クラウド“だから”できる未来の資金繰り

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

クラウド“だから”できるリアルタイムで正確な資金繰り

2015/09/30

財務などの間接部門にもクラウドサービス活用の波は寄せてきている。企業が持つキャッシュが、今、どこに、どれだけあるのか? これをリアルタイムに可視化することで、財務部門は企業の行く末を左右する戦略部門へと生まれ変われるかもしれない

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米Kyriba:ジョンルーク・ロベール CEO

米Kyriba
CEO
ジョンルーク・ロベール 氏

マニュアル作業が残ることで財務にミスが発生するリスク

Question

日本企業の財務に関するIT化の状況をどのように分析していますか? また、そこにあるリスクは何でしょうか?

Answer

 どんな企業であっても、本業ともいうべきコアなビジネスを行う部門と、それを支援するためのバックオフィス部門とが存在します。そして後者はまだまだSaaSへの移行が進んでいません。例えば給与、人事、そして財務などです。

 今さら、このようなシステムを独自に開発したいという企業はありません。つまり、これからの課題はサポート部門のシステムをどれだけ低コストかつ簡単に導入し、運用できるのかということに尽きます。これは日本企業だけということではなく世界各国のトレンドとしていえることです。

 Kyribaは財務部門に特化したSaaSを提供する企業です。会社が持つキャッシュが今、どこにどれだけあるのかを正確に把握し、それらを保護し、そして支払いを実行するといった一連の財務ワークフローを自動化します。残念ながら日本の多くの企業では、この部分がいまだに手作業のまま残されています。

 マニュアル作業によって起因するリスクはたくさんあります。ミスが発生する可能性、リアルタイムでないため意思決定が遅れてしまう可能性、不正が行われてもそれが把握できない可能性、法規制や会社のポリシーなどにきちんと合致していない可能性……。このようなリスクを自動化することでゼロに近づけたいと思っています。

Question

先日、IFRS(国際財務報告基準)を採用する日本企業が80社を超えたという報道がありました。また、日本版IFRSといわれる「JMIS(修正国際基準)」も2016年から適用可能になるといわれています。この状況をどのように見ていますか?

Answer

 まさにコンプライアンスの部分です。今、世界は規制を厳しくする方向に進んでいますし、実際に規制されていくことでしょう。ですからIFRSのような基準に準拠するということは、企業がキャッシュをどのように守っていくべきかという意味でも、必ず通らなければならない道筋となるでしょう。

 JMISが始まることで、多くの日本企業がKyribaのようなITサービスを活用するようになると考えています。特に上場企業はそうなるでしょう。なぜならばキャッシュに関するコンプライアンスの強化が必須だからです。


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財務担当者はCEOとペアになって会社の行く末を決めるべき存在

Question

Kyribaのキーワード「プロアクティブ トレジャリー マネジメント」について教えてください。従来型の財務管理との違いは何でしょうか?

Answer

米Kyriba:ジョンルーク・ロベール CEO

 まず、キャッシュが今、どうなっているのかを把握します。するとフォーキャストも正確になり、リスク管理もやりやすくなります。そのためには企業が持つ全世界の銀行口座をKyribaのプラットフォームに接続します。

 大事なのは本社だけでなく、世界中の子会社の財務状況がどうなっているのかまで見通せることです。例えば、中国に作った子会社が行った不適切な会計を行えば、本社にも悪影響が及びます。このような不正を未然に防止できます。また、資金の流れの透明度が高まれば、キャッシュの最適化も可能になります。例えば、銀行に支払っている手数料が適切な金額かどうかが検証できるようになるでしょう。

 特に注目してほしいのは「プロアクティブ(先を見越した)」という部分です。これまで日本企業のファイナンス部門、いわゆる経理や財務部門は、どちらかといえば従業員の経費精算や、業者への支払いがちゃんとできているかという確認作業が主要な業務になっていると思います。これらはどちらかといえば、既に終わったことに対する作業です。

 Kyribaが実現したいのは、未来のキャッシュの状況を正確に予測することで、財務部門が「今、何に使うべきか」という戦略を作る部門へと生まれ変わることです。海外企業におけるCFOや財務担当者という肩書を持つ社員は、まさにそういう仕事をしています。CEOとペアになって会社の行く末を決める人たちです。

 多くの日本企業は、まだそこまで到達していない印象があります。例えば、ある日、CEOに「あの会社を買収したいけど、今、うちの会社にどれだけお金ある?」って聞かれたら、どう答えるでしょうか? 「今、どこにいくらありますよ」が即答できるのが理想のCFOです。しかし、日本企業のCFOは「すみません、手元に資料がないので確認して、後で報告します」といって数週間が経ってしまう。これではビジネスチャンスを失ってしまいます。

Question

Kyribaを導入すると、財務担当者の1日はどう変わりますか?

Answer

 財務担当者が出社してきて「さあ、仕事を始めようか」となったとき、ダッシュボード上には仕事に必要な銀行からのリポートが全てそろっています。例えば、ドイツ銀行が毎朝4時にファイルを送ってくることになっていれば、それがきちんと到着しているかどうかをチェックしています。もしも何らかの事情によって未達となっていれば、「その理由は何なのか」「何時に送られてくるのか」という情報が表示されているはずです。わざわざ財務担当者が銀行に対して「どうなっているのか?」と問い合わせをする必要はありません。すぐに本業に専念できるでしょう。


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グループ企業間の取引の可視化で銀行手数料の大幅削減に成功

Question

ところで、Webサイト上に表出されている導入企業のロゴをみると、世界的に有名な大企業ばかりが並んでいるようですが、実際にどのような企業が対象となるのでしょうか?

Answer

 日本の上場企業は全てターゲットになります。上場企業であれば何らかの形で海外展開をしているでしょう。もちろん非上場企業であっても海外とのビジネスを手掛けているのであればターゲットになり得るでしょう。もっと簡単にいえば、企業が持つ法人口座が2つ以上あれば、Kyribaのメリットが発揮できます。

 海外に支社があれば当然、銀行口座数も増えます。そもそも取引銀行数も多くなります。特に中国でビジネスをしていると、さまざまな地方銀行と付き合わなければなりません。すると必然的に「何が起きているのか分かりにくくなる」わけです。

 日本企業は海外の企業に比べて、1企業が開設する口座数がとても多い。企業間のお付き合いで口座を開設してしまいがちのようですね。特定の支払いをするためだけの口座、特定の入金を受け取るだけの口座といった感じで、安易に口座を開いてしまう会社が多いですね。

Question

Kyribaのソリューションを導入して成功した日本企業を挙げるとしたらどこでしょうか?

Answer

 コニカミノルタの事例が参考になるでしょう。Kyribaのソリューションはいくつかのモジュールに分かれていますが、その中でも基幹となるモジュールを導入しています。特にグループ間の取引を可視化、キャッシュレス化することにより、銀行への支払い手数料を大幅に削減していく取り組みです。つまり、本業に投資できるキャッシュが増えるということです。

Question

最後の質問です。Kyribaを導入する際に情報システム部門が果たすべき役割は何でしょうか?

Answer

 それほど多くはありません。例えば、既存システムの連携が非常に複雑な仕組みになっていて、Kyribaが提供する接続手段ではカバーできないとなれば情報システム部門の手を借りなければなりません。しかし、銀行口座の集約やERPとの連携などは、一般的な接続手段で対応できるはずです。これはパラメータを設定するだけです。プログラミングが必要になることはないでしょう。

 基本的に、IT部門が財務システムなどを保守、運用することは大きな負担になります。なぜならば、財務システムはその会社のビジネスのカギとなるものではないからです。これらはアウトソースすることが世界的な潮流となりつつあります。IT部門は本業のキモとなる情報システムに全力を注ぐべきでしょうね。


●ありがとうございました。


取材協力

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米Kyribaは2000年に創業。クラウド型財務・資金管理ソリューション「キリバ・エンタープライズ」の開発し、全世界1000社以上の企業にサービスを提供している。2012年には日本法人、キリバ・ジャパン株式会社を設立。リクルートホールディングス、コニカミノルタ、日清食品ホールディングスなどが導入している。


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