻撃が成功したのだ。そこにユーザーは不要だ。WannaCryの大きな特徴は、自己増殖する「ワーム」のような手法で感染を広げていくことだ。

図2 「WannaCry」の活動概念図
図2 「WannaCry」の活動概念図
トレンドマイクロセキュリティブログより
資料提供:トレンドマイクロ

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