自社に適したワークスタイル変革の考え方

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

アパレル業界でも実現!自社に適したワークスタイル変革とは

2015/02/12

ワークスタイル変革は大企業やIT関連企業などで先行している印象があるが、実際には幅広い規模・業種の企業が柔軟なワークスタイルの実現を目指し、自社に適したかたちを模索しつつ取り組んでいる。今回はレディースエレガンスの企画・生産・販売までを行うアパレル企業であるレッセ・パッセで取り組まれているワークスタイル変革についてお話を伺った。

株式会社レッセ・パッセ 企業サイトへ

株式会社レッセ・パッセ:櫻井 亮 氏、秋山 一子 氏

企画・生産部
企画課 課長 生産課 課長
櫻井 亮 氏

総務・経理部
サブリーダー
秋山 一子 氏

ITの浸透によって、クイックレスポンスが可能な環境は整ってきている

Question

近年、ファッション・アパレル業界の市場や企業は、どのような状況にあると感じますか?

Answer

株式会社レッセ・パッセ:櫻井 亮 氏、秋山 一子 氏

弊社はレディースエレガンスの企画・生産・販売までを行うアパレル企業として、婦人服をはじめとする商品を展開していますが、ご存じのとおり、この業界では価格帯も販売チャネルも非常に多様化しています。その中で弊社は洋服そのものの価値を認めてもらえるブランドを重視し、時代に求められる商品づくりを行っていますから、いわゆるファストファッションのように低価格のものを大量に製造して長期間にわたって販売するのではなく、鮮度を追求するために1ヵ月単位での商品回転を主体としています。そうした中でひしひしと感じるのは、ITの浸透によって、より早く消費者の方々の情報をキャッチし、それを即座に生産にバックできるといった、クイックレスポンスが可能な環境が整ってきているということです。

例えば、弊社では直営通販サイトの運営に加え、Amazon、更には様々なウェブショップに出店するなど、イーコマース(EC)にも力を入れています。実際、販売チャネルにおけるECの売上比率は年々伸びており、今季は実際の売り場とのO to O(Online to Offline)の相乗効果による売り上げ増加も実現しています。こうしたECから得られるフィードバックであったり、あるいはSNSなどでパブリックにやりとりされているコメントなどは、非常にスピーディにキャッチできる情報だと言えます。今後はそうした情報を商品づくりに活かしていくことも必要になってくるだろうとは思います。更に、現状としては弊社では直接関係する部分ではないのですが、ITをベースとした様々なコミュニケーションツールをうまく活用することで、海外の生産拠点や生産業者とのやりとりの中で生じがちなタイムラグも最小化されつつあるのではないでしょうか。

また、アパレル業のデザイナーやパタンナーが行う企画業務は、感性のもとで行われるアナログな業務と考えられがちですが、実際にはパターンはCADで作成し、データで国内、海外の生産協力工場に送信していますし、生産指示書もExcelの書式などで送付するようになっています。その名のとおり紙で型紙を工場などへ送っていた時は、早くても翌日にならないと型紙を介した意思疎通を図れなかったのに対して、電子送信であれば即座に先方の手に渡って、すぐに足並みを揃えて動くことができるわけです。そうした部分も含めて、業界でのビジネスのスピード感は非常に増していると感じます。


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世界観を共有しながら商品づくりを行う文化は守りたい

Question

ファッション・アパレル業界の業務と言えば、手作業が重要だったり、伝統的な部分も多いかと思いますが、やはりシステム導入による効率化などは進んでいるということでしょうか?

Answer

株式会社レッセ・パッセ:櫻井 亮 氏

ただ、その一方で、弊社ではブランドの世界観というものを大切にしています。そのため、特に企画などの最初の段階においては、全員が1つの世界観を共有しながら、相互で様々な意見や情報をやりとりしながら進めていく必要があります。また、そのあとの作業は各々で分担しながら取り組むことになるのですが、実は洋服を作る過程においては、ことあるごとに細かく確認事項をおさえながら進めていくことが非常に重要なのです。もちろん、自動車製造のように、どこかの寸法の不具合が事故につながるといったことはないにしても、洋服のシルエットなどの微妙なさじ加減が全体的な印象や完成度の高さにつながってきます。そのため、オフィスのレイアウトに関しても、パーティションすらない、いわゆる風通しのよい、互いにすぐに声をかけやすい環境にしています。企画デザイナーやパタンナーなども含めて、やはり会社に全員が集まるという仕事のしかたを変えるのはなかなか難しいのです。

もちろん、今後は出産した社員などに対して、在宅勤務ができるような環境も提供しなければならないと考えていますし、今年1月からは総務・経理部以外は裁量労働制に移行しましたので、それを考慮しつつ、同じ時間に同じ場所にいなくても業務が進むようなシステム化を考えています。ただ、先ほどのような事情を考慮すれば、例えば、すべての業務を自宅で行えるようにしようというのではなく、週に1日もしくは2日程度、本当に個人で可能な範囲の作業にとどめることになるかと思います。いくら利便性や効率性が高められたとしても、世界観を共有しながら商品づくりを行うという、レッセ・パッセの文化や特色が失われるようでは意味がないですから、柔軟なワークスタイルを実現する際にもそのあたりのバランスはうまくとりながら進めたいと考えています。

Question

貴社ではiPadやiPhoneの業務活用にも早くから取り組まれているということですが、具体的にはどのような使われ方をされているのでしょうか?

Answer

店舗管理をしているエリアマネージャ、店舗管理をしている営業部については、iPadやiPhoneを配布した上で、クラウドストレージを導入して社内の情報共有に活用しています。売り上げの集計データなどをクラウド上に保管することで、外出先でも、出張先でも、どこにいても各店舗の商況などが見られるようにしています。弊社では全国の百貨店などで30の直営店を展開していますが、営業担当者は複数の店舗を回りながら、各店舗の売り上げや在庫状況、更には天候や季節などの様々な情報をもとに臨機応変な判断を行い、陳列変更といった販促のための業務指示を出すといった機会も多々あります。クラウドストレージ上で集計データを見たり、店舗の現況写真を確認、あるいは手書きの図を交えた業務指示をアップロードするなど、移動中の時間などを有効活用できるのは非常に大きなメリットと受け止められているようです。


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まずは手間のかかる業務の円滑化を図り、ワークスタイルの変化につなげたい

Question

そうした取り組みは社員のワークスタイルの多様化にもつながってくるものですよね?

Answer

株式会社レッセ・パッセ:秋山 一子 氏

各店舗は21時に閉店しますから、売り上げの締め処理を行い、集計データがアップされるのは22時、あるいはそれ以降ということもあります。通常は、営業担当者は翌朝に出社した時点でデータを確認し、打ち手を考えるという流れが一般的かもしれませんが、弊社の場合は、販売管理システムがiPhone、iPadに対応しているため、帰宅後、店舗の売上状況把握ができ、すぐに店舗へ業務指示を出しておくこともできるのです。見方によっては24時間にわたって仕事をしいているのではないかと感じるかもしれませんが、そうではなく、自分の時間を有効活用できる、業務を効率的にスムーズにすすめられるという点で、社員にとっても、会社にとっても、非常にメリットのある体制が構築できていると感じます。

もちろん、社員のプライベート時間を守ることも重要であり、その観点から弊社では本社勤務の課長以下の従業員に関しては、iPadやiPhoneといったモバイル端末の業務利用は推奨されていません。先ほど述べたように、もともと外出の多い営業職には適していても、企画業務などはただでさえ長時間業務になりがちなところに、モバイル端末を渡してしまうと、プライベートと業務の切り替えが難しくなってしまうからです。

例えば、デザイナーは、大きさの違うデザイン画を書き直すといった作業だけではなく、商品説明を様々な書式で作成するなどの事務作業が発生することもあります。また、各百貨店へのデータ送信に関しても、弊社では10年ほど前から行っていますが、大手企業とは異なり、多大な開発費用をかけてデータ送信を自動化することはなかなか難しく、総務担当者が手作業でデータを抽出して送信していました。更に、昨年4月には弊社は大手アパレル企業であるルックの傘下に入りましたので、過去の資料や集計表などを提出する機会も増え、しかも、見やすく比較しやすいように、新たな共通形式に整形しなければならないということもあります。そのほか、TVへの衣装協力や、雑誌撮影などに商品をレンタルすることも多く、サンプル管理や棚卸などにも結構な手間がかかります。

そのため、まずはこうした各社員の負担になっている部分の作業低減や自動化を図ることが必要だという意識で様々な取り組みやシステム導入を進めています。例えば、最近では、ファッション業界向けの商品情報管理システムである「FASHION eBASE Cloud(ファッション・イーベース・クラウド)」を採用したことで、開発工数をかけずとも、容易に様々なデータ送信に対応できるようになりました。このサービスは全日本婦人子供服工業組合連合会(JWCA)が開発・提供してきたJAN付番管理システム(APJ)の後継機能を担っており、「商品“JANコード”付番管理と百貨店EDI機能」を搭載しているのです。

発番されたJANコードやサイズ、カラーなどの商品値札タグ作成に必要な情報をタグ発注用にデータ出力したり、直接バーコード付きのラベルシールを印刷することも可能なので、サンプル作成など企画の早い段階からデータベース化し、バーコードシールを付けることで、サンプル管理や棚卸などの管理業務の手間を省くことができます。また、百貨店に商品コード、サイズ、カラー、JANコードなどを送信することにより、商品の入荷、百貨店用の値札を付けなくても、自社ブランドタグで百貨店のレジを通すことができますから、SKU単位で売上集計が可能となります。こうしたシステム活用により、デザイナー、Webショップ担当者、プレス担当者、更には総務担当者の業務を円滑にし、同時に集まらなくても容易に意思疎通が図れるような環境が構築してこそ、初めてワークスタイルも変化させていくことができると考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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「LAISSE PASSE(レッセ・パッセ)」「Debut de Fiore(デビュー・ド・フィオレ)」「Fiore Luxe(フィオレ・リュクス)」の3ブランドを展開し、上品でかわいい、大人のためのリアルクローズを提供。単に洋服や小物類を販売するだけでなく、来店客に感動を与え笑顔を生み出すことを目指している。世の中の価値観が変わり、販売チャネルも多様化している中で、ブランドの世界観を大切にしながら常に進化を続けている。


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