まるで飲む外科医!?体内で手術する“医療ナノロボット”の未来

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掲載日 2015/02/19

まるで飲む外科医!?体内で手術する“医療ナノロボット”の未来

スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究チームが、体内で動く髪の毛の直径ほどの細長いナノロボットを外から磁場で操作する方法を開発した。ロボットには動力源はなく外部から磁力を使用して患部へ移動させる。

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「ミクロの決死圏(Fantastic Voyage)」とタイトルのついたサイエンスフィクション映画(1966年公開)があったことをご存じだろうか。

 物語は、脳に障害を起こして米国へ亡命したロシア要人を治療するものだった。特殊潜航艇と一緒にミクロサイズに縮小された米科学者を中心とした医療チームが、注射の針を通じて血管から体内に侵入し活躍する。

 スイス連邦工科大学チューリッヒ校でロボット工学を研究するブラッド・ネルソン教授のチームは、最近、磁場により体内のナノロボットを外から操作する方法を開発したと発表した。チームは10年以上にわたり、体内に入って患部を治療する人間の髪の毛ほどの大きさのナノロボットの開発を進めてきている。
ナノロボット開発者のブラッド・ネルソン教授のインタビュー
 彼らのナノロボットは細長いスクリュー型であり、ニッケル、金などでてきている。ロボットの形は大腸菌バクテリアをまねたものであり、鞭毛運動しつつ回転して患部を(ナイフを使ったように)切除することを目指している。

 これまではナノロボットをいかに小さくするかという点から、体内で移動させる方法とその動力源が課題だった。研究チームは磁場を使いナノロボットを目的の部位に到達させることができる方法を実現したとしている。

 治療が難しいとされていた眼球内部の疾患の治療に利用することが検討されており、臨床試験が近日中に開始されようとしている。最終的には、映画のテーマでもあった、外科手術では治療が困難とされる脳内疾患に使用することを目指している。

 研究者はさらに水処理や環境浄化などの他分野への幅広い応用を目指している。例えば原油が流出した海中に何百万ものナノロボットを投入して除去作業に利用することを想定している。

 今回公表されたCNNの報道についてのコメントは少ない。技術に前向きなコメントとしては「(患部の)問題を解決する小さな存在」(米国)がある。もし本当に体内の患部を治療してくれることになればとの条件付きで、「将来お医者さんを飲み込むことになる」(米国)などがある。

 本当にナノロボットを体内に入れるとするとどれくらいの量を飲み込むことができるのかに驚いているコメントとしては、「スプーン1杯に数千億のナノロボットがいる!」(不明)がある。

 またスクリュー型ロボットの機能についての疑問として「(スクリュー型ロボットが)小さなナイフのようになる?」(インドネシア)がある。

 ネガティブなコメントとしては、「実在するバクテリアに同じ機能を持たせるのは容易ではない?」(スペイン)がある。生命工学の分野ではナノサイズのバクテリアを治療に使う研究が進んでおり、治療や適用する病状によってはナノロボットより先行していることが背景にあるようだ。

 コメントが少ない要因としては、過去10年様々な取り組みがなされてきたにもかかわらず、実用化まで更に時間がかかりそうなことがあるのかもしれない。

 今回(2015年)CNNがナノロボットを特集して報じたきっかけは、昨年末(2014年12月)に米国とスイスの産学のナノロボット共同研究フォーラムが開催されたことにあると見ている。
  • 「スプーン1杯に数千億のナノロボットがいる!」(不明)
  • 「(スクリュー型ロボットが)小さなナイフのようになる?」(インドネシア)
  • 「将来お医者さんを飲み込むことになる」(米国)
  • 「(患部の)問題を解決する小さな存在」(米国)
  • 「実在するバクテリアに同じ機能を持たせるのは容易ではない?」(スペイン)

※上記枠内はすべて編集部訳

(執筆者:西山 昇)
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