個人と組織の能力を最大化するオフィス改革

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

個人と組織の能力を最大限に引き出すオフィス改革

2014/10/23

働く時間や場所を多様化していく中で、「従業員がいかんなく能力を発揮できるようにするためには、オフィスにはどのようなレイアウト・設備、更には機能が必要か」といった考え方も必要になってくる。今回は、“ファシリティマネジメント”という観点でワークスタイル変革をとらえてみよう。

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吉井 隆 氏、伊藤 秀憲 氏

ファシリティソリューション部
FMソリューション担当部長
伊藤 秀憲 氏

ファシリティソリューション部
FMソリューション担当 主査
吉井 隆 氏

“オフィスファシリティマネジメント”の意識が、経営資産の最大限活用につながる

Question

貴社では、ビルや建物の「企画・設計・施工」から「保守・運用・維持管理」といったファシリティマネジメントを柱としつつ、オフィスの環境整備やワークスタイルに関するコンサルティングサービスなども展開されていますが、どういったビジネス戦略のもとで取り組まれているのでしょうか?

Answer

株式会社NTTファシリティーズ:吉井 隆 氏

お客様の働き方そのものを支援するコンサルティング、そして、そのためのオフィスづくりなどについては、弊社では2000年代半ばからサービス提供の取り組みを始めました。働き方を支える仕組みやシステム、あるいはそれらを取り巻くICTツールというものは、非常に速いスピードで発達していますから、少し先を見据えたビジョンを基調としつつ、お客様の企業が「収益性をいかに向上できるか」「コスト/リスクを低減できるか」といったことを最終的なゴールとして到達できるようお手伝いしています。そうした中で、「社員が自分たちの能力を遺憾なく発揮できるようにしたい」という意識や悩みを抱えた経営者の方々も増えていますから、自分たち自身がそうしたオフィスづくりやワークスタイルを率先して実践しつつ、その成果をお客様にも提供したいという思いで、様々な取り組みを進めてきました。

そもそも、ファシリティマネジメントと言うと、従来はビル資産を保有するオーナーが不動産の維持・管理を行うものというイメージだったかと思います。実際、弊社でも土地や建物、設備といった業務用資産を最適な状態で保有するためのコンサルティングから監視・オペレーション、例えば、エネルギー利用状況の見える化や災害対策なども含めて、多様なサービスをファシリティマネジメント向けに提供しています。しかし、その一方で、現在ではテナントビルが多くなっているという事情もありますから、そのテナントに入る側の企業もファシリティマネジメント、言い換えるなら“オフィスファシリティマネジメント”という意識を持って、自らの経営資産を最大限活かせるような提案もしていかなければならないと考えてきました。そうした資産の中には、当然ながら無形資産、つまり、人財も含まれるのです。

人財を最大活用するオフィス環境を創造するためには、オフィスワーカーの潜在的な意識や能力を引き出すことが重要となります。そこで、私たちはオフィスワーカーの「モチベーション」と「コミュニケーション」を定量化する新しい手法として、2007年に「ワークスタイル診断システム」を開発しました。個人のモチベーションを「Live」、チームのコミュニケーションを「Link」と呼び、その2つを軸とした指標、及び、ワークスタイルを定量的に評価する手法で、具体的な流れとしては、実際に企業で働くオフィスワーカーの方々にアンケートを実施し、現在のオフィス環境を診断していきます。そして、その結果をもとに、オフィスワーカーが互いに高め合い、つながり合うような働き方ができるオフィス、「Live-Link Design オフィス」を構築しています。


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客観的な分析でワーカーが感じているオフィスに関する課題を抽出

Question

その「ワークスタイル診断システム」に関しては、貴社のWebサイトで体験版も公開されていますよね?

Answer

株式会社NTTファシリティーズ:伊藤 秀憲 氏

そうですね。体験版を見ていただければ分かるとおり、質問項目は10問のみに絞り込み、しかも、イエス/ノーだけで答えられるようになっています。千人規模、万人規模の企業で利用いただくケースも多いものですから、あまり回答時間がかかるものは望ましくありませんし、回答率を上げるという意味もあって、あえて極力シンプルにしているのです。従来、オフィスの整備・構築計画を立てる際には、総務部門などの一部の管理的立場にある社員だけで進めることも多かったかと思いますが、やはり、それなりの投資をともなうものですから、どういう根拠で実施したのか、本当に効果が上がっているのかという説明責任が問われる時代になっています。社員がどういう部分に対して「働きづらさ」を感じているかをあらかじめ調査することは、企業としてパフォーマンスを最大化する上で実際に重要な要素となるばかりではなく、ベンチマークとして説明材料の1つにもなるのです。

Question

診断結果はどのようなかたちでオフィス改革に活かされるのでしょうか?

Answer

客観的な分析によってワーカーが感じているオフィスに関する課題が抽出されますので、経営層がその課題を把握できるように、目指すべきオフィスのコンセプトや必要なソリューションを的確な優先順位で提案していきます。そのベースとなるのが、「7つのワークシーン」と「5つの環境要素」です。診断結果では「オフィスシーンの充足度」と「オフィス環境要素の充足度」という2つのレーダーチャートが示されます。前者は「スィンク」「ステーション」「コミュニティ」「レビュー」「レセプション」「アカデミー」「ブレイク」という7つの項目、後者は「空間」「ツール」「ルール」「制度」「雰囲気」という5つの項目となっており、両者をバランスよく充足させることによって、オフィスの様々な課題を解決するための、お客様ごとの「Live-Link Design オフィス」を計画していくのです。

Question

そのオフィスシーンというのは、こちらのモデルオフィスでもアイコンで示されているのが見受けられましたが、オフィスの中の区画分け、それぞれに固有の役割を持ったゾーンというふうに考えればよいのでしょうか?

Answer

従来の執務スペースや会議室、応接室といった場所を、集中、コミュニケーション、リフレッシュなど、ワークプロセスに合わせた7つのワークシーンで構築したものです。オフィス外にもワークシーンは存在していますので、オフィス内の場所以外も視野に入れます。「スィンク」は主体的に集中してミッションを行うシーン。「ステーション」はコミュニケーションしながらミッションを組織で遂行するシーン。「コミュニティ」はチームのブレーンストーミングに最適な機材を備え、必要情報へのアクセスも高いシーン。「レビュー」はノウハウやスキルを組織全体で形式知として共有し、幅広い情報に触れ、業務の品質を高めるシーン。「レセプション」は万全なセキュリティラインを確保し、お客様との相互理解と業務創造するシーン。「アカデミー」は企業に蓄積されたノウハウ・スキルを能動的に収集でき、コアオフィスの求心的な存在となるシーン。そして、「ブレイク」は職場メンバーとフランクに会話し、思考を解放し、リフレッシュ後の集中力がより高まるシーンと定義しています。


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オフィスは“生き物”だからこそ、構築以上に維持運用が重要

Question

オフィスの整備や改革に着手しようという企業が留意すべき点はありますでしょうか?

Answer

株式会社NTTファシリティーズ:吉井 隆 氏、伊藤 秀憲 氏

まず、その企業のワークプロセス、ワークスタイルをしっかりと見極めた上で、それに応じたオフィス空間を構築していくという流れであるべきだと考えますが、更に難しいのは、それを維持していくことではないでしょうか。オフィスというものは、生き物だと思います。増員などの変化に加えて、経営環境も日々変わっていきますから、例えば、現時点の状況でベストのオフィスを構築したとしても、3年後もそのままで大丈夫という保証はないのです。

だからこそ、弊社では単なる構築・整備ではなく、オフィスのファシリティマネジメントというとらえ方をしているのです。せっかく理想的なワークスペースを作り上げたとしても、結局、使われなくなったり、陳腐化してしまうようでは意味がありません。お客様と対話しながら、そのタイミングでベストなものを作り上げることは当然のことですが、更に運用や、そのためのルール作りのサポートといったかたちで、絶えず変化していくオフィスに対して、うまく維持運用できるような体制を整えてあげることが、何よりも重要だと考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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エネルギー事業と建築事業を主体に、ビルや建物の「企画・設計・施工」から「保守・運用・維持管理」まで、ワンストップでサービスを提供している。


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