何ができる?これから始めるBeacon初級講座

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何ができる?これから始めるBeacon初級講座

2015/07/06

 モノのインターネットと称されるIoT時代に突入し、その通信手段として様々な無線技術が注目されている。中でも話題となっているのが、Bluetooth Low Energy(BLE)を利用した「Beacon」と呼ばれる仕組みだろう。BLE Beacon端末が発するビーコン信号をスマートフォンなどのデバイスがキャッチすることで、屋内の位置測位や情報のプッシュ配信などへの活用が期待されている。今回はこのBeaconに関する基本的な情報について詳しく紹介しながら、今のトレンドや今後の方向性など、今知っておきたいBeaconの基礎知識をお届けしよう。

Beacon

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1Micro Location技術「Beacon」の世界

1-1Beaconの基礎知識

■Beaconって何?

 一般的にビーコンとは、無線局などから発射されている電波を移動体側の受信装置で受け取り、位置情報などを取得する仕組みを指しており、この際に発射される電波のことをビーコン信号と呼んでいる。世の中では、航空機や船舶、自動車などの位置特定や情報取得のために様々なビーコンの仕組みが用いられているが、ITの世界では長年Wi-Fiを利用するための無線LAN技術の中でアクセスポイント同士がその位置を知らせるための信号として用いられてきた。
 そんなビーコン信号のなかで、現在もっとも注目されているのが Bluetoothが発するビーコン信号を活用する「Beacon」という仕組みだ。 Appleが提供するiOS7より「iBeacon」という規格で標準搭載されたことから注目を集めるこの技術は、位置測位技術の中でも屋内でのロケーションを的確に把握できる「Micro Location技術」の1つに分類され、スマートフォンと連動することで、屋内の位置測位や情報のプッシュ配信など様々な用途への展開が期待されている。
 なお、今回紹介するのはBluetooth Low Energy(BLE)を用いたMicro Location技術が中心だが、他にも音波や可視光を使ったMicro Location技術が存在している。音波Beaconはすでに山手線の車内に設置されており、すでに実用化されている技術の1つ。音波Beacon対応のアプリをダウンロードすれば、今すぐにでも使うことができるようになっている。

■Beaconの構成図とBeacon端末の種類

 一般的にBeaconを使う場合は、店舗や工場内にビーコン信号を発するBeacon端末を設置しておく。位置測位が必要であれば数十m間隔に設置して必要なエリア設計を行い、情報のプッシュ配信を行う場合はその商品の近くや店舗入り口などにBeacon端末を配置して利用する。情報のプッシュ配信では、専用アプリがダウンロードされたスマートフォンを持って店舗にいくと、Beacon端末からのビーコン信号をスマートフォンがキャッチし、その情報が格納されたサーバにアクセス、商品情報やクーポン券などがスマートフォンに送信されるというのが一般的な構成になる。
 なお、位置測位に関しては、3点からの電波を計算する三角測量技術を用いることで高精度な位置測位が可能になるが、実際には歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning)や地図補正を行うマップマッピング技術を組み合わせて高精度な位置測位を実現している。

図1 構成図
図1 構成図
無線LANベンダが提供する構成例。現場にBeacon端末を設置し、Wi-FiのAPでBeacon端末の状態監視を実施。実際に利用するアプリをアプリ開発基盤で開発、管理することで、様々なサービスに利用可能。
資料提供:アルバネットワークス

 店舗などに設置されるBeacon端末は、様々なタイプのものが存在している。給電できない部分に設置する場合はボタン電池式のものが多く利用されており、屋外ならソーラ型、PCに繋げて利用するUSB給電型、充電して何度でも使えるリチウムイオンUSB充電式のものも存在する。他にも電波に指向性を持たせたBeacon端末もある。

図2 Beacon端末あれこれ
図2 Beacon端末あれこれ
資料提供:英CSR、芳和システムデザイン

コラム:設置が容易に!折り曲げ可能なBeacon端末が登場

 これまでBeacon端末は、電源を起動するために電源監視回路を内蔵した電源ICと二次電池などの大きな蓄電素子が必要だった。しかし、2015年3月に変形自在で電池交換不要なBeacon端末を富士通研究所が開発した。なんと電源不要で曲げることも可能なBeacon端末で、様々な場所に容易に設置できることから大きな話題を呼んでいる。太陽電池による電力量で起動できるようになっており、天井蛍光灯の隙間やLED電球の表面などに取りつけることで電池交換が不要になっている。


■Beaconが注目された背景

 もともと屋内の位置測位には、Wi-Fiを活用した複数の技術があるが、位置測位やプッシュ配信の精度の低さから実際の現場利用は難しいという課題があった。
 そこで、出力が調整可能なBluetoothを利用して位置測定する技術が注目された。しかし、Bluetoothでは電力消費が大きいこともあり、ビーコン信号を出す端末にAC供給が必要になるなど設置したまま長期間で運用するには厳しい状況だった。そんな中で、2010年7月にBluetooth 4.0規格の一部としてBluetooth Low Energy(BLE)が策定され、低電力で通信が可能なものが登場。このBLEによってボタン電池で長寿命なBeacon端末が市販され、このBeacon端末からのビーコン信号をスマートフォンで受信して、位置測位に使うという動きが大きな潮流となっていったのだ。
 また、Appleが「iBeacon」を新たに規格化したことも、普及に大きく弾みを付けた出来事として忘れてはならない。iBeaconはBeaconを活用するためのiOSに最適化されたフレームワークであり、日本ではiPhoneユーザーが非常に多いことがBeacon市場を大きく動かす一因となっている。ちなみに、iBeaconにおける通信部分はBLEを使っており、Beacon端末との通信は基本的にBLEが使われている。Appleのデバイスと通信するときにiBeaconのフレームワークが活躍することになるわけだ。

図3 Wi-Fiを使った位置情報サービスの課題
図3 Wi-Fiを使った位置情報サービスの課題
資料提供:アルバネットワークス

■活用方法は「屋内位置測位」「プッシュ配信」

 Beaconの活用用途としては、主に2つのものが考えられる。1つが屋内における高精度な位置測位、そしてもう1つが情報のプッシュ配信だ。屋内での位置測位をビジネスに活用する例は、大規模なショッピングモールで位置を特定して道案内をするといった活用をはじめ、工場や倉庫など大きな施設内の各所にBeacon端末を設置し、スマートフォンのアプリでその情報を受信することで最適な動線を割り出す動態管理などに利用される。情報のプッシュ配信は、美術館や公共施設の展示物の前にBeacon端末を設置し、利用者が近付くと所持しているスマートフォンにその情報を通知するといった用途だ。もちろん、店舗でクーポンを発行したりなどOnline to Offline(O2O)の仕組みを補完する技術としても期待されている。

 他の使い方としては、オフィスでの活用例として、エントランスにBeacon端末を設置し、従業員が出社すると自動的に出勤時間を打刻するといった勤怠管理の仕組みに応用されている例がある。また、自治体が慢性的な交通渋滞を解消するため、若者のバス利用を促進するためにバス内に音波Beacon端末を設置して公共交通機関の利用を促すといった沖縄の実証試験も具体的な用途例になるだろう。最近では、いつも買い置きしてある特定の商品を発注する際に、自宅に設置されたBeacon端末のボタンを押すとスマートフォンのアプリを経由して自動的にショッピングサイトに発注情報が送られ、自動注文できるといった仕組みも登場し始めている。アイデア次第で活用用途はさらに広がるはずだ。

■類似するMicro Location技術

 もともとロケーション技術として広く活用されているものにGPSがあるが、屋内での位置測位という面ではGPSからの電波が受信できないケースもあり、大きなトレンドにはなっていない。そこで注目されたのがWi-Fiを活用したMicro Location技術だ。具体的には「Wi-Fi Location Engine」「Wi-Fi RTLS」、そして「Wi-Fi Sniffer」と呼ばれる技術がある。
 Wi-Fi Location Engineは、無線コントローラ経由でアクセスポイント(以下、AP)配下の端末情報を収集し、専用機であるLocation Engineが位置情報を計算するもの。これはベンダ固有の仕組みになるため汎用性に欠ける部分がある。Wi-Fi RTLSは、RTSL(Real Time Location System)サーバがAPから直接情報を収集し位置情報を計算する仕組みで、特定のベンダに依存しないもののAPが多くなることで負荷が高くなり、リアルタイム性に欠ける課題もある。Wi-Fi Snifferは、Wi-Fi通信を傍受して端末の位置をトラックする仕組みで、教育用の自作マシンでも簡単に構築できるものだ。しかし、そもそもWi-Fiの電波出力では精度の高い位置測定が難しいという課題があった。
 別のMicro Location技術としては、超近距離無線通信機能の「NFC(Near Field Communication)」も選択肢として考えられるが、1対Nの通信が可能なBeaconに対して、1対1の通信を行うNFCでは使うシーンが変わってくる。NFCは決済などの際に自分で意図してタッチするといった利用が主で、その通信距離も5cm程度と短い。ただし、NFCを使っても“そこに誰が来ているのか”は判断できるため、広義の意味でMicro Location技術として考えることができる。

表1
表1
資料提供:アルバネットワークス

 音波ビーコンでは、人の耳には聞こえない18kHz以上の高周波を利用し、特定のエリアでスマートフォンアプリを起動、マイクからその音をキャッチして位置測位やプッシュ配信を行うという技術だ。音が壁を通過しづらいために空間設計が容易でセキュアな環境にも対応でき、マイクのついたほとんどのスマートフォンが対応可能であり、幅広い用途に活用が期待されている。

表2 音波ビーコンとiBeaconの違い
表2 音波ビーコンとiBeaconの違い
資料提供:NTTドコモ
図4 音波とiBeaconに対応したプラットフォーム図
図4 音波とiBeaconに対応したプラットフォーム図
資料提供:NTTドコモ

 他にも、可視光を使った情報配信技術や地磁気を利用したMicro Location技術など、屋内位置測位技術は多くの技術が存在している。

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