可搬型エネルギーの時代、電動工具の進化に

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可搬型エネルギーの時代、電動工具の進化に潮目を見る

本記事はモノづくりスペシャリストのための情報ポータル MONOist から転載しています。

リチウムイオン蓄電池の改善が、エネルギー問題解決の一助となっている。日常利用するスマートフォンやノートPC、さらには家庭用蓄電池や電気自動車へと活躍の場が広がっているからだ。このような変化は、さまざまな機器の使い方を変えていく。今回は普段あまり光が当たっていない「電動工具」と蓄電池の関係を調べた。蓄電池の導入にはどのような課題があるのか、蓄電池導入によって機器の用途がどのように変わってきたのか。主要企業2社に聞いた。

リチウムイオン蓄電池の性能改善はゆっくりしたペースで進んできた。1991年ごろに実用化されたのち、携帯電話機やノートPCへの採用比率が高まり続け、現在では家庭用の大容量蓄電池や電気自動車など大容量化へと向かっている。さまざまな用途で鍛えられていくうちに、これまで採用に至っていなかった用途も開けてきた。例えば「充電式電動工具」(充電式)だ。主要メーカーのマキタとボッシュに充電式の位置付けと、優位性について聞いた。
 愛知県安城市に本社を置くマキタは、全世界で電動工具、園芸用機器などを年間約2700万台生産(2013年度)、日本を含む複数の地域でトップシェアを獲得している。今回は同社の技術開発本部 開発技術企画部 開発企画課課長の金澤和史氏と総務部総務課の手塚智貴氏に電動工具について話を聞く機会を得た(図1)。

図1 マキタの手塚智貴氏(左)、金澤和史氏
最大出力1000Wまでなら置き換え

和田憲一郎氏(以下、和田氏) 充電式電動工具(充電式)の種類が増えている。マキタでは充電式をどのように捉えているのか、教えて欲しい。
金澤氏 当社では、AC(電源コード付き)からDC(内蔵蓄電池式)への置き換え、さらにはエンジン製品からのDC化を考えて、充電式の開発を進めている。充電式といえば、昔は「ちょい使い」というイメージがあった。最近ではかなりの(時間がかかる)作業もカバーできるようになってきている。電源コードが邪魔にならないという利点もある。充電式への流れは必然的ではないか。
 ただ、当社として充電式(の比率)に数値目標を掲げて推し進めているのではない。従来の電源コード付き製品やエンジン式も伸ばしていきたい。
和田氏 マキタの中で、地域別の売上高比率と、充電式の売上高比率はどうなっているのか。
手塚氏 2013年の売上高で言えば、充電式・電源コード式・エンジン式など全体で、ロシアを含む欧州が約43%、日本が約17%、カナダを含む北米が約13%、アジア約9%となっている。欧州の比率が高いことが特長だ。
 充電式は電源コード式に比べて蓄電池や充電器が付属する分、価格が高い。そのため、売上高比率が高くなる傾向にある。先ほどのように目標比率を設定していないというのは確かだ。
和田氏 ある機器を充電式にするか、電源コード式にするか、開発の際の閾値(境界値)をどのように設定しているのか。
金澤氏 基本的にはモーターの最大出力を目安にしている。最大出力1000Wまでであれば、十分、充電式に置き換え可能である。ただし、実際に使うユーザーがどのように感じるかという点が重要だ。最大出力のみならず、実用域での使い方(パワー感)が電源コード式と同等であれば「使える」と判断している。過去にも電源コード式に比べて出力で劣る18Vの工具の例がある。この場合は劣っているにもかかわらず、充電式がかなりパワフルだというユーザーの意見があった。
 最近の例では、充電式ハンマドリルがある。蓄電池の容量を2種類用意している。18Vで4.0Ah×2本のものと、36Vで2.6Ah×1本のものだ。「18V×2本」を準備した理由は、これまでユーザーが購入した18V品の電池がそのまま使えること、加えて18V品の方が高容量だからだ。このクラスのハンマドリルでは、1充電あたりの作業量が約170本(超硬ドリル10.5mm、深さ40mm)。従来の約120本に比べ大幅に打ち込む本数を増やすことができる。
和田氏 今後どのようなタイプの製品群を伸ばそうとしているのか。
金澤氏 エンジン式の製品を充電式へと置き換えることを考えている。まだまだエンジン式は多い。これらの機器を少しずつ置き換えていきたい。ただし、作業量は大事な検討項目だ。先ほどのハンマドリルの例にもあるように、エンジン式の充電式への置き換えに当たっては、より一層のハイパワー化を目指したい。

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