移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加

流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」

2017/06/21


 最新キーワードを5分で理解するこのコーナー、今回のテーマは、移動体の移動状況や履歴を把握し、さまざまな用途に活用するためのオープンな地理空間情報記述とアクセス方法を定める国際標準仕様「OGC Moving Features」です。災害対応のための人や自動車の移動状況把握からサッカー選手の動きの軌跡分析までを想定したこの標準、これからのビジネスや社会にどんなインパクトをもたらすでしょうか?

OGC Moving Features

※「OGC Moving Features/移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」」の記事を一部ご紹介します。会員登録を行い、 ログインすると、「OGC Moving Features/移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」」の記事全文がお読みいただけます。

会員登録はこちら(無料)



1

「OGC Moving Features」って何?

 地図に各種の情報を重ね合わせて状況を分かりやすくするGIS(Geographic Information System/地理情報システム:「関連するキーワード」の項参照)はカーナビや気象予報などの身近なところに利用されている。近年は地理情報データベースと測位技術の充実により、災害対応・防災目的に導入が進んでいるが、人・自動車・航空機・船舶など移動体の状況を、1つの地理情報システムに取り込むことはとても大変な作業だ。なぜなら、GPSや無線LAN測位、カメラ測位などの技術から得られる情報は、各サービス業者が独自に保有しているだけでなく、GISもオープンソースによるシステムばかりでなく各種の商用パッケージが使われており、そう簡単にデータ交換ができないためだ。
 しかし特に災害対応、防災目的では時間が勝負。速やかに、APIなどにより各種システムを連携させる必要があるが、そのためには各種の位置情報とGISをまたいで利用できる標準データ形式が必要になる。そんな地理空間データと活用の仕組みの標準化を推進しているのが国際標準化団体OGC(Open Geospatial Consortium)である。そのOGCが、既存の標準に加えて新しく追加した、移動体の移動履歴に関する地理空間データ交換形式とアクセス方法が「OGC Moving Features」と呼ばれるものだ。この仕様が普及し、位置情報サービス業者とGIS業者が準拠すれば、両者のシステムのデータ利用の壁をなくし、広くオープンな情報共有やシステム間のリアルタイム連携を即座に実現することが見込める(図1)。

図1 さまざまな情報源からの移動体の情報を統合して扱える標準的な方法が「OGC Moving Features」
図1 さまざまな情報源からの移動体の情報を統合して扱える標準的な方法が「OGC Moving Features」
資料提供:日立製作所
1-1

「OGC Moving Features」は何のための標準か

 OGCは地理空間情報分野で世界520以上の企業・政府機関・大学・自治体などが参加し、国際的に最も影響力があるとされる団体。これまでにISO規格のベースとなったいくつかの標準を策定(「関連するキーワード」の項参照)しており、その標準規格を利用した地図情報サービスは、例えば日本の行政機関による災害対応・防災に生かされていたり、Google MapなどのWebサービスの基礎となっていたりと、応用例は多岐にわたっている。

 しかしこれまでのOGC標準では、特定の時間に移動体がどこにあるか(あったか)の情報を記録して検索・分析できるようになってはいたが、移動体の移動状況を把握するための移動履歴(軌跡)を迅速に理解できるデータ形式ではなかった。例えば「被災地に向かっている救急車や救援物資輸送トラックがいつ経路上の特定地点を通過したのか」のように、救援活動に肝心な情報をリアルタイムに活用することができなかったのだ。

 この弱点に危機感を抱いたのが、1997年からOGCに参画していた日立製作所の研究チームだ。きっかけは2011年の東日本大震災。あの大災害の時、もし避難経路となる道路状況や、人および自動車の移動状況がリアルタイムに分かっていれば、もっと効果的な避難ができたかもしれない。またその後の避難生活においても人や自動車などの移動状況、凝集・混雑状況、到着の予想時間などが分かれば、合理的な物資輸送ができていたに違いない。

 そう考えた同社は、OGC内に移動体に関する移動履歴の記述とデータアクセスの標準仕様を策定するワーキンググループの設立を提案し、2013年3月に設立されたMoving Features Standards Working Groupにおいて、仕様策定活動を開始した。当初念頭にあったのは人の移動軌跡と津波シミュレーションデータによる防災情報システムの実現だったようだが、議論はもっと汎用的な仕様の策定に向かった。

 その議論は、この種の国際標準としては珍しく早期に結実した。議論開始から約2年後の2015年2月にデータ記述形式(OGC Moving Features Encoding)が標準に採択され、それから約2年後の2017年3月にデータアクセスのための方法(OGC Moving Features Access)が正式に標準としてリリースされる運びとなった(OGCへの提案は、同社と東京大学、産業技術総合研究所(産総研)が共同で行っている)。

…この記事の続きは、会員限定です。  会員登録はこちら(無料)

続きを読むには…
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、続きが読めます。

会員登録(無料)・ログイン

キーマンズポイントで今応募できるプレゼントはこちら!(2018/12/31まで)

ITキャパチャージに解答いただくとポイントがたまります。
たまったポイント数に応じて、以下、A〜D賞の各賞品に応募することができます。

●A賞:抽選で1名様
 アイロボット ロボット掃除機 「ルンバ890」 
●B賞:抽選で1名様
 Huawei SIMフリースマートフォン 「P20 lite ミッドナイトブラック」 
●C賞:抽選で1名様
 BALMUDA 電気ケトル 「BALMUDA The Pot K02A-BK」 
●D賞:抽選で5名様
 Amazon 使える商品は1億種以上「Amazonギフト券 5000円分」 

このページの先頭へ
関連キーワード

OGC Moving Features/移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」」関連の情報を、チョイスしてお届けします

※キーマンズネット内の「OGC Moving Features」関連情報をランダムに表示しています。

「その他データ分析関連」関連の製品

「機械学習」入門:4つのアルゴリズムと導入のポイントを基礎から解説 【SAS Institute Japan】 大規模組合せ最適化ソルバー LocalSolver 【MSI】 AIが導く“個客”に向けた顧客体験の新・成功方程式 【日本オラクル】
その他データ分析関連 その他データ分析関連 その他データ分析関連
「機械学習」入門:4つのアルゴリズムと導入のポイントを基礎から解説 メタヒューリステイック・アプローチによって、大規模組み合わせ最適化問題に対して高品質な解を短時間で導き出す、本格的オールインワン数理計画汎用ソルバー。 AIが導く“個客”に向けた顧客体験の新・成功方程式

「その他データ分析関連」関連の特集


耐震安全性向上と被災家屋の復旧早期化を目的とする「知能住宅」が登場!産官学連携による建築物に対するI…



多様な機器や資材の移動を、組み立て加工の工場のように細かく把握して精緻に分析、「最適化するために必要…



求めていた人材は、実は隣の部署にいた。情報連携のない従来型の人材調達ではよくあることだ。人材不足の今…


「その他データ分析関連」関連のセミナー

AI案件の落とし穴と人材育成 【トレノケート】  

開催日 11月9日(金)   開催地 大阪府   参加費 無料

今日、AI(人工知能)を利活用してビジネスの変革に取り組んでいる企業が増えてきました。富士キメラ総研の調査結果によるとAIビジネスの国内市場は、2030年度に2…

IoT x AI ー企業が持つデータの有効な使い方ー 【ユニアデックス/グローバルウォーカーズ】 締切間近 

開催日 10月25日(木)   開催地 東京都   参加費 無料

社内プロセスや顧客に関係して発生する大量のデータを、ビジネスシーンにおいて、いかにしてIoTやAIに生かせるのかといったことから、実際の画像xAI開発のシーンに…

「データ分析」関連 製品レポート一覧

このページの先頭へ

OGC Moving Features/ 移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」」の記事を一部ご紹介しました。
会員登録を行い、ログインすると、「OGC Moving Features/ 移動体の位置情報の活用標準「OGC Moving Features」」の記事の続きがお読みいただけます。


Myリストへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。


ページ: 1 | 2 | 3


30009573


IT・IT製品TOP > データ分析 > その他データ分析関連 > その他データ分析関連のIT特集 > 特集詳細

このページの先頭へ

キーマンズネットとは

ページトップへ