IEEE 802.11ay、802.15.3eで何が変わる?ミリ波帯超高速無線通信

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

IEEE 802.11ay、802.15.3eで何が変わる?ミリ波帯超高速無線通信

2016/05/11


 最新キーワードを5分で理解するこのコーナー、今回のテーマは「ミリ波帯超高速通信」技術です。無線LANのIEEE 802.11acの次の高速Wi-FiとされるIEEE 802.11ad(WiGig)、さらにその次のIEEE 802.11ay、あるいは超高速近接無線通信のIEEE 802.15.3eなど、次世代高速通信技術が目白押しの「ミリ波帯」。それより低い周波数帯での無線LANへの電波割り当てがほぼ期待できない現在、今後の無線トラフィック増加に備える時、広い帯域がとれる(つまり高速通信の可能性がある)領域はここしかありません。しかし難点は通信デバイス開発にあたって技術的難易度が高いこと。一体どこまで技術開発は進んでいるのでしょうか?

ミリ波帯超高速通信

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「ミリ波帯超高速無線通信」って何?

 30GHz〜300GHzの「ミリ波帯」(「関連するキーワード」の項参照」の電波を利用した、数Gbps以上の超高速無線通信のこと。現在のところ、東京工業大学(以下、東工大)と富士通研究所が開発したCMOSチップによる56Gbps(72GHz〜100GHzでの無線伝送)が世界最高速(2016年2月発表/図1)となっている。

図1 ミリ波帯の広い周波数帯で56Gbpsでの無線伝送に成功した送受信モジュールとチップ
図1 ミリ波帯の広い周波数帯で56Gbpsでの無線伝送に成功した送受信モジュールとチップ
資料提供:東京工業大学

 この高い周波数帯を情報通信に利用する技術開発は、現在各国の研究機関や企業が積極的に取り組んでおり、国際標準化機関であるIEEE802委員会で規格化されたものとしては60GHz帯の無線LAN規格IEEE 802.11ad(WiGigとも呼ばれた)がある。これは1チャネルで6.76Gbpsの理論最大速度の通信を可能にする規格だ。
 また、まだ規格策定中であるIEEE 802.11ayタスクグループでは、60GHz帯でMIMO技術とチャネルボンディング技術(複数のチャネルを同時に利用する)を組み合わせることにより、100Gbpsの通信速度を実現することを目標に定めている。加えて近接通信(10cm程度の距離での通信)に特化した高速通信に取り組むIEEE 802.15.3eタスクグループでは、60GHz帯で最大100 Gbps、リンクセットアップ時間2 msを目指す規格を策定中だ。近接通信においてはミリ波およびサブミリ波の領域で1Tbpsでの通信が可能とされており、将来はさらなる高速化も期待できる。

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そもそも「ミリ波」って何?

 「ミリ波」の名は波長(周波数の振幅の幅)がミリ単位(1mm〜10mm)であるところからきている。周波数帯が高いほど利用できる帯域が広くなるので高速通信には好都合だ。
 この周波数帯が今注目されるのは、昨年の電波法施行規則改正により、57GHz〜66GHzの周波数帯が、無線免許が要らない「小電力データ通信システムの無線局」用に割り当てられたからだ。つまり従来からの無線LANと同様に利用できるようになったのだ。この用途で9GHzもの帯域幅がとれる周波数帯は他にはない。従来からの無線LAN用周波数帯ではすでに通信トラフィックが増大して先行きが怪しくなってきており、多数の無線デバイス(IoTデバイスやモバイル端末)が同一周波数帯を利用するために電波干渉の問題も今後ますます増加すると予想される中、通信トラフィックをこの新しい未開拓の周波数帯にオフロードできれば、将来の帯域逼迫を避けられる。その期待を、今一手に担っているのが60GHz帯なのだ。

■■IEEE 802.11adはどのくらい高速?

 例えば無線LAN規格ではチャネル幅や最大理論通信速度は次のようになっている。

表1 無線LANの周波数帯とチャネルごとの帯域幅
表1 無線LANの周波数帯とチャネルごとの帯域幅

 60GHz帯は、表に見るように2.16GHzの帯域幅のチャネルを4つ利用することができ、理論最大通信速度はチャネルあたり6.76Gbpsだ。IEEE 802.11acの最大速度が6.9Gbpsだが、これはMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)と呼ばれる複数アンテナ(最大送信8本、受信8本)で1つの伝送路を形成する技術と、一度に8ビットの情報が送れる256QAMと呼ばれる多値変調技術(「関連するキーワード」の項参照)を使った場合の数字。IEEE 802.11adでは今のところMIMOがなく、多値変調は一度に6ビットが送れる64QAMまでだ。チャネルボンディングもなしで、あまり遜色ない速度が出せるところに注目したい。また多値変調技術の研究も進んでチャネルボンディングも可能な状況にあるため、上表の数値を超える超高速通信が実現するのもそう遠くはなさそうだ。

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