アジャイルな企業を実現するトレードシフト

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

「アジャイルな企業の実現」を支援するトレードシフト
既存のサプライチェーンに大きなインパクトも

2016/11/09

 デンマーク生まれのスタートアップ企業、トレードシフトは、企業間商取引のためのプラットフォーム提供を通じて、ビジネスの在り方、企業の在り方を変えようとしている。

 同社の創業者兼CEOにして、世界経済フォーラムの「Future of Software and Society」会議のメンバーも務めるクリスチャン・ラング氏が来日した。ソフトウェアやクラウド、Webといったテクノロジーは、ビジネスにどのようなインパクトを与える可能性があるのかを、ラング氏に尋ねた。

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Tradeshift(トレードシフト)

Tradeshift(トレードシフト)
CEO
クリスチャン・ラング氏

Question

御社の提供するサービスについて教えてください。

Answer

 企業間商取引のためのプラットフォーム「Tradeshift」を開発・提供しています。購入や調達、取引先のマッチング、ロジスティクスにファイナンスといった企業の商取引に必要な全てのプロセスを支援するサービスで、Salesforce.comが企業と顧客との間の取引をサポートするものだとすれば、われわれは企業とサプライチェーンとの取引を支援するといえるでしょう。

Question

既存のEDIソリューションとの違いは何ですか。

Answer

 例えば請求書処理や調達プロセスの電子化などは、既存のEDIソリューションによっても実現は可能ですが、Tradeshiftは、こうした既存のソリューションが取り組んだのと同じ問題を、異なるやり方で解決するのです。

 既存のソリューションは、調達ならば調達、請求処理ならば請求処理といった具合に単一の機能だけを提供するものが多かった。これに対しTradeshiftは企業間商取引のプラットフォームであるため、そのプラットフォーム上で展開される多種多様なアプリを活用することで、ビジネスプロセスの全てをカバーできるのです。また、クラウドやWebをはじめとする標準的な技術を活用することで、使いやすく、しかも低コストな企業間商取引を実現します。

 また、このプラットフォームには、セキュリティ機能はもちろん、国ごとに異なる税制や法規制を順守する仕組みを埋め込んでいます。このため、企業があれこれ気にする必要はなく、自社のサービスの価値を作り出す、高めるという本業に専念できることもメリットです。

Question

自社が求める独自の機能を開発することもできるのですか?

Answer

 トレードシフトは、プラットフォーム上で動作する電子請求書の取引を実現する「Tradeshift Pay」や、自社に必要な物品の購買がスムーズに行える「Tradeshift Buy」といったアプリを開発して提供するだけでなく、APIを公開し、さまざまなサードパーティー製のアプリを活用できる環境を整えています。ドキュメントが用意されており、HTMLやJavaScript、PHPやC、C#などさまざまな言語を用いて自社向けのアプリを開発できるようになっていて、シンプルで標準的な技術とWebプラットフォームを活用することで、早ければ2〜3週間、長くても3カ月程度でアプリを開発できます。従来型の「業務アプリケーション」のように、仕様を作って開発して……というプロセスに数カ月単位の期間を要する必要はなくなります。

 この結果、コスト削減に加え、“ビジネスのスピードアップ”というメリットが生まれます。これまで紙と手作業で進めていたビジネスプロセスをプラットフォームにのせることで、コストを削減できるだけでなく、ビジネスそのものがアジリティを得て、市場により高い価値を提供できるようになります。つまり、「アジャイル」な会社が実現できるというわけです。

Question

現在利用している企業はどれくらいあるのでしょうか。

Answer

  ゼネラルモータース(GM)やDHLといった大手企業をはじめ、全世界で80万社以上がアジャイルな経営ができる点を評価し、Tradeshiftを利用してくれています。日本国内でも、近鉄エクスプレスをはじめ流通業を筆頭に、幅広い業種で数千社に採用いただいており、企業のバックエンド処理を支援するというサービスの性質上、一社が採用すると関連する企業でも導入が広がるネットワーク効果が大きいですね。

Question

日本におけるサービス展開で課題と感じている点、今後強化していきたい点を教えてください。

Answer

  実は最大の競争相手は、「紙」だと思います。これまで企業は、人を中心にしたビジネスプロセスを構築し、厳密にコントロールしようと試みてきましたが、今やグローバルな競争の時代が到来し、サプライチェーン全体を変えていく必要があるでしょう。

 ---日本市場に対し、トレードシフトジャパンの大久保紀章氏にも答えていただいた。---  日本企業は、変化を嫌う傾向が強く、業務フローを変えることにも抵抗感を持たれています。その理由は『今までこれでやってきて成功していたから』という方が多いのですが、それでは今後通用しないでしょう。

 例えばGMがこれから電気自動車を作っていくとなると、サプライチェーンもがらっと変わることになります。変化に素早く対応していくには、これまで作り上げてきたサプライチェーンに固執することなく、サプライヤー企業がアジャイルに対応できる環境を整えていかなくてはならないと考えます。

Question

世界経済フォーラムの「Future of Software and Society」のメンバーの一員とのことですが、どのようなことを研究発表されているのですか。

Answer

 UberやAirBnB、GoogleやAmazonのように、新しいテクノロジーを活用して既存の業界構造そのものを変化させる企業が登場し、注目を集めていますよね。いわゆる「デジタルトランスフォーメーション」を実現した企業たちです。

 世界経済フォーラムの会議では、今後10年間、テクノロジーやソフトウェアがどのようなインパクトをもたらすのか、クラウドコンピューティングや機械学習、人工知能といったテクノロジーによって、既存の企業はどのような影響を受けるのかについて議論しています。今後、あらゆる企業がこのエコノミーの中で競争していかなくてはならないでしょう。

 その中でソフトウェアは、戦略的なアドバンテージを得る武器になります。UberもAmazonもGoogleも、新世代の企業はソフトウェアをコスト削減のツールではなく、ビジネスそのもの――『Software as a Business』と捉えています。

 コスト削減は重要ですが、それが第一ではありません。企業にとって大切なのは、より早くイノベーションを生み出し、よりよい製品やサービスを、より素早くデリバリーすること。そのためにサプライチェーンをどのように変えていくかが重要です。それを実現するためには、既存のプロセスや構造にとらわれることなく、オーバーヘッドになる手作業を減らし、プロセス自身をソフトウェア化し、その中にリスクコントロールやコンプライアンスといった要素を組み込んで自動化していくことが欠かせないでしょう。

 これからの時代、企業は変化しなければ生き残れませんが、時に変化は失敗にもつながります。ですが失敗は学習のチャンスでもあると考えています。今の市場の良い点は、素早く動くことでより多くを学ぶことができることです。マインドセットを変えることも鍵の1つですね。


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