価値観を変えるワーク&ライフ・インターン

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

世の中の価値観を変えるワーク&ライフ・インターンとは

2015/01/15

人材確保の手段の1つとして、女性社員にずっと働いてもらえるよう、仕事と子育てを両立しやすい環境・制度を整備しようという企業が増えつつある。ただ、社員にそうした新たな環境・制度を積極的に活用してもらうためには、環境整備だけでなく、働く側の意識を変えていくことも必要となる。具体的には、どのような取り組みが有効と言えるだろうか。

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堀江 敦子 氏

代表取締役社長
堀江 敦子 氏

女性の活用は“今あるものをなくさない”ことにすぎない

Question

企業が女性の活用に取り組むことには、どのような意義やメリットがあると言えますでしょうか?

Answer

スリール株式会社:堀江 敦子 氏

女性の活用については、“今までなかったものを取り入れる”わけではなく、あくまでも“今あるものをなくさない”ことだととらえられます。ですから、それほど大仰にとらえる必要はないと思いますが、その一方で、企業としては当然のように取り組んでいかなければ、今後は立ち行かなくなってしまいかねないことも確かです。例えば、労働人口の減少に対しては、今後は外国人労働者や高齢者の雇用なども検討していくことになるでしょうが、その前にまずは価値観や文化的背景をより共有しやすい国内の女性活用に取り組むというのは自然な流れだと考えます。

また、女性にずっと働いてもらうためには、やはり、仕事と子育てを両立させやすい環境づくり、具体的には時間や場所に拘束されない働き方を実現し、働き手の多様性を許容するようにしなければなりません。ただ、そうした環境さえしっかりできてしまえば、結果として、外国人労働者や高齢者の雇用に対応するためのベースも整うことになるはずです。

Question

そうした、女性がずっと働けるような環境がこれまで整えられてこなかった要因としては、日本の企業、あるいは社会全体としてどのような問題・課題があると考えられるでしょうか?

Answer

皆さんある程度は認識されているはずですが、高度経済成長期以降の概念が今でも引きずられている影響が大きいのではないかと思います。高度成長期以前は日本の働き手の9割方が農業に従事し、共働きが当たり前で、子育ては家族や近所の方々と互いに協力していたはずです。しかし、高度成長期に入り、また、同時に都市部では核家族化が進んだため、男性はとにかく働いてお金を稼ぎ、そして、男性が仕事に集中できるように女性は家事に専念したほうが効率的という社会構造になりました。

もちろん、そのこと自体が悪いのではなく、高度成長期という社会状況に適した家族や会社の形態だったわけです。しかし、その後、60年も経過しているにもかかわらず、依然としてそうした考え方から脱しておらず、新たな社会状況に適応し切れていないからこそ、今になって女性活用の立ち遅れなど、様々な問題が浮上してきているのだと思います。まずは社会状況が既に大きく変化していることを認識した上で、これまで引きずってきた固定概念から脱却し、今の社会状況に適した形態へと変わっていくことが、家庭、会社、そして、社会に求められているのではないでしょうか。


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ワークスタイル変革は「互いの理解」なくしては成り立たない

Question

実際のところ、「女性の活用」、あるいは「ワークスタイルの変革」といったことに対する企業側の意識はどのような段階にあると見ていますか?

Answer

スリール株式会社:堀江 敦子 氏

大企業を中心に変わってきており、具体的な環境も整いつつあると感じます。もちろん、意識はしているものの、なかなかそういう部分までは手が回らない、どうしたらいいか分からないといった企業もまだまだ多いでしょうが、今後は徐々に広がっていくものと思われます。ただ、いざ企業が実際に取り組みを始めた際に、問題になりがちなのが「現場の意識」です。やはり、現場のことは現場の人たちが一番よく分かっているはずですから、柔軟な働き方を実現するための環境や制度を会社から与えられるだけではなく、それをどう活用すればやりやすいか、最適かといったことを自分たちで考えたり、「具体的にどういう働き方をしたいのか」「そのためにはどういう環境や制度が必要なのか」といったことも現場側から積極的に提案したほうが、結果的にうまく行くことが多いと感じます。

ただ、そのためには上司と部下、チーム内の社員どうしでのコミュニケーション、そして、それに基づいたマネジメントが大事で、具体的に言えば、「多様性の理解」が重要になってきます。ただ、これが簡単なようで非常に難しいものです。自分の部下、同僚、あるいは上司などは、それぞれに異なる価値観や家庭環境などを抱えているにもかかわらず、どうしても言動などの表面的な部分での理解にとどまりがちではないでしょうか。例えば、一口にワーキングマザーと言っても、それぞれに置かれている状況は千差万別で、それぞれに適したワークスタイルがあるはずです。そもそも、ワークスタイルを変えていくということは、互いの信頼なくしては成り立たないものと言えますから、まずは相手がどういう考えでどういう状況かを理解しなければならないというわけです。

また、多くの企業様から制度整備やキャリア教育を行っても成果が表れないといった声を聞くこともあるのですが、その原因としては、共働き社員は「周囲から子育てや仕事のやる気を理解してもらえない」と意欲を落とし、若手社員もそんな共働き社員の姿を見て、「こんなに大変なら私には無理かも…」と意欲を落とすという悪循環にあるのではないでしょうか。


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仕事と子育ての両立をあきらめさせないために

Question

そうした悪循環を断ち切るためには、どのような取り組みが必要だと言えるでしょうか?

Answer

スリール株式会社:堀江 敦子 氏

弊社では、より多くの人が「人生をあきらめることなく、自分らしいワーク&ライフを実現」できるように支援したいと考えており、その実現のために固定概念を崩していく、そして、価値観や働き方の選択肢を増やしていくことを目指しています。例えば、ある調査では20代の女性の多くが「専業主婦になりたい」と回答しているのですが、その理由を掘り下げていくと、「仕事」「子育て」「両立」への漠然としたネガティブイメージがあることが見えてきます。もちろん、純粋に専業主婦になりたいという方もいらっしゃるでしょうが、本当は子育てをしながら仕事もがんばりたいと考えているのに、そうしたネガティブイメージが阻害要因となって、最初からあきらめてしまっているケースもあるのではないかと。

そういった漠然としたネガティブイメージをなくすためには、やはり、実際に仕事と子育てを両立されている方の姿を間近で見ることが早道だと思います。そこで弊社では、仕事と子育てを学びたい学生と、子育てをサポートしてほしい家庭をつなげる「ワーク&ライフ・インターン」を展開しているわけです。これは4ヵ月にわたる家庭内インターンシップの実施によって、「働くこと」と「家庭を築くこと」をリアルに学ぼうというもので、事前に子育てに関する研修を受けた上で、学生2人がペアになって、人生の先輩家庭でお預かりのインターンを行ってもらいます。更に、学生たちが自分のキャリアを考える機会として、月1回約40名で行うキャリア勉強会も設けており、「インプット」「考える」「実践」「落とし込み」を繰り返し行うことで、体験に基づいた深い学びになるようにしているのです。

講演会などで仕事と子育てを両立されている方のお話を聞くことも有効ですが、場合によっては、「白鳥の水面の上だけを見ている」だけになってしまうと言いますか、「この人がすごすぎるだけで、自分には両立は難しそう…」という印象を受ける人もいるかもしれません。でも、4ヵ月の期間にわたって実際に体験すれば、いわば水面の下でもがいている姿を見たり、あるいは信頼関係を築くことで、仕事や子育てで「こんな壁に直面した」といった生の声を伺える機会も出てくるでしょう。そのような過程の中で、学生たちも「誰でも悩みながらやっているのだから、そんなに不安を感じる必要はないんだ」「自分が本当にやりたいことをあきらめるのではなく、いろいろな人に頼りながら両立させればいいんだ」と考えるようになっていきます。

ワーク&ライフ・インターンは既に4年間実施しており、これまで300人の大学生と70の家庭が参加し、また、インターン生向けイベントや社員交流会・職場見学会などの実施にあたっては、会場のご提供、社員様のご登壇といったかたちで多くの企業様の協力もいただいています。その中で実感しているのは、決して子どもをないがしろにすることなく、子育ての負担が軽減できるような構造を実現することで、女性たちはいっそうがんばろうという気になり、仕事に対してのモチベーションも高まるということです。


●ありがとうございました。


取材協力

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「誰もが笑顔で自分らしい人生を生き、笑顔で子どもを生み育てられる社会」を目指し、「子どもを見てほしい家庭」と「仕事と子育てのリアルを知りたい学生」をwin-winの関係でつなぐ、日本初家庭内インターンシップ「ワーク&ライフ・インターン」などの事業を展開している。


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