iPad企業活用を成功に導くポイント(後編)

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

iPadの企業活用を成功に導くためのポイント(後編)

2015/10/26

パソコンを代替する形でiPadを選択する企業も増えている。日本企業に合うのはBYODなのか、それともCOPEなのかを語った前編に続き、後編では実際に導入から運用に至るフェーズで気をつけたいポイントを聞いた。

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山平 哲也 氏

マーケティング本部 ビジネス開発部
新ビジネス企画室 室長
山平 哲也 氏

マーケティング本部 ビジネス開発部
新ビジネス企画室 グループマネージャー
椿 健太郎 氏

マーケティング本部 ビジネス開発部
新ビジネス企画室 スペシャリスト
藤井 茂樹 氏

導入は小さく始めて、検証して、広げていく

Question

iPadの導入を決める前に、企業が準備しなければいけないことは何でしょうか?

Answer

ユニアデックス株式会社:山平 哲也 氏

 やはり何のためにiPadを導入するのか、目的をはっきりとさせて社内のいろいろな部門のコンセンサスを得ることが大切です。例えば、「この人たちが使うのであれば、このアプリを使わせていきましょう」という議論をしっかりとやったほうがいいです。

 とはいえ、机上の議論では進みません。このような話をすると、「検討して、導入する」という2ステップを思い浮かべがちですが、実際には「検討して、小規模導入してみて、検討した結果が正しいかどうかを検証して、本当に運用が回るのかどうかを確認する」というトライアルを1回、2回、3回と繰り返していきます。

 何をもって「導入前」と「導入後」というフェーズ分けをするのかという議論はありますが、トライアルは「導入前」に行うものと位置付けたほうがいいでしょう。例えば、営業と生産現場とでは、働き方や日ごろのオペレーションが違いますから、同じiPadを導入したとしても使い方やニーズが異なるでしょう。期待したような使い方がされているのか、想定したような運用で回っているのかという仮説検証を大規模導入前に行うことで後々のリスクが減ります。

 繰り返しになりますが小さく始めて、少しずつ広げていく。これはiPadの導入に限らず、一般的なIT導入と同じ流れです。iPadの導入企業が「2万人規模で導入しました」という発表をすることがありますが、調べてみると実際には3年かけて徐々に導入していったということが多いのです。

 むしろ段階を経て導入していかないと、iPadのリプレイスが一気にやってきます。スマートデバイスはパソコンと比べて製品のライフサイクルが早いのが特徴です。パソコンなら5年使ってもOSのサポートは続いていて、セキュリティパッチも提供されているでしょう。しかし、スマートデバイスは、古いデバイスをどんどんサポート対象から切り捨てていく傾向が強い。2015年9月にiOS 9が登場しましたが、実はこのタイミングで2011年10月発売のiPhone 4Sがサポートから外れる可能性もありました。今回はサポートが継続されましたが、iOS端末のリプレイスは3年程度と想定して準備するのが現実的です。

Question

導入前に利用時を想像することが大切のようですね。実際にはどのような利用方法が考えられますか?

Answer

 メールの送受信、ファイルサーバへのアクセスなどから始める企業が多いようです。また、Webベースの業務アプリを使いたいという企業もあります。これはネイティブブラウザで使うケースと、VDIクライアント経由でアクセスするケースとがあるようです。まずは、パソコンの代替策としての利用方法がイメージしやすいようです。

 クラウドサービスを活用したいという企業も増えています。スマートデバイス向けのアプリが用意されていることが多いので移行はスムーズなようです。この場合、iPadを導入したからクラウドサービスを使うことにするのか、クラウドサービスを使いたいからiPadを導入しようとなったのか、そのトリガーはどちらにもあります。社内のIT基盤が既にクラウド移行している企業であれば、上手にiPadを使って、さらなる生産性向上が図れます。

 最近、マイクロソフトがiOSコンソーシアムの会員になりました。ご存じのようにOffice 365やOffice 16はiOS端末にも対応しています。既にパソコンでOffice 365を使っている人たちは、それがiPadでも使えることを知っています。会社が「Office 365を導入しました、Exchange Onlineが使えます」というのであれば、「じゃあ、手元にあるiPadでもメールを見られるようになるといいね」となりつつあります。マルチデバイスの利用が解禁されれば便利ですし、そのために追加投資が必要になるわけでもありません。

 このような動きをしているのは、マイクロソフトだけではありません。IBMやシスコシステムズも同じです。iOSの世界が着々とエンタープライズ向けに対応してきていますので、これまで以上にビジネスシーンでのiPad活用が広がることでしょう。

Question

ほかにもiPad導入前に検討すべきことで見落としがちなものはありますか?

Answer

 iPad導入を情報システム部門単体で取り組むというのは限界がありますので、社内の関係者を集めて導入チームを組むことをお勧めします。これはBYODでもCOPEでも同じです。特に人事部門を早めに巻き込むとうまくいくケースが多いようですね。

 iPadを始めとしたスマートデバイスを使った仕事のやり方で期待されるのは、オフィス以外でも仕事ができる「テレワーク」です。例えばどんな時間にiPadを使って仕事をしたら、それは業務とみなすのかといった労務視点での考え方の整理が必要になります。ほかにも「ワークスタイル変革」というキーワードが出てきたら、すぐに人事部門を巻き込みましょう。他にも経営企画部門、総務や経理部門にも声をかけておけば、その会社に属する全ての職種でスムーズにトライアル導入が実施できるようになります。


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配布したiPadが狙い通り使われているかを継続チェック

Question

次に導入が決定し、運用が開始された後で注意すべき点を教えてください。

Answer

ユニアデックス株式会社:椿 健太郎 氏

 ユーザに使い続けてもらうためには、現場でどのくらいiPadが使われているのかを継続的に調査すべきです。iPadを配って終わりではありません。その後、適用範囲を拡大する可能性も踏まえ、ユーザへの定着率はモニターし続けましょう。

 iPadは万能なデバイスではありません。導入前に「この人たちは、こうやって使うだろう」という想定をしていても、実際には使っていない可能性もあります。利用率がどんどん下がっているようであれば、その原因を探りましょう。実際に「やっぱりパソコンのほうが便利だね」となるケースもあるようです。もしも使わない人が多い部署があって、その原因が「そもそも不要だった」ということであれば配布対象から外すべきです。資産の最適化という観点で重要です。

 もう1つ挙げるとすれば、特にiOSの場合に顕著なのですが、OSがある日すべてのデバイスでバージョンアップ可能インなることを考慮にいれておきましょう。これに対する最適解はないのですが、メジャーバージョンアップの影響度は事前に探っておくべきです。例えば、アップルのベータプログラムや開発者プログラムに参加していれば、事前に新OSを入手できます。ネイティブの業務アプリがバージョンアップ後もきちんと動作するのかという検証は必須です。

 取りあえずiPadを配ってみたという会社では、ユーザが一斉にOSをバージョンアップしようとして社内ネットワークが重くなったという失敗例もあるそうです。MDMなどのツールを利用して、ユーザが勝手にOSをアップデートできないようにして、計画的にバージョンアップできるようにすることも対策の1つになるでしょう。


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1年に1回はリマインドのための教育機会を設けるべき

Question

ユーザに対するトレーニングも重要な点だと思います。どのようなポイントに気を配るべきでしょうか?

Answer

ユニアデックス株式会社

 継続的な教育は絶対に必要です。導入時だけでなく、セキュリティに関しては啓発の意味も込めて定期的にリマインドを行い、OSのバージョンアップなど使い方に変化があれば再教育も必要です。BYODの場合、「万が一の場合、リモートワイプでデータを消してしまう」ということを忘れないように、合意内容について少なくとも1年に1回はリマインドしておきましょう。

 ユーザがBYODを始める時には、「この私物端末を社内で業務にも使います」という申請を出させるようにしましょう。その際、申請書の有効期間を1年間に制限して、自動更新にはしないでおくべきです。こうしておけば、1年後にBYODを継続するのか否か、その業務で本当に必要なのかという資産の棚卸ができます。

 万が一の情報漏洩などを考えると、会社は任意のタイミングで「会社の貸与端末はこれ、社内システムに接続可能な私物端末はあれで申請者はこの人」ということをシステム的に識別できるような体制を作っておかなければなりません。会社のIT資産を保護するためにも管理のための台帳は必須です。

 管理というと、どうしても「BYODユーザが何か悪いことをするかも」という性悪説に基づきがちですが、ルールを決めて運用するということは、正しくBYODをしている従業員が気持ちよく使い続けるために必要な措置なのです。基本的には多くの「普通のユーザ」を守るための仕組みだととらえるべきですね。


●ありがとうございました。


取材協力

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IoT時代におけるICT基盤の専門家として、サーバー、ネットワーク、デバイスなどを統合的に取り扱い、ICTインテグレーション、システムマネジメント、ファシリティ、保守サポート、グローバル対応、クラウドフェデレーションサービスなどを軸に、お客様とともに「同じ未来を想うことから」はじめることでICT社会基盤を支えるべく日々進化している。2014年3月には、株式会社ネットマークスと統合。


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