パーソナルデータの流通を自分で制御「PPM搭載電子レシート」

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

パーソナルデータの流通を自分で制御「PPM搭載電子レシート」

2017/05/24


 最新キーワードを5分で理解するこのコーナー、今回のテーマは「PPM搭載電子レシート」です。PPM(Privacy Policy Manager)は、個人がパーソナルデータを外部のサービス提供者などにどこまで開示するかを制御できる仕組み。買い物の際にレシートをスマホで受け取る電子レシートシステムと組み合わせる実証実験が行われました。利便性とプライバシー保護の問題解決に向けた、技術面からのチャレンジです。「情報銀行」といったプライベートデータ利活用構想にも関連するこの実験はどんな意義を持つのでしょうか?

PPM搭載電子レシート

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「PPM搭載電子レシート」とは

 パーソナルデータを自己管理・制御できる仕組み(PPM)を備えた電子レシートシステム。経済産業省(経産省)が推し進めるデータ流通構造のオープン化に関連した事業の1つで、東芝テックが受託しKDDI総合研究所がPPMを提供する。福岡市の株式会社トライアルカンパニー協力のもと、スーパーマーケット店舗でこの3月1日から12日にかけて実証実験が行われた。個人情報保護機能を搭載した電子レシートシステムの実証実験は世界初のことだ。

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「電子レシート」って何?

 電子レシートは、文字通り電子化されたレシート(領収証)のこと。東芝テックが提供している「スマートレシート」の場合は、消費者がスマホに対応アプリを導入、小売店での支払いの際にアプリが表示するバーコードを提示、店員がPOS端末で読み取ると、スマホに電子レシートが送信される仕組みになっている。

図1 電子レシートシステムのスマホ側アプリの画面例
図1 電子レシートシステムのスマホ側アプリの画面例
資料提供:東芝テック/KDDI総合研究所

 消費者にとってレシートは必要なものではあるが紙で財布が膨らむのを嫌う向きがあり、スマートレシート利用経験者の9割以上が継続利用を望む(東芝テックによる)という。レシートを紛失することがなく、アプリ機能により購入履歴参照や費目の自動振分なども可能で、しかもアプリに表示される広告や情報から簡単にキャンペーンやクーポンなどにアクセスできるという利便性が評価されているようだ。  

 一方、電子レシートをサービスとして提供するのは小売店本部などの企業である。企業の狙いは、消費者が持つモバイルデバイスに自社アプリを入れてもらい、常に自社との接点を身近に持ってもらうことだ。サービス契約時に居住地域・年齢・職業・性別その他の情報を企業側に提供してもらい、その情報をOne to Oneの広告や情報提供やCRMに役立てる。それがうまくできれば売上につながり、顧客満足度向上、固定客化やファン化につながるのだ。特に実店舗への集客を図るO2Oマーケティング(「関連するキーワード」の項参照)では、店頭で使われる電子レシートシステムは有効な手段と考えられる。

■「PPM搭載電子レシート」が注目される理由は?

 このような、ユーザーのプライベートデータを集める代わりに便利なサービスを提供するのはよくある手法。しかしこれには「どこまでのプライベートデータが渡るのか」「いったん企業側に渡したデータはどのように流通し、何に使われるのか」「そこにプライバシー侵害のリスクはないのか」という疑問や不安がつきまとう。実際にはアプリやサービスの利用契約時に、どのような情報を収集し、何に使うのかが「利用規約」の形でサービスなどの利用開始前に確認できるようにはなっている。しかし、現実的には細かくて長い文章を読まなければならず、大抵は飛ばし読みか、全く読まずに契約している場合が多いだろう。つまり業者が欲しがるプライベートデータを全部渡すか、渡さずにアプリやサービスを使わないかの選択しかない。またいったん渡したデータがどのように使われているかを自分で確認・検証する機会は、事実上ないと言っていい。利用停止時のデータ削除についても同様だ。
 そこでプライベートデータの提供範囲をユーザー自身が決め、その範囲に応じたサービスが利用できるようになるだけでなく、データへのアクセス履歴も確認できるようにしたのが「PPM」の発想だ。

■「PPM搭載電子レシート」の仕組みは?

 PPMはKDDI総合研究所が数年前から開発している技術で、すでに2014年の経産省による「大規模HEMS情報基盤整備事業」の実証プロジェクトの一部および総務省による「スマートシティ実証プロジェクト」の一部として、プライバシーに配慮したIoTデータの利活用プラットフォームの研究に用いられている。
 この技術を電子レシートに応用したのが、今回の「PPM搭載電子レシート」だ。そのイメージを図2に示す。

図2 「PPM搭載電子レシート」の機能イメージ
図2 「PPM搭載電子レシート」の機能イメージ
資料提供:KDDI総合研究所

 PPMはサービス提供業者と利用者の間に入り、業者が求めるプライベートデータを利用者に分かりやすく提示して、求められるデータは何なのか、そのデータはどのように流通し、何に使われるのか、さらにそれを業者に渡す代償にどんなサービスが得られるのかを理解した上で、プライベートデータのうちどこまでを、どの業者に開示するかを、利用者自身の判断で決められるようにするものだ。

■【ポイント1】利用規約を分かりやすくできる

 利用規約の理解と同意に関する問題では、従来のように文章の羅列ではなく、項目ごとに取得データと使用目的を表形式などで分かりやすく表現し、情報を開示することでどのようなサービスが利用できるのかがすぐ理解できるよう、各サービス共通のインタフェースを作成し、PPMが各サービスに変わってユーザーの同意取得を行うことが考えられている(図3)。

図3 開示データとその利用目的の説明を分かりやすくする工夫の例
図3 開示データとその利用目的の説明を分かりやすくする工夫の例
資料提供:KDDI総合研究所
■【特長2】提供するプライベートデータの範囲をユーザー自身が選択・管理できる

 さらに開示するデータをそのまま提供するのか、ある程度までのマスク処理を行うのか選ぶことができる。例えば住所なら、番地や建物号室まで全部含むのではなく、市町村まで、県単位まで、と開示するレベルを設定できるのだ。電話も市外局番のみ、郵便番号も何桁まで、メールアドレスはドメインまでなど、実際のデータの一部を隠した状態で開示できる。サービス業者の方では、開示されるデータ項目とそのマスクレベルに応じてサービスを用意することになる。
 また、PPM自体はプライベートデータを保管しないがデータへのアクセスは監視でき、データ提供履歴を見れば、業者に開示したデータが第三者(別のサービス業者など)からいつアクセスされたのかの履歴を確認することも可能だ。データは基本的には業者側のデータベースに保管されるが、業者の必要に応じて他の業者にその一部を開示した場合でも、本人がデータ流通の事実を知ることができるわけだ。またデータ削除に関しても、データ提供履歴をもとに、業者に削除依頼を行う機能を提供することが考えられている。

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