火星初飛行はまさかの翼だけ? NASAインターン生開発の探査機

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掲載日 2015/07/16

火星初飛行はまさかの翼だけ?NASAインターン生開発の探査機

火星の希薄な大気圏内を飛行できる探査機をNASAが開発中だ。それはグライダーのように巨大な主翼がそのまま機体という全翼機で、翼を折り畳めるようにして、火星降下モジュールに搭載するという目標もある。

***

 飛行機が空を飛べるのは空気抵抗があるからである。新幹線のN700系がカモノハシ型のノーズをしているように、高速で移動する物体にとって空気は壁となる大敵ではあるが、飛行機が地上から飛び立てるのも、機体を傾けて旋回できるのも、空気を足がかりとして利用できるからだ。

 ところが火星の大気は非常に希薄だ。火星表面の大気圧は平均750パスカルで、地球の海面上の平均である101.3キロパスカルのおよそ0.75%でしかない。そこまで薄い大気の中では、我々が飛行機と聞いて思い浮かべるような形状のものでは飛ぶことができない。それゆえ、NASAが開発中の「Prandtl-m」は、機体のほとんどすべてが翼というほどに巨大な主翼を持つものとなった。
undergroundworldnewsというサイト経由で公開された
静止画に解説音声を重ねた動画。
 この試作機の元になったのは、NASAインターンの学生たちが2012年から2013年にかけて製作した無線操縦式のグライダー「Prandtl-d」だ。大きなラジコン飛行機ほどのサイズだったそのグライダーの形状をほぼそのまま受け継いでおり、翼幅が24インチ(約61cm)、地球上での重さは2.6ポンド(約1.2kg)となる。

 最終的には主翼を折り畳めるようにして、CubeSatという火星探査ミッションの降下モジュールに車両型のマーズ・ローバーとともに搭載し、降下モジュールから射出して火星大気内を滑空させ、上空から地表を観察させるという目標もある。

「宇宙飛行士による着陸予定エリア付近にPrandtl-mを飛行させ、詳細な地表の画像を撮らせることで、具体的な着陸地点の選定に生かすこともできます」という。

 その「Prandtl-m」については、年内にも飛行試験が予定されている。大気が希薄な火星と同じような条件で実施するため、高度10万フィート(30,480メートル)付近で、高高度気球から切り離されて飛行する予定だという。

 最初の飛行試験に成功したなら、火星上空でのCubeSatからの射出をシミュレートした数々のテストミッションが行われ、2022年から2024年には実際の任務に投入したいということだ。

 この記事へのコメントは、火星探査関連のものとあってじつに国際色豊かだった。「Prandtl-m」の形状はよくブーメランに譬えられるが、オーストラリア人のコメントからは、ブーメランが話題になったものでやや悪ノリしたところも感じられた。またアメリカ人のコメントでは、グライダーの「Prandtl-d」の関係者と思われる人からのものもあり、その発展型が話題になったことを喜んでいるようすが感じられた。ちなみに同じカリフォルニアの人からのコメントにある「ランドスピーダー」とは、映画『スター・ウォーズ』でルーク・スカイウォーカーが乗っていた浮上式の乗り物である。
  • 「こいつが初の火星用航空機になるのか?」(カタール)
  • 「PrandtlがThe Vergeに出てるよ」(米・カリフォルニア州)
  • 「火星で滑空できるグライダーだって」(オランダ)
  • 「すげえな。チタン製のブーメランかよ」(オーストラリア)
  • 「火星での空の旅が、これをきっかけに実現するかもね」(オーストラリア)
  • 「どうでもいいけどさ、Prandtl-mってどう発音すんのかな。ひょっとして火星語?」(米・カリフォルニア州)
  • 「なるほどね。でも、ランドスピーダーは作れないのかい?」(米・カリフォルニア州)

※上記枠内はすべて編集部訳

(執筆者:待兼 音二郎)
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