話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加

製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?

2015/06/08

 2014年夏に日本国内でも販売が開始された「Chromebook」。米国では、低価格なハードウェアと管理・運用が容易なところから教育現場をはじめとして法人市場での導入が進んでいる。日本国内でも今後の導入が期待される「Chromebook」だが、その実態はまだまだ認知浸透しているとは言い難い。そこで今回は、企業で「Chromebook」を活用する際のメリット・デメリット、活用シーンなどを整理するとともに、セキュリティや運用管理面で考慮すべき点について紹介することで、製品検討の一助となる記事としたい。

Chromebook

※「Chromebook/話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?」の記事を一部ご紹介します。会員登録を行い、 ログインすると、「Chromebook/話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?」の記事全文がお読みいただけます。

会員登録はこちら(無料)


1法人利用で活きるChromebookの使い方

1-1Chromebookの基本

 「Chromebook(クロームブック)」とは、Googleが開発した「Google Chrome OS」(以下「Chrome OS」)を搭載したノートパソコンの総称だ。外観は一般的なノートパソコンと大差なく、液晶ディスプレイとキーボードを搭載した、クラムシェル型の筐体となっている。

図1 製品のイメージ
図1 製品のイメージ
Dell「Chromebook 11」。外観は一般的なノートパソコンと同様。スペックは、CPUがCeleron 2955U (1.4GHz)、メモリが4GB、内蔵ストレージは16GB SSD、ディスプレイは11.6インチ(1366×768ドット)となっている。最大10時間駆動が可能。
資料提供:デル

 Chrome OSは、Linuxをベースとして開発されたオープンソースのOS。Googleが開発したWebブラウザ「Chrome」を発展させたOSで、Webの閲覧とWebアプリケーションの動作に特化した設計になっている。

図2 デスクトップ領域
図2 デスクトップ領域
Chromebookを起動し、ログインすると表示される「デスクトップ領域」。アプリなどはWebブラウザ「Chrome」を介して動作する
資料提供:デル

+拡大

図3 Chrome
図3 Chrome
アプリの起動などはこのChrome上で動作することとなる
資料提供:デル

+拡大


コラム:変わり種も続々お目見え!新型Chromebook事情

 この記事ではChromebook、つまりChrome OSを搭載したクラムシェル型のノートパソコンタイプの端末について解説している。

しかし最近では、Chrome OSを搭載した、別形態のデバイスも登場している。
 「Chromebox」は、Chromebookから液晶ディスプレイとキーボードを廃して小型の筐体に集積したデバイス。“手のひら”に収まるサイズというから驚きだ。
 更にスティック型の「Chromebit」も登場している。こちらはディスプレイやテレビのHDMI端子に差し込むだけでChrome OSを利用できるという、いわゆる「スティック端末」。いずれも、Chromebookよりも更に低価格でChrome OSを活用できるということで、今後のChrome OS発展の立役者となる可能性もあろう。

図4 Chromebox
図4 Chromebox
超小型筐体にChromebookの機能を詰め込んだ「Chromebox」。ベンダはASUS。

 Chrome OSの特性により、Chromebookは、OSにMicrosoft「Windows」やApple「OS X」を採用している従来のノートパソコンとは単純には比較できないデバイスではあるが、あえてそのメリット(製品の特長)とデメリット(製品使用時に中止すべき点)を比べてみると、以下のように整理できる。

■主なメリット(特長)

トータルコストに貢献

Chrome OSは基本的にすべての操作をWebブラウザ上で実行する。Webブラウザさえ動作すればよいので、ハードウェア的に過剰なスペックを必要としない。ミドルクラス未満のCPU(Intel製CPUならCore MシリーズやCeleronシリーズ、モバイル機器向けのARMプロセッサーなど)しか必要としないし、搭載メモリも2〜4GB程度で十分。また各種ファイルやユーザーのデータの保存にはクラウドストレージを利用するので、内蔵ストレージも小容量(16GB程度のSSD)で済む。その結果、ハードウェアを構成する各種部材が低価格で済むこととなり、製品価格も低くなる傾向にある。また、OS自体がフリーで提供されているため世界的には200〜300ドル、日本では3万〜4万円で購入することが可能となる。ただし、昨今ではOSにWindows 8.1 with Bingを採用するエントリークラスのWindowsパソコンも同程度の低価格帯で販売されているうえ、実質的な企業での運用には管理ツール「Chrome管理コンソール」が欠かせず(詳細は後述する)、Chromebook1台ごとにライセンス料金が必要となるため、単純に低価格と言い切れるものでもなくなっている。ただ、他のエントリークラスのパソコンと比較すると、Chromebookは管理性にも優位性があり、トータルでみると優れていると言えるだろう。更に、アプリケーションに関してもWebアプリケーションである「Google Apps」を活用することとなり、Microsoft Officeをはじめとする従来のパッケージソフトと比べれば、ライセンス料金の大幅なコストダウンが見込めるだろう。

動作の軽さ

Chromebookでは各種の操作はWebアプリケーションでこなすこととなる。Webアプリ上の処理は当然サーバサイドに一任されるので、Chromebookでの処理はほとんどなく、前述した高くないスペックのCPUでも動作が十分に軽く、アプリを複数起動することによるメモリ不足なども発生せず、常に快適に使用できる。

起動の早さ

Windowsでは、電源をオンにして起動してからWebブラウザを利用できる状態になるまでさまざまな処理が必要で、数分は必要となる。そのため、ノートパソコンユーザーは電源を完全にオフにせず、スリープやレジューム(休止)状態にすることも少なくない。Chromebookでは電源がオンになってWebブラウザが起動するまでのプロセスが非常にシンプルで、わずか10秒程度で操作可能な状態になる。もちろん完全に電源オフの状態からだ。Windowsではスリープやレジュームからの復帰はときに失敗することもあるが、そういった心配も少ない。

バッテリの持ち

CPUの処理が少ないこと、HDDのような駆動部がないことから消費電力が大きくなく、8〜10時間の連続稼働が可能。外出先などでも電源確保を気にすることなく使用できる。

セキュリティの高さ

ウイルス対策機能が標準搭載されているため、感染リスクが低い。またウイルス対策ソフトを別途インストールしなくて済むことは、動作の軽さやアプリ導入コストの低減にもつながる。また管理コンソール(後述する)による詳細な運用・管理が可能であり、ユーザーが問題のあるアプリをインストールして問題が発生するリスクも低くなっている。

常時最新状態

Chrome OSの起動時には「確認付きブート」という機能により、Chrome OS自体に改竄や破損がないかどうかをチェックし、異常があれば自動修復される。また、GoogleによってOSの最新版がリリースされていれば自動更新されることとなる。意図的にアップデート操作をすることなく、常に最新状態のOSを利用できる。

サンドボックス装備

Webブラウザ内のタブ単位で複数のWebページやWebアプリが動作する「サンドボックス」機能を装備している。不安定なWebアプリが停止してしまったり、ウイルスを含んだWebページを誤って開いた場合でも、そのほかのタブに影響することなくWebアプリを終了したり、Webページを閉じたりできる。

データのクラウド保存

ChromebookではWebアプリケーションの利用とともに、作成された各種データはローカルストレージに保存されずにクラウドストレージに保存される。ローカルストレージにデータを保存している一般的なノートパソコンの場合、ハードウェアに問題が発生した場合などにはデータのサルベージやリプレースしたパソコンへのデータ移動が大きな課題となるが、Chromebookではそれらの問題は起きない。なお、ダウンロードファイルやWebブラウザのキャッシュファイルなど一部のデータはローカルストレージに保存されるが、特殊な暗号化が施されるためファイルへアクセスすることはできなくなっている。

復元が容易

Chromebookのシステムに問題が発生した場合には、内部ストレージのデータを完全に消去して工場出荷状態に復元することができる。ちょうどスマートフォンやタブレットの初期化と同じ。ほかのユーザーへ端末を譲渡するような場合にも有効だろう。

■デメリット(注意したい6つの点)

インターネット接続が前提

Chromebookはネット接続状態で使用することが前提となっている。オフィスで利用するのであれば無線/有線LAN接続に問題はないだろうが、外出先などでは何らかのネット接続手段を用意する必要がある。

Google依存度が高い

Chromebookの利用には「Google Appsアカウント」または「Googleアカウント」が必須となる。また、Office系文書は「Googleドキュメント」を利用して作成する必要がある。ChromebookはGoogleの提供する製品なので、Google依存度が高くなるのは当然と言えば当然ではあるが、企業ポリシーによってはその依存度の高さが導入障壁になる可能性もある。

他OSとの互換性

Webブラウザベースで動作し、Webアプリケーションを使用するという特性から、他のOSで動作しているアプリを移植するなどして同等に利用することは難しそうだ。

ハードウェアの違い

Chromebookのキーボードのキー配列は、Webブラウザの操作に特化したものになっていて、主にファンクションキー周りが一般的なキーボードとはやや異なる配列となっている。なお、ChromebookにはUSBポートが搭載されていて、USBマウス、USBキーボード、USBハブ、USB接続のWebカメラなどがサポートされている。

1台あたりの利用コスト

企業利用を前提にすると管理コンソールの利用が欠かせない。管理コンソールはChromebookのハードウェアとともに有料で提供され、そのライセンス価格は1台あたり2万1000円(税別、2015年5月現在)となっている。つまりChromebook1台あたりの導入には、ハードウェア料金+2万1000円のコストが必要ということになる。

図5 Chromebookのキーアサイン
図5 Chromebookのキーアサイン
キーアサインが若干異なるDell「Chromebook 11」のキーボード部分
資料提供:デル
プリンタ設定の違い

 Chromebookにはプリンタを直接接続し、ドキュメントを出力する機能がない。
 とはいえ、プリントする手段がないわけではなく、まずネット経由で印字を可能とする「Googleクラウドプリント」を利用してプリントする手段がある。この場合はプリンタがGoogleクラウドプリントに対応していて、ネットに接続されている必要がある。Googleクラウドプリント非対応のプリンタでも、無線LAN対応のWindows、Mac、Linuxパソコンに接続し、それらのパソコンにChromeと「Googleクラウドプリントコネクタ」をインストールすれば、Googleクラウドプリント同様に運用してプリントすることが可能になる。更に、プリントサーバーが稼働している環境では、プリントサーバーにGoogleクラウドプリントコネクタをインストールすることで、同様にクラウド経由での印刷が可能となる。ただし、Googleクラウドプリントコネクタがすべてのプリントサーバーに対応しているわけではない。
 ……と、3パターンでプリントすることが可能なわけだが、従来のパソコンと比較するとやや煩雑であるのは確かだ。

 ざっと挙げてこのような特徴のあるChromebook。果たして法人利用においてどのようなシーンで輝くことができるのだろうか。次項目より紹介していこう。

…この記事の続きは、会員限定です。  会員登録はこちら(無料)

続きを読むには…
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、続きが読めます。

会員登録(無料)・ログイン

このページの先頭へ

Chromebook/話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?」関連の情報を、チョイスしてお届けします

※キーマンズネット内の「Chromebook」関連情報をランダムに表示しています。

Chromebook」関連の製品

クライアント仮想化ソリューション Ericom 【アシスト】
VDI
あらゆるデバイスにWindowsアプリ、VDI、物理PCへの接続を提供。低帯域でも快適な通信プロトコル、ブラウザをRDPクライアントとして使える機能等を備えている。

Chromebook」関連の特集


SaaSやシンクラ導入、OS XやChromeOS、Windows10の登場など2015年はクライア…



自社からの情報流出を防ぐ出口対策のために自社のIT資産明確化と外部メディア制御が可能な資産管理ツール…


「PC」関連 製品レポート一覧

このページの先頭へ

Chromebook/ 話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?」の記事を一部ご紹介しました。
会員登録を行い、ログインすると、「Chromebook/ 話題の「Chromebook」は法人利用で活きるのか!?」の記事の続きがお読みいただけます。


Myリストへ 印刷用ページへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。


ページ: 1 | 2 | 3 | 4


30007709


IT・IT製品TOP > PC > ノートパソコン > ノートパソコンのIT特集 > 特集詳細

このページの先頭へ

キーマンズネットとは

ページトップへ