視力を回復したければ、網膜に電気を流す…驚きの費用と成功率は

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掲載日 2015/08/06

視力を回復したければ、網膜に電気を流す…驚きの費用と成功率は

加齢性黄斑変性症(AMD)により眼の中央部分の視力を失っていた80歳の男性が、人工網膜の移植手術により、新聞を読めるまでになった。

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 レイ・フリンさん(80)は、8年前に加齢性黄斑変性症(AMD)と診断されて以来、眼のすみの部分でしかものを見ることができない状態になっていた。

 今回、イギリスのマンチェスター・ロイヤル・アイ病院で人口網膜移植手術を受けたフリンさんの視力は、自力で新聞を読めるまでに回復した。

 手術の費用は8万ポンド。手術には4時間かかったという。
人工網膜の移植手術によって視力が回復したラリー・へスターさん
 医師らは今後数ヶ月以内に、人工網膜「Argus II」をさらに多くの患者に移植したいと考えている。人工網膜は米国のセカンド・サイト・メディカル・プロダクツが開発したものだ。

 加齢性黄斑変性症には滲出型と萎縮型があり、英国内だけでも約50万人の患者がいるが、うち85%がフリンさんと同じ萎縮型だという。ちなみに日本人に多いのは滲出型だ。萎縮型は視野の中心部の視力が少しずつ低下するのが特徴で、病気の進行は遅い。一方滲出型の進行は早く、治療せずにいると視力の低下、見え方の異常が急速に進んでしまう。

 人工網膜の仕組みはこうだ。専用のメガネに取り付けた超小型カメラが目の前の映像を記録。そのデータがコンピュータープロセッサへと送られ、そこで映像が電気信号へ転換される。電気信号は眼球の横に移植された超小型アンテナへとワイヤレスに送信、さらにアンテナとつながった電極(人工網膜の裏側にある)へと送られる。電極へ送られた電気信号がまだ生きている網膜の細胞を刺激し、脳に光のパターンの受容体を作り出すことによって、イメージを認識できるようになるという。

「Argus II」の移植はこれまで網膜色素変性症の患者130人に行われたが、彼らにはフリンさんのように周辺視野がなかった。今回のフリンさんのように、残った周辺視野の細胞と、人工網膜の映像とを組み合わせたケースは、世界でも初だという。

 読者からはこの技術を評価する声が多かった。現在黄斑変性症にかかっていて、手術を受けたいというコメントもあった。ただコスト面がネックになるのではという意見もあった。たしかに8万ポンド(約1,550万円)では、誰もが受けられるというわけにはいかない。

 また、この人工網膜移植手術は、眼の電気信号の処理を一度も行った経験のない、生まれつき眼の見えない人々にどう適用するかの案はまだ出てきていない。
  • 「黄斑変性症は非常に深刻な問題なので、少しでも視力が回復し、自立した生活が行えるようになる技術なら歓迎すべきだ」(イギリス)
  • 「すばらしい! 私は聴覚障害があるが、人工内耳のおかげで聞こえるようになった。こうしたコンセプトはさまざまな疾患に適用できそうだ。いずれは半身不随の人々が歩けるようになるかもしれない」(米・カリフォルニア)
  • 「現在66歳で、黄斑変性症の第1ステージにいる。この新技術に非常に関心がある。私の国(ベルギー)では新しい治療法はないようだ」(ベルギー)
  • 「黄斑変性症だけでなく、眼の見えないすべての人に適用可能になってほしい」(イギリス)
  • 「すばらしいが、一般の人が手術を受けられるコストになる日が来るのだろうか」(不明)
  • 「80歳の妻が同じ疾患に悩んでおり、治療法がないといわれた。この技術の開発が早く進むなら、我々も望みを持つことができる。早く手ごろなコストになることを望む」(イギリス)

※上記枠内はすべて編集部訳

(執筆者:岡 真由美)
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